日系グローバル企業とは?働くメリットや必要なスキルも解説

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2024.03.25
日系グローバル企業とは?働くメリットや必要なスキルも解説

現在、経営的な戦略も視野に入れて、設立国以外にも市場を拡大するグローバル企業が増加傾向にあり、日本でも海外進出に乗り出す企業が増えてきています。



グローバル企業で働くことは、海外赴任や海外出張によって大きく成長できるイメージもあるため、転職を視野に入れている方は少なくないのではないでしょうか。



この記事では、グローバル企業への転職を考えている方に向けて、日系グローバル企業の例を挙げながら、働くメリットやデメリット、必要なスキルなどを詳しく解説します。将来的に海外赴任や海外出張に挑戦したいと考えている方は、ぜひ最後までお読みください。

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グローバル企業とは

グローバル企業とは、設立国以外でもビジネスを展開している企業のことを指します。拠点が変わっても同じサービス、同じ商品を提供し、企業としての機能まですべてが一体化していることが特徴です。その中で、日本で設立された企業を「日系グローバル企業」と一般的に呼んでいます。

なお、海外でビジネスを展開する企業体には、グローバル企業だけではなく外資系企業や多国籍企業と呼ばれるものもあり、以下のようにそれぞれ明確な違いがあります。

外資系企業との違い

外資系企業とは、一般的に一定以上の資本が海外法人・海外投資家によって投じられている企業のことを指します。

本社である海外企業や株主などが経営戦略の決定に大きな影響力を持っており、本国・海外問わず統一的な経営戦略を立てるグローバル企業とは明確な違いがあります。

多国籍企業との違い

多国籍企業とは、拠点となる本社の機能を海外の子会社でも持っており、ある程度自立した状態でビジネスを進められるようなケースを指します。

本社から出向して指揮をとる人はいても、現地の人材・材料を使用してそのエリアに合ったサービスを提供することで事業を行います。

全世界で統一的な経営戦略を立てるグローバル企業とは違い、多国籍企業はその国のニーズに合わせた経営を行うため、本社とは異なる経営戦略を推進しているケースもあるでしょう。

日系グローバル企業の例

ここでは、代表的な日系グローバル企業を5つ紹介します。

トヨタ自動車株式会社(自動車メーカー)

トヨタ自動車株式会社は、日本を代表する自動車メーカーです。日系グローバル企業の中でも常にトップに入っており、世界でも自動車販売台数1位になるなど、その名を知らない人はいないでしょう。

 1950年代に海外輸出をスタートした頃は、現地生産でなければ販売できない国も多くあり、通商摩擦を回避する策としても、海外での生産・販売が検討されてきたという背景があります。

 こうした背景を受け、その国の情勢や現地の趣向、需要のある仕様など徹底的な調査を行い、現地採用するだけでなく、時間をかけ人材を育成することで、自社だけでなく現地に即した人材を確保してグローバル化の成功につなげてきたとされています。

キヤノン株式会社(精密機器メーカー)

キヤノン株式会社は日本を代表する大手精密機器メーカーで、カメラやプリンターの分野で非常に高い世界シェアを誇っています。新型コロナウイルスの影響で2020年に初めて赤字を記録しましたが、ここ数年は業績が上昇傾向にあります。

1950年代から世界市場に目を向け事業を展開してきた結果、現在ではグループ全体の売り上げの7割以上が海外市場のものになっています。また、日本だけでなく、アメリカやヨーロッパ、アジアでの売上比率が同程度のため、特定の市場の良し悪しに左右されにくいこともキヤノンの特徴です。

グローバル化を進める中で、キヤノンは国際舞台でリーダーシップを発揮できる人材の育成を強化しています。また、日本から海外だけではなく、海外から日本、さらには欧州から米国など、世界中のグループ会社を対象とした国際出向制度が設けられています。

ブラザー工業株式会社(電気機器メーカー)

ブラザー工業株式会社は、日本企業でありながら外資系企業と誤認されるほどの世界シェアをもつ電気機器メーカーです。レーザープリンターでは世界ナンバー1のシェアを誇り、日本市場より世界市場での売上高の方が圧倒的に多い企業です。

1954年にアメリカの販売会社設立以降、グローバルな事業展開が進められ、現在では、40以上の国と地域に生産拠点や販売・サービス拠点があり、海外売上比率は全体の8割を超えています。

 入社後は、社員一人ひとりがグローバル化に対応できるように学ぶ機会が設けられており、TOEIC受験や中国語会話レッスンが積極的に開催されているようです。また、人事評価基準に実力主義を採用し、それぞれの事業のクオリティを上げる取り組みも積極的に行われています。

味の素株式会社(食品メーカー)

味の素株式会社は、食品メーカーの中でもいち早く海外進出を推進してきた日系グローバル企業です。現在では世界に20数ヵ国の拠点をもち、現地密着型の事業展開でグローバル化を加速させています。

