現在、日本企業に勤めており、キャリアアップを目指して外資系企業への転職を考えている方にとって、外資系企業への転職はどのように行えばよいのか、わからないことも多いはずです。外資系企業は敷居が高いイメージがありますが、日本企業との違いや求められる人材の特徴を理解しておけば、未経験でも転職できる可能性があります。
本記事では、外資系企業への転職を成功させる方法や向いている人の特徴を解説します。外資系企業への転職について理解を深め、キャリアアップの道を切り開きましょう。
未経験でも外資系企業に転職できる?
結論から言うと、未経験でも外資系企業への転職は可能です。外資系企業は即戦力を求めるため、中途採用がほとんどであり、転職先が求める経験やスキルが備わっていれば、外資系企業で働いたことがなくても採用される可能性があります。
ただし、外資系企業は職種や分野のスペシャリストを求めており、求める人材レベルが高いといえます。そのため、金融をはじめ未経験では転職が難しい業種があることも事実です。
外資系企業への転職が狙い目の年代とは
外資系企業への転職は、若い世代が有利というイメージをもたれている方もいるかもしれませんが、年齢は関係ありません。外資系企業への転職時期として適切な年代は、以下の4つに分けられます。
- 20代(第二新卒):ポテンシャル採用で未経験者も採用される可能性あり
- 30代:前半はポテンシャル採用の可能性あり、後半は経験とスキルが求められる
- 40代:専門スキルとマネジメント経験、高い語学力が求められる
- 50代:40代よりもさらに専門スキルとマネジメント経験、高い語学力が求められる
どの年代でも、適性があれば転職可能であるといえます。ただし、年代が上がるほど求められる経験値とスキルレベルも上がるため、注意が必要です。また、健康状態がパフォーマンスに影響を与えるため、定年年齢に近づくと健康状態が合否を左右する可能性があります。未経験で外資系企業への転職を狙う場合は、第二新卒が狙い目となります。上の年代と比較して求められるレベルが低く、将来的な伸びしろを見込まれるためです。外資系企業も日本企業と同様に若手が不足しているため、ニーズも高くなっています。
未経験で外資系企業への転職を成功させる方法|求められる人材になろう!
未経験から外資系企業への転職を成功させるためには、外資系企業が求める人材になることが大切です。
以下のデータからは、外資系企業が日本で人材確保をする際に困難を感じる理由がわかります。
人材確保が困難な理由 |
割合(※) |
英語をはじめとした外国語能力の高い人材の不足 | 54.9% |
コミュニケーション能力の高い人材の不足 | 38.2% |
デジタル技術に精通した人材の不足 | 27.7% |
統計・データ処理能力の高い人材の不足 | 9.5% |
上記以外の専門人材・スキルの不足 | 31.5% |
日本企業との風土の違い・労働者の意識(外資系企業で働くことへの消極的姿勢など) |
23.4% |
雇用流動性の不足 | 22.4% |
日本の就職活動日程ルールとの違い | 5.2% |
その他貴社が外資系企業であることから生じる要因 | 6.2% |
その他 | 8.4% |
引用:2022年度外資系企業ビジネス実態アンケート調査結果概要 P25|日本貿易進行機構(ジェトロ)対日投資部
※複数回答あり
以上のデータを参考に、外資系企業が求める人材をまとめると、以下の4つが該当します。
- 英語・外国語の能力が高い人材
- コミュニケーション能力が高い人材
- 専門スキルが備わった人材
- 外資系企業で働けるマインドをもった人材
上記の4つに当てはまる人材になることで、外資系企業への転職が叶う可能性が高くなるといえるでしょう。それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてみてください。
英語・外国語の能力が高い人材
「英語をはじめとした外国語能力の高い人材の不足」と回答した外資系企業が、54.9%と高い割合であることから、外資系企業は外国語能力の高い人材を求めていることがわかります。
一般的に外資系企業では、ビジネスレベルの英語力や外国語を使ったコミュニケーションが難なくできるレベルが求められるでしょう。外国語能力が高いと、キャリアアップも有利に進んでいく可能性があるため、磨いておいて損はありません。
