チームビルディングとは?目的・効果と実践方法まで解説

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チームビルディングとは?目的・効果と実践方法まで解説

事業拡大のために新しいプロジェクトチームを立ち上げるとき、優秀な人材を集めて特別チームを編成することはよく行われています。



チームメンバーそれぞれの能力がいかに高くても、同じようなスキルをもった人たちの寄せ集めだったり、適切なマネジメントが行われなかったりすれば期待以上の効果を上げることは困難です。



メンバーの多様性を理解し、高いパフォーマンスを発揮できるようにするのに有効なのが、チームビルディングという手法です。



今回はチームビルディングの概要から目的、実践方法や効果などについて解説していきます。

チームビルディングとは

チームビルディングとは、目標を達成するために人を集め、ひとりひとりが能力を最大限に発揮できるように工夫しながら「目標達成できるチーム」を作り上げることです。

チームビルディングには、チームづくりのためのプログラムや研修、コミュニケーション力強化を目的とした取り組みなど、チーム力を発揮して目標を達成するための要素がすべて含まれます。

グループとチームの違い

人の集まりという定義であればグループも人の集まりですが、チームとグループでは何が違うのでしょうか?

グループを辞書で調べてみると

1 仲間。集団。「グループ旅行」

2 共通の性質で分類した、人や物の一団。群。

3 同系列に属する組織。「企業グループ」

の意味があります。

グループは同調性が高い、人の集まりということです。たとえば営業担当や業務担当のように同じ属性のメンバーが集まっていることをいいます。当然のことながら、グループが生み出す成果は頭数の足し算にしかなりません。

一方、チームはある目的のために協力して行動するグループ。組。スポーツや共同作業という意味です。「チームを組む」「野球チーム」という使い方をします。

つまり、集まった人たちがお互いを認め合い、それぞれの弱点を補完しながら、プラスの相乗効果を生んで目標を達成し、付加的な成果を生み出そうとする人の集まりです。

それぞれが強い結束で結ばれ、目標達成時には喜びを分かち合い、次もまた一緒に仕事をしたいと思える、相乗効果を生み出すのが理想のチームです。

チームビルディングの目的​

​それではチームビルディングは、何を目的として行われるのでしょうか?

一番の目的は、チームもしくは所属する組織の成果を最大化させることです。個人の能力がいかに優れていたとしても、先にご説明した同調性の高いグループでは相乗効果が出ないばかりでなく、場合によっては無用な競争心などから人数以下の成果しか出なくなってしまいます。

現代の働き方は多様化し、昔のようにずっと会社で顔を合わせているわけではありません。テレワークや地方支社店とのリモート会議、場合によっては海外のメンバーとも仕事を進めていく必要があります。

チームに参加する人たちそれぞれが、今まで以上に目的を共有し、同じ意識を持って文字どおり「チーム一丸」となる必要があるのです。

チームビルディングの目的をもう少し詳細に定義すれば、与えられた目標をメンバー全員で共有し、一人ひとりの能力を最大限に発揮できるように協力しながら、チームとしての成果を最大化させること、となります。

成果をあげるためには、異なるバックグラウンドを持つ人たちが、補い合う関係を構築することが必要ということをリーダーは認識しなければいけません。

チームビルディングの実践​

​実際にチームビルディングを進めていくには、どのようなことを実践すればよいのでしょうか?ここではチームの変遷と、具体的に何を行うのかを確認していきましょう。

すべてのものに始まりと終わりがあるように、チームビルディングにも形成から散会までのステップがあります。

アメリカの心理学者ブルース・タックマン(Bruce Tuckman)は、チームは、形成されてから機能するまで5つの発展段階を経ていくとしており、「タックマンモデル」と呼ばれています。

タックマンモデルはチームビルディングにおける基本的な発展段階を表したものですが、特にチームのリーダーはメンバーが今現在どのような状態あるのか、打つべき解決策にはどのような手段があるのかを、このモデルを参考に考えておく必要があります。

形成期(Forming)

チームが形成されたばかりの時期です。メンバー同士の理解は進んでおらず、行動は比較的受動的、おのおのが遠慮し合っている状態といえるでしょう

この時期にはお互いの理解を深めるために、メンバーをどんどん入れ替えるグループワークや、場合によってはゲーム、イベントなどを行うことが必要です。

混乱期(Storming)

お互いの理解が進み、能動的かつ積極的に意見交換などが始まるようになると、意見の衝突やメンバーの対立が起きやすくなります。

リーダーはこのようなとき、「心理的安全性」を意識する必要があります。どのような意見であれ、どのような立場であれ、このチームは受け入れてくれるという安心感がなければ、闊達な意見交換はできなくなります。混乱期は、コミュケーションを深めるためには必須のプロセスなのです。

統一期(Norming)

混乱期が収束し、メンバー同士で目標の共有・意見統一がなされ、チームの結束が高まるときです。

メンバーはそれぞれの立場で能動的に動き始める前段階となるので、各人のミッションを明確にしておきましょう。

機能期(Performing)

メンバーそれぞれが自分のミッションとチーム内での役割を理解し、能動的に動く時期です。結束力が強まり、それぞれがメンバーの弱点を補完し合いながら、チーム全体が目標に向かって動きます。

リーダーは、メンバー各人の方向性維持とモチベーション維持に全神経を集中するときです。

散会期(Adjourning)

プロジェクトが終わり、チームが解散するときです。チームの活動を通じて修得したノウハウや知見をナレッジとして保管することも重要ですが、何よりも目標が達成されていること、そしてチーム全員がまた一緒に仕事をしたいと考えていることが大切です。

タックマンモデルは時系列にチームビルディングの活動を示したものですが、5つのステップを通して、以下のような活動を行うのがチームビルディングの実践です。

  • ビジョンやチームの目標の明確化
  • メンバー同士のコミュニケーション維持
  • メンバーの動機づけ
  • 各人のミッションと役割の明確化
  • メンバーのモチベーションの維持と成果の刈り取り

チームビルディングの効果​

チームビルディングによって作られたチームは、実際の業務にどのような効果をもたらすのでしょうか?目標達成の可能性が上がるのはもちろんですが、それ以外の効果について主なものを確認していきましょう。

目標達成へのマインドづくりにつながる

チームビルディングを通じた成功体験は、その後の業務においても目標達成へのモチベーションとなります。

組織のコミュニケーション力向上

混乱期を通して培われたコミュニケーション能力は、チーム以外の組織の中でも役に立ちます。ほかのメンバーに対する尊敬や信頼が、チームや組織全体を活性化することを経験しているからです。

目標やミッションの共有による自発的な活動が見込める

目標やミッションを自分のものとして理解する能力が身につくので、「指示待ち」ではなく自発的に動けるようになります。

エンゲージメントの向上と離職率の低減

チームビルディングを通じて正当に評価され、働きやすい環境が整えばエンゲージメントの向上につながります。エンゲージメントの向上は離職率を低減させ、優秀な人材の確保にも影響します。

このようにチームビルディングは、そのプロジェクトの成功に影響を与えるだけでなく、企業全体の活性化にも大きな影響を与えるのです。

チームリーダーは、今のチームがどのような段階や状態にあるのかを見極め、相乗効果を生み出すチームや組織づくりにチームビルディングの手法を取り入れてみてください。

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