 日本の食文化に見られるような、安価で安定的に味のバリエーションを変える製品は歓迎されることから、海外に向け積極的に新たな市場を開拓していきました。さらには、商品のブランド力だけでなくM&A(合併・買収)によってグループ企業を増やし、海外市場への影響力を高めていきました。

 グローバル企業としては、現地採用で人材を集め、その国のユーザーにあわせた市場開拓が行われています。また、国内と海外での迅速な意思決定のために、幹部候補の選抜と教育に力を入れています。

株式会社ユニクロ(衣料ブランド)

株式会社ユニクロは、近年大きな飛躍をみせ続けるアパレルブランドです。誰もが手の届く価格設定や実用的な商品は、世界市場でも大きな人気を集めており、現在では国内と海外の売上収益がほぼ同等となっています。

 適正な価格で良質な服は海外でも受け入れられるとの予想から、生産だけでなく販売に関しても海外市場開拓を視野に展開してきました。そのエリアの気候や風土などを考慮した商品も人気となり、ブランドの認知も大きな広がりを見せています。

 グローバル企業として、世界中の社員に公平で適切な人事評価につながるグローバルグレード制度を導入しています。また、それぞれの海外拠点に適した品揃えにも力を入れています。

日系グローバル企業で働くメリット

ここでは、日系グローバル企業で働くメリットを詳しく解説します。

海外赴任のチャンスがある

海外赴任のチャンスがあることは、日系グローバル企業で働く大きなメリットの一つです。海外に拠点を多くもつ企業に入社すれば、その分海外赴任できるチャンスが広がるでしょう。

基本的に国内勤務を経験したあとに海外赴任になるケースが多くなりますが、企業によっては入社して数年でチャンスをつかめる場合もあります。

海外進出に乗り出す日系グローバル企業は年々増加しているため、海外赴任できるチャンスは今後ますます広がっていくでしょう。

海外赴任で大きく成長できる

海外の拠点は日本に比べると組織の規模が小さいため、国内勤務のときよりも相対的に高いポジションで任務を遂行することが期待されます。それまでとは違った責任も発生するため、海外赴任先での仕事は大きな成長が期待できます。

また、自分がそれまで親しんだ環境と異なる場所に身を置くことは、簡単なことではありません。仕事以外の場でも、言葉の違いだけでなく文化や習慣、価値観の違いを痛感することもあります。初めは苦労するかもしれませんが、異文化を理解できるようになると視野も広がるため、人として成長できるだけではなく、ビジネスシーンに必要なスキルも身につくでしょう。

年収が高くなる傾向にある

グローバル企業の給与水準は、国内の平均所得より高い傾向にあります。特に海外赴任の場合は、海外勤務手当をもらえることにより額面がアップし、年収も高くなる傾向にあります。また、企業にもよりますが、海外勤務手当のほか、住宅手当や交通費などを受けられることも少なくありません。

なお、海外勤務手当の支給は基本的に以下の2パターンがあります。

  • 給与に定額が上乗せされる(例:基本給+5万円など)
  • 給与に定率が上乗せされる(例:基本給×10%など)

年収が高くなればモチベーションアップにもつながり、仕事のパフォーマンス向上も図れます。

日系グローバル企業で働くデメリット

ここでは、日系グローバル企業で働くデメリットを詳しく解説します。

希望しない場合でも海外赴任の可能性がある

海外赴任のチャンスがあることが日系グローバル企業で働くメリットである一方で、海外赴任を希望しない方にとってはデメリットになりうるでしょう。

中には海外赴任の辞令前に希望を聞き入れてくれる企業もありますが、海外赴任の意志や語学力の有無に関わらず辞令を出されてしまうケースもゼロではありません。

また、海外赴任を目指している方も、必ずしも希望の赴任先で働けるとは限りません。どこの国で働くかはその時々の景気や携わるプロジェクトの内容によって左右されるため、希望通りにいかない可能性もあります。企業によって進出している国も異なるため、事前に海外拠点をしっかり確認しておくことをおすすめします。

各国の特性に適応できない可能性がある

海外赴任先の国の文化や気候、宗教など、日本との多くの違いに適応できず、仕事以前に現地での生活がつらくなってしまう可能性もあります。海外赴任先での生活は、想像以上に多くのストレスをともないます。

また、海外赴任が続いて海外を転々とするケースもあり、その都度、赴任先の国の文化に適応していかなければならないこともあるでしょう。

あらかじめ現地事情を知っておくことで心構えができるため、海外赴任が決定した段階で赴任先の国の文化や宗教などをよく勉強しておくことをおすすめします。

日系グローバル企業で求められるスキルやスタンス

海外にも拠点をおく日系グローバル企業では、日本企業とは違ったスキルやスタンスが求められます。

どのような環境にも適応できる柔軟性

海外では日本と異なることがたくさんあります。仕事の仕方や考え方も違えば、文化や習慣も違います。日本ではいい意味でとらえられることも、海外では失礼にあたる行動や言動になることもあります。ビジネスだけでなく、生活していくうえでもさまざまなトラブルが起きる可能性を想定し、柔軟に対応していくことが必要となるでしょう。