ただし、なかには外国語能力をそこまで重視しない企業もあります。もし、現在の外国語能力に自信がない場合は、そういった企業を探してみるのもひとつの方法です。
外資系企業の転職をサポートするエンワールド・ジャパンでは、個々の英語力に合った転職先をご紹介できますので、お気軽にご相談ください。
コミュニケーション能力が高い人材
次に、「コミュニケーション能力の高い人材の不足」と回答した外資系企業が、38.2%と比較的高い割合を占めていることから、外資系企業はコミュニケーション能力が高い人材を求めていることがわかります。
エンワールド・ジャパンが外資系企業に転職した400名に対して実施した「外資系企業のビジネスコミュニケーション」についてのアンケート調査によると、外資系企業で働くうえで重要だと感じるコミュニケーション能力は、以下のとおりです。
引用:外資系企業のビジネスコミュニケーション実態 │ エンワールド・ジャパン
なかでも、以下の3つの能力は44%以上の割合を超えており、重要だと感じている方が多いことがわかります。
- 簡潔・明確に物事を伝える力
- 相手に合わせた臨機応変な対応力
- ニーズ・課題を聞き取る力
伝える力も大切ですが、相手の言っていることを正しく理解したうえで対応する力も求められます。特に、英語を使ったコミュニケーションでは相手の言ったことを理解しきれないケースもあるため、その場でわかるまで質問したり、あとで同僚や上司に確認したりとそのままにしない姿勢が大切です。
専門スキルが備わった人材
以下の4つの項目を見ると、外資系企業は専門スキルが備わった人材を欲していることがわかります。
- コミュニケーション能力の高い人材の不足
- デジタル技術に精通した人材の不足
- 統計・データ処理能力の高い人材の不足
- 上記以外の専門人材・スキルの不足
日本貿易振興機構(ジェトロ)対日投資部が実施した「2022年度外資系企業ビジネス実態アンケート調査結果概要」で「人材確保が困難」と回答した外資系企業に、人材確保が困難な業種・分野を尋ねています。その結果、6割弱が「IT・技術人材」「営業・マーケティング人材」の確保が困難と回答していることがわかります。つまり、これらの職種・業種経験がある外資系未経験者は転職しやすい可能性があります。
これまでのキャリアやスキルを活かせる職種・業種を選択することで、効率的な転職を目指せることも参考にしてみてください。
外資系企業で働けるマインドをもった人材
「日本企業との風土の違い・労働者の意識」という項目が23.4%を占めているところを見ると、日本企業との違いが人材確保の困難さを助長していることがうかがえます。
外資系企業は、日本企業とそもそものマインドが異なります。日本では謙虚な姿勢が美徳とされますが、外資系企業では自分の意見をハッキリ言ったうえで協調する姿勢が求められます。このマインドの差を理解し、前のめりで自己主張できる人材になることで、外資系企業でも活躍できる可能性があります。
ただし、自己主張だけが激しくても意味がありません。相手を納得させられるだけの筋の通った論理が大前提です。したがって、ロジカルシンキングに基づいた自己主張が求められます。
未経験で外資系企業に転職する際に必要な英語力|TOEIC700点以上が目安
外資系企業への転職活動を成功させるうえで必要な英語力は、TOEICのスコア700点レベルがひとつの目安とされています。
外資系企業は英語が話せなければ採用されないというイメージを持つ方もいると思いますが、部署や職種によっては英語をほとんど使用しない場合もあります。例えば、日本人社員が多く、取引先も日本企業であるケースです。
ただし、マネージャーなどの中間管理職は、ビジネスレベルの英語力が求められます。特に、人事・経理・医療機器の営業などは、流暢に会話ができるレベルが必要です。金融業界ならネイティブレベルの英語力が求められることもあります。
そのため、中途採用に挑むのであれば、外資系企業への就職が未経験であっても日常会話レベルの英語力は身につけておき、外国籍のクライアントとの商談や社内の連絡をスムーズにできるようにしておくことがベストです。まずは、TOEIC700点以上の取得を目指し、勉強に励みましょう。
日本企業と外資系企業の違い
日本企業と外資系企業には、以下の違いがあります。
- 成果主義
- 仕事とプライベートの考え方
- スピード感
- 教育・研修制度
- 福利厚生制度
上記の違いがあるからこそ、求められるマインドも異なるわけです。それぞれについて理解を深め、外資系企業の特徴を捉えましょう。
成果主義
日本企業でも取り入れられつつありますが、外資系企業の多くは人事評価基準として年功序列ではなく成果主義を採用しています。つまり、在籍年数が長ければ昇給・昇格するのではなく、生み出した結果に対して評価され昇給・昇格していきます。
自分よりも社歴の短い人や、年下の人でも成果を出していれば先に昇格していくでしょうし、成果を出せない状況が続けば減給や降格につながる可能性があります。
仕事とプライベートの考え方
日本企業に比べて外資系企業はオンとオフがはっきりしていて、プライベートが尊重される傾向があります。長期休暇が取りやすかったり、勤務時間の調整ができたりするなど融通が利きやすい企業が多いですし、業務時間外に上司や同僚と接点を持つことも少ないといえるでしょう。
オンタイムには仕事に集中し、オフタイムには自分の時間を大切にしたいという人には、メリハリがあって働きやすい環境でしょう。
スピード感
外資系企業は物事を合理的に考える傾向にあり、意思決定のスピードがとても速いのが特徴のひとつといえます。そのため、フレキシブルに事業やプロジェクトの展開・拡大が実行され、経費に対して売り上げが見込めないと判断されれば、潔く撤退することも少なくありません。よって、チャレンジ精神旺盛な人にとっては働きやすい環境といえるでしょう。
教育・研修制度
外資系企業のキャリア採用は即戦力として考えられているため、日本企業と比較すると、教育制度や研修制度などは充実していないケースが多いです。もちろん、入社時に基本的なことは教えてもらえるでしょうし、その後のフォロー体制がまったくないという訳ではありませんが、指示を待っていても仕事は割り振られないため、自主的に行動することが求められます。
福利厚生制度
外資系企業では、住宅手当や家族手当、退職金などが支給されないことも珍しくありません。外資系企業は給与が高いイメージがあるかもしれませんが、それは福利厚生に当てられる分も給与として支払われているからという考え方もできるのではないでしょうか。そのため、福利厚生制度が気になる人は、応募する企業の給与額と一緒に福利厚生の内容についてもチェックしておくとよいでしょう。
外資系企業で求められるマインド
外資系企業で求められるマインドは、大きく以下の3つです。
- 自立心、自主性
- 異文化への適応力
- 成果を追い求める積極性と精神力
未経験から外資系企業への転職を目指す場合は、上記3つのマインドがすでに身についている状態で挑むと、転職後も活躍しやすくなります。
自立心、自主性
教育制度が整っていないこともある外資系企業では、自ら考えて行動し、積極的に発言をしていく必要があります。チームでの業績よりも個人の結果によって評価される傾向にあるため、新人に親切に指導してくれる先輩がいるとは限らないでしょう。そのため、自己責任で道を切りひらく決意があるかどうかが重要といえます。
異文化への適応力
外資系企業には、日本企業と異なる文化があり、転職すればその文化を受け入れ適応する必要があります。物事を合理的に考え、スピード感のある意思決定の下で仕事ができる反面、ストレートな物言いに傷つく人も見受けられます。また、「右へならえ」ではなく自分の意見を持ち自己主張する必要もあるでしょう。
成果を追い求める積極性と精神力
外資系企業では、KPI(目標達成指数)など具体的な数字による評価が行われます。営業であれば売上の数字がすべてといってよいでしょう。努力したとしても、結果として数字を残せなければ評価につながりません。「まだ転職したばかりだから」「教えられていないから」などと、甘やかしてもらえることはないでしょう。
外資系企業の給与は日本企業に比べて高い傾向にありますが、目標が達成できない状況が続けば年収がダウンする場合もあります。
外資系企業のうち未経験でも比較的転職しやすい業界