 そのため、どのような環境でも「郷に入っては郷に従え」の精神で飛び込んでいける柔軟な適応力をもった人は、海外向けの人材として重宝されます。安定志向の人より、冒険心のあるチャレンジ精神旺盛な人の方が日系グローバル企業には適していると言えます。

高いコミュニケーション力

海外では、ビジネスシーンだけでなく、普段の生活でも日本式の考えが通じないことがあります。現地の環境にいち早くなじむためには、異文化を柔軟に受け入れ、自ら積極的にコミュニケーションができることが大切です。

海外の方とのコミュニケーションは困難な場面も多くなりますが、言葉の壁を乗り越え、現地の人々とよりよい関係性を築ければ、プロジェクトの成功にもつながるでしょう。

能動的に行動できる積極性

海外では、日本人の美徳とされる謙虚さや遠慮がちな気質が、マイナスな方向にとらえられる場合があります。周囲の人と同じ意見だとしても「私はこう思う、考えている」という主張をすることが求められます。

 会議などでも、発言がないことは「興味がない」「参加していない」ことと同等とみなされ、周囲からの評価を得難くなります。企業や現地のスタッフからの意見や指示に受動的ではなく、能動的に行動できることが重要になります。

ビジネスレベルの語学力

日系グローバル企業では、すべての方が英語を習得していなければならないわけではありません。しかし、海外赴任や海外出張を目指している場合は、英語力を磨いていて損はありません。語学力不足によって誤解が生じるケースもあるため、ネイティブ並とは言わずとも、日常会話ができるくらいの最低限の英語力は必要と考えられます。

企業にもよりますが、ビジネスレベルの英語力の目安である「TOEIC700点以上」は取得しておいたほうがよいでしょう。場合によっては、英語以外の言語取得が必要なケースもあるため、注意が必要です。

関連記事:これを覚えれば完璧!これからの時代に身につけておきたいビジネス英語の基礎知識

日系グローバル企業に入って海外赴任のチャンスを得られる人の特徴

日系グローバル企業に入って海外赴任のチャンスを得られる方は、スキルを持っているだけでなく、いくつかの特徴があります。

業務内容を熟知している人

海外赴任者として選ばれる方の特徴として、自社の業務内容を熟知していることが挙げられます。海外在住員の人数は必要最小限に抑えられるケースが多いため、業務に精通している人は少ない人数の中でも任務を遂行してくれるだろうと期待されるからです。

また、ただ業務内容を熟知しているだけでなく、与えられた任務をきちんと遂行できるかどうかも重要になります。

国内勤務での成果や実績、周囲からの評判も確認されるため、日頃からしっかりと業務を遂行し、周りからの評価を得られるようにしておきましょう。

ストレス耐性が高い人

海外赴任は、業務内容や異文化での生活に強いストレスを感じる可能性があります。そのため、そのストレスに耐えられそうな人かどうかも案外見られるポイントになります。

日本とは違った異文化での仕事の交渉は、トラブルの連続です。現地の事情を踏まえない本社の指示に振り回されてしまうこともあり、それに耐えられるようなタフさが求められます。

ストレスは誰でも感じるもので、日頃からストレスをコントロールすることを意識し、自分に合ったストレス発散方法を模索してみましょう。

海外で働きたいという強い意志がある人

海外で働きたいという強い意志がある方は、海外赴任者として選ばれる可能性も高くなります。企業としても、海外赴任に抵抗がある方より、海外で働きたいという気持ちが強い方のほうが、現地で業務を遂行してくれるだろうと期待できます。

実際に日系グローバル企業に入社したら、海外で働きたいという想いを会社に強く伝え続けることが重要になります。

また、気持ちを伝えるだけでなく、自分が海外赴任することにより、会社にとってどのような利益があるのかをアピールできるとよいでしょう。

まとめ

本記事では、日系グローバル企業の例を紹介するとともに、働くうえでのメリットやデメリットについて詳しく解説しました。海外赴任のチャンスがある日系グローバル企業では、日本企業とは違ったスキルも求められるでしょう。

 

そのため、日系グローバル企業への転職では、特に事前の情報収集や面接への対策が不可欠になります。エンワールド・ジャパンは日系グローバル企業の転職支援に強みを持っており、ひとりひとりのキャリアを中長期で見て最適なプランをご提案しています。また、グループとして入社後のサポートに力を入れておりますので、まずは無料面談にご応募ください。

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