一般的に外資系企業のキャリア採用では、職種別採用で即戦力となる人材を求める傾向があります。ただし、未経験でも転職しやすい業界を選ぶことで、外資系企業へ転職することは可能です。
ここでは、数ある外資系企業のなかで特に未経験でも転職しやすい業界を3つご紹介します。
- 製薬業界(MR)
- コンサルティング業界
- 保険業界
製薬業界(MR)
市場の規模が拡大傾向にある製薬業界は、常に人材を募集しています。特に、営業を担うMR(Medical Representatives)の募集は、未経験でも転職しやすいでしょう。ただし、医療関係者へ医療用医薬品の情報を提供するなど、主に医師とのやり取りとなるため、少なくとも4年制大学卒以上など、学歴が求められる傾向にあります。
コンサルティング業界
コンサルティング業界の外資系企業も、未経験で転職しやすいといえるでしょう。コンサルタントは、市場分析や経営戦略を踏まえて提案および実行支援などのノウハウを提供するのが仕事です。
そのため、コミュニケーション力の高さを前提とした対人スキル、素早い文書作成能力、業務遂行能力などが必要になるとされています。コンサルティング業界での経験はなくても、社会人としての経験や業務スキルは高い評価が得られる場合があります。
保険業界
保険業界は、経験や知識よりも「人が好きで好かれやすい人」が採用される傾向にあります。そのため、未経験でも入りやすい業界の一つだといえます。
製薬業界(MR)と違い、保険業界の営業・プランナーは学歴とはあまり関係なく募集されています。しかし、入社後は歩合給制であることも多いため、業績次第で収入が不安定になる可能性があるでしょう。
未経験で外資系企業に転職するメリット
未経験で外資系企業に転職すると、以下の3つのメリットが得られます。
- 実力があれば年齢に関係なく年収がアップする可能性がある
- 多様性を尊重し合う風土がある
- 個人に与えられる裁量が大きい
未経験者にとっては外資系企業への転職活動はハードルが高いものの、うまくいくと大きなメリットが返ってきます。「自分にはできないかも」と思わず、挑戦してみることが大切です。
実力があれば年齢に関係なく年収がアップする可能性がある
繰り返しになりますが、外資系企業の多くはジョブ型採用のもと、それぞれの職種・職務レベルに応じた明確な人事評価基準を用いることから、実力がそのまま年収に結びつく傾向にあります。
年功序列を採用している日本企業とは異なり、年齢や勤務年数に関係なく収入が変動するので「今いる会社では能力に見合った収入を得られていない」と感じている場合は、未経験でも外資系企業への転職にチャレンジしてみるとよいでしょう。
多様性を尊重し合う風土がある
多くの外資系企業ではあらゆる国籍の社員が勤務しているため、さまざまな国の人と接触する機会に恵まれることもあるでしょう。多様なバックグラウンドを持った人との出会いを通じて、新鮮な刺激を受けられるのではないでしょうか。
また、こうした多様性にあふれた職場環境では、お互いを理解・尊重し合いながら仕事を進めていく風土があります。
個人に与えられる裁量が大きい
個人に与えられる裁量が大きいことも、外資系企業ならではのメリットのひとつといえるでしょう。そのため、仕事の進め方に自由度があり、自分の強みを発揮しやすい環境にあるといえます。
また、外資系企業未経験者であっても自分のスキルを存分に発揮できれば、年収がアップするだけでなく、グローバル案件などの規模が大きい案件を任せられる可能性もあるでしょう。
未経験で外資系企業に転職するデメリット
未経験で外資系企業に転職する際は、以下のデメリットに留意しておく必要があります。
- 成果を上げられないと解雇の可能性がある
- 日本企業との違いにストレスを感じることがある
ポイントは、日本企業とは企業体質やマインドが大きく異なることです。事前にギャップを理解しておけば、デメリットによって不利益を被ることなく、外資系企業で活躍することもできるでしょう。
成果を上げられないと解雇の可能性がある
外資系企業では、成果を上げられない場合、解雇される可能性があります。
日本企業では、30日以上前に解雇通知を出すことが法律で定められています。しかし、海外には猶予がなく、場合によってはプロジェクトの途中でも解雇通知が出されることもあります。
成果主義は解雇の恐ろしさがある一方で、成果さえ上げれば確実にキャリアや報酬アップにつながるメリットもあります。
日本企業で大いに成果を出してきた方は、外資系企業でも通用するかどうか挑戦してみるのもよいでしょう。
日本企業との違いにストレスを感じることがある
外資系企業は、日本企業と仕組みもマインドも異なるため、働きはじめの頃はストレスを感じる方もいるでしょう。特に、のちほど紹介する、外資系企業に向いていない人に当てはまる場合は、要注意です。外資系企業は成果主義であるため、日本人の特徴からすると根詰めすぎてしまう方も出てくるでしょう。
大切なのは、自分にできることを全力で行い、難しいことは同僚や上司の力を借りながら進めることです。このとき必要なのが、高いコミュニケーション能力です。
成果を出すために周りを巻き込むことを意識すると、一人で抱え込まずに業務を遂行できます。
外資系企業への転職が向いている未経験者
外資系企業への転職が向いている未経験者の特徴は、以下のとおりです。
- 努力を怠らない人
- 業務の効率化を追求できる人
- 英語力がある人
- 前のめりに業務に取り組める人
まずは、ご自身が外資系企業に転職してもやっていける人材かどうかチェックしてみてください。
努力を怠らない人
外資系企業は個人の実力が評価される業界ですので、入社後も自身のスキルアップに努める人が多いです。
年功序列を採用している日本企業とは異なるので、「勤続年数を重ねればキャリアアップの機会が与えられる」という考え方ではなく、自分自身の実力でキャリアアップを目指す必要があります。
自身でキャリアプランを描き、そのために必要なスキルや経験を積極的に獲得していけるように、自己研鑽し続けられるような人は、外資系企業未経験者であっても、外資系企業に向いているといえるでしょう。
業務の効率化を追求できる人
外資系企業では、業務の効率化が重視される傾向にあります。無駄な作業や時間をカットすることで社内の生産性を向上させられれば、評価につながるでしょう。
「上司から指示されたやり方だから」「昔からあるルールだから」というように、業務が効率的に進むかどうかを考えないで仕事に取り組むのではなく、年齢や立ち位置を気にせずに、社内のために業務の効率化を考えられる人であれば、未経験であっても外資系企業では重宝されるでしょう。
英語力がある人
英語力がある人は、未経験であっても外資系企業には向いているといえます。なぜならば、外資系企業はグローバルな案件を遂行することもあり、そのような案件では英語でコミュニケーションを取る場合もあるからです。
もちろん企業によっては業務が日本語で完結するケースもあります。しかし「どんな外資系企業であってもキャリアをしっかりと築いていきたい」と思っているのであれば、英語力を身につけておくことが理想です。
前のめりに業務に取り組める人
外資系企業では、自主性・積極性・向上心などをもって前のめりに業務に取り組み、成果を出せる人が重宝されます。
自分の提案や意見が通らなければ、成果につながらないため、同僚とは競争状態になります。そうした環境下で自己研鑽を積みながら、業務に取り組んでいくことで、迅速かつ成果の出やすい働き方ができるようになります。
ただし、がむしゃらに業務に取り組むことが求められているわけではありません。あくまで、成果につながるマインドと取り組み方が重要です。
外資系企業への転職が向いていない未経験者
外資系企業への転職が向いていない未経験者の特徴は、以下のとおりです。
- 誰かの指示を受けて動きたいと考える人
- 柔軟に動くことが苦手な人
- 安定志向の人
上記にあてはまる場合、マインドや行動を変えることで外資系企業で活躍できる人材になれる可能性があります。もし、当てはまっている部分があれば、改善に取り組んでみましょう。
誰かの指示を受けて動きたいと考える人
外資系企業は個人主義的な風潮が強いので、仕事は主体的な姿勢で取り組むことが求められる傾向にあります。
そのため上司からの指示を待っている人や、自ら問題解決に向けて動き出そうとしない人など、仕事に対して受身な姿勢の人は外資系企業には向いていないといえるでしょう。
成果に結びつけられないと収入面でも伸び悩むので「自分自身の力でキャリアアップするぞ」という意気込みが、外資系企業で働く上では必要だといえます。
柔軟に動くことが苦手な人
外資系企業は仕事の結果を重要視する傾向にあるので、成果が見込めない仕事の進め方やルールには臨機応変に対応していきます。そのため社内での急な変化についていけるような、柔軟な思考を持っている必要があります。
安定志向の人
日本企業は安定した収入を得られやすい傾向にありますが、外資系企業で安定した収入を得るためにはそれ相応の実力と結果が必要だといえます。
なぜなら、年齢が高くても実力が見合わなければ収入も伸び悩みますし、職種によってはインセンティブ給が設定されているので、成果が給与に直結するケースもあります。
外資系企業への転職に向けて未経験者に必要な準備
外資系企業に転職する際は、自分の専門分野や培ってきた経験、スキルが重視されます。そして、自分の持ち味をいかに書類や面接でアピールするかが重要です。ここでは、以下の3つに分けてポイントを解説します。
- 中途採用のフローを確認
- 履歴書・職務経歴書を用意
- 英語面接の対策
外資系企業への転職を成功させるためにも、ひとつずつ理解を深めていきましょう。
中途採用のフローを確認
中途採用の選考フローを先に知っておくと、必要な準備を進められます。一般的な流れは、以下のとおりです。
- 一次選考(書類選考)
- 二次選考(一次面接)
- 三次選考(二次面接)
場合によっては、適性検査や試験がある企業もあるため、募集要項を確認しましょう。
なお、外資系企業では、選考過程でリファレンスチェックやバックグラウンドチェックを実施するケースがほとんどです。書類や面接だけではわからない人物像や仕事ぶりを深掘りし、ミスマッチを防ぐために行います。
関連記事:リファレンスチェックとは?質問内容から重要なポイントまで徹底解説
もし、現職の上司にリファレンスチェックを依頼する場合は、丁寧に事情を説明し協力を仰ぎましょう。応募先の企業の情報や質問内容など、事前に打ち合わせておくとスムーズに進められます。
履歴書・職務経歴書を用意
履歴書や職務経歴書は、自己アピールできる絶好のチャンスです。特に職務経歴書は、自分の経験とスキルを詳細に記載するようにしましょう。ただし、書きすぎても担当者にすべて読んでもらえるとは限らないため、A4用紙3枚程度に収めるようにします。そして、職務経歴書のサマリーをA4用紙1枚にまとめ添付し、採用担当者に短時間で自分の経歴について理解してもらいましょう。
外資系企業では、履歴書や職務経歴書をチェックする採用担当者が日本人とは限らないケースもあります。そのため、日本語版と英語版の書類提出を求められる場合があります。
英語で履歴書や職務履歴書を作成する場合、書類のフォーマットが自由であったり、新しい経歴から記載していったりと、日本と形式が異なります。そのため、日本語の履歴書をただ英語に訳すのではなく、英語の書き方を身に付けることが大切です。
詳しい書き方は以下の記事で解説しているので、参考にしてください。
関連記事:英文履歴書(英文レジュメ)の書き方|フォーマットから項目ごとのポイントまで紹介
英語面接の対策
外資系企業では、英語で面接が行われる場合もあります。また、面接の方法も対面に限らず、電話やスカイプなどを海外本社とつないで行うこともあります。そのため、面接対策は日本語と英語の双方でしておきましょう。
面接で聞かれる質問は日本企業の場合とほぼ同じです。どの質問も一般的なものですが、謙遜せず自信をもって伝えるようにしましょう。
これまでの自分のキャリアや成果
外資系企業においては即戦力になる人材を求める傾向にあるため、たとえ未経験者であったとしても、入社後すぐの活躍が期待されるでしょう。したがって、自分のキャリアと成果を述べることにより、自身が入社することでどのようなメリットがあるかを伝える必要があるといえます。
そのため面接では、「どんなキャリアと成果を持っているのか」「それらが入社後にどのような形で役立つのか」を意識して答えるようにしましょう。
転職理由や志望している企業を選んだ理由
ここでは「前職は大変だった」など、ネガティブな理由は述べないように心がけましょう。志望する業界や企業に対して感じている魅力、自分の今後のキャリアの展望などを明確に述べるようにしましょう。
趣味・趣向
趣味や趣向も実は仕事につながる場合があります。そのため、面接で趣味や趣向を聞かれた場合は、それが仕事に対してどのように活かせるかを述べられるとよいでしょう。
外資系企業で面接を受ける際の心がけ
外資系企業と日本企業とでは、転職面接の対策方法が異なります。外資系企業の転職面接では、以下の2つのポイントを押さえておくことが大切です。
- 基本的な受け答えができるレベルの英語力を身につけておく
- 自分の考えを明確に述べる
はじめて外資系企業の面接を受ける際は、わからないことも多いはずなので、転職エージェントのキャリアアドバイザーから対策についてアドバイスをもらうことをおすすめします。
外資系企業への転職に強いエンワールドでも専門家によるアドバイスが可能なので、お気軽にご相談ください。
基本的な受け答えができるレベルの英語力を身につけておく
外資系企業の面接は英語で行われる場合もありますので、少なくとも面接での基本的な受け答えができるレベルの英語力は身につけておくとよいでしょう。英語の面接は、想定される質問に対する回答を英語にして覚え、面接当日までに何度も復唱してスムーズに答えられるよう準備しましょう。
自分の考えを明確に述べる
これは外資系企業の面接に限った話ではありませんが、自分の考えを明確に述べるように意識しましょう。
外資系企業は日本企業に比べて、より個人の主体性が評価される傾向にありますので、面接で自分の考えを明確に伝えることで良い印象を与えられるようにしましょう。
外資系企業未経験であれば、最初の面接は緊張することもあると思います。事前にシミュレーションを何度も行い、万全の対策を取っておきましょう。
外資系企業への転職は情報収集がポイント
外資系企業といっても、業界や会社によって文化や働き方は異なりますが、一般的には新卒を育てるよりも中途で即戦力を採用する傾向にあります。そのため、どのようなスキルや経験が求められるのか、事前に十分な情報収集をしておくとよいでしょう。
未経験で外資系企業への転職を目指すなら転職エージェントの利用がおすすめ
未経験で外資系企業への転職活動を始めようとしている方や、すでに転職活動をしている方であれば、転職エージェントというサービスを聞いたことがあるのではないでしょうか。
ここでは、転職エージェントとは何か、転職エージェントを使うとどんなメリットがあるのかについて解説します。
転職エージェントとは|企業と転職希望者をマッチさせるサービス
たとえ「転職するなら、自分にぴったりな企業に転職したい」と思っていても、実際にはどうやって企業を探したり、選んだりすればよいか分からないという人もいるのではないでしょうか。
転職エージェントは、そのように感じている転職希望者と企業との間に立ち、転職希望者に合った企業をマッチングさせるサービスです。
外資系企業未経験者でも効率よく転職活動できる
これは外資系企業未経験者に限ったことではありませんが、転職活動をするとなると、転職先候補となる企業のリサーチ、面接練習、スケジュール調整、自己分析など、やらなければいけないことも多くあるでしょう。
しかし、転職エージェントを使えば「最適な企業の提案」「スケジュール調整の引受」「転職活動のアドバイス」などのサービスが利用できるので、未経験者でも転職活動を効率よく進められるといえます。
転職エージェントは無料で利用できる
先に述べたとおり、転職エージェントは転職希望者に嬉しいサービスが豊富にありますが、いずれのサービスも無料で利用できます。
時間の使い方が効率的になるだけでなく、お金がかからないという点でも転職エージェントの利用はおすすめです。
まとめ
外資系企業は、中途採用を基本に人材採用を行うため、未経験でも適性があれば転職可能です。即戦力として働ける実力を持つ方にとっては、やりがいのある仕事と高い収入を獲得できるチャンスでもあります。
チャンスをつかむためには、企業の特徴や文化をリサーチすることに加え、英語面接の対策を行うことも大切です。
自分だけではリサーチや対策が不安である場合は、外資系企業の転職に強いエージェントの利用も検討してみてはいかがでしょうか。
エンワールドは、豊富な求人情報をもとに中長期的な視点でキャリアを考えながら、最適な提案をいたします。豊富な経験を持つプロのアドバイスを活用し、未経験から外資系企業への転職を成功させましょう。