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外資系企業について、「英語ができなければいけない」「プライベートが尊重されている」「年収が高い」など、さまざまなイメージを持っている人がいるかもしれません。
しかし、実際の働き方や仕事内容は、外から見ただけではわからないことも多いでしょう。
この記事では、外資系企業への転職を考えている人に向けて、外資系企業とは何かに加え、有名外資系企業を紹介します。外資系企業に対する一般的なイメージと実際の違いについても解説しますので参考にしてください。
外資系企業とは?
外資系企業には明確な定義はありませんが、経済産業省が毎年実施している「外資系企業動向調査」を参考にすると、
・外国投資家が株式または持分の3分の1以上を保有している企業
・外国投資家が株式または持分の3分の1以上を保有しており、国内法人が出資する企業
が外資系企業である目安となっています。
また、一般的に外資系企業は、大きく3つのタイプに分けられます。ここでは、それぞれの特徴を解説します。
外国企業の日本法人
Google合同会社や、日本マイクロソフトなどがこれに当てはまります。海外企業が日本に進出し会社を設立するケースであり、100%海外資本の場合が多く、経営方針などは基本的に本国がすべて決定します。
日本法人が設立して間もないころは、とくに本国とのやり取りが多くなるため、高い英語力が必要とされるでしょう。
海外企業と日本企業の共同出資で設立された会社
共同出資で設立された会社も、外資系企業の中に一定数あります。海外企業は日本の土地や施設などを求め、日本企業は技術やブランド、資本力などを求めて出資しあうのが特徴です。代表的なのは、住友スリーエムや富士ゼロックスなどです。
共同出資の場合、海外企業と日本企業のどちらの出資額が多いかで、経営方針や決定権が変わってきます。
海外企業に買収された日本企業
日本企業が海外企業にM&Aなどで買収され、外資系企業になることもあります。西友やシャープ、ラオックスがその例です。
海外企業に買収されると、経営主導権が海外企業側に移るため、経営方針や企業文化などが大きく変わるケースがあります。
詳しくは「外資系企業とは?特徴、メリット・デメリットから転職するための方法まで徹底解説」をご覧ください。
有名な外資系企業にはどんな企業がある?
次に、外資系企業には具体的にどのような企業があるのかを見ていきましょう。業界別にそれぞれ有名な企業をご紹介します。
金融業界
まずは、金融業界のうち投資銀行と保険会社について、有名な企業を見ていきましょう。
投資銀行
投資銀行で有名な外資系企業は次のとおりです。
ゴールドマン・サックス
ニューヨークを本拠地に世界の主要な金融市場に拠点を持つ世界有数の金融機関で、企業、金融機関、政府機関、投資家など多岐にわたる顧客を対象としています。
日本でも、投資銀行業務、セールス&トレーディング業務、投資業務、資産運用、不動産業務など幅広い金融サービスを提供しています。
J.P.モルガン
グローバルで25万人超の社員を有する世界最大規模の投資銀行です。ニューヨーク本社を基点に、幅広い海外ネットワークでグローバル規模の案件を取り扱います。人材教育、ワークライフ・バランス向上のためのサポート、地域社会への貢献活動などに積極的です。
その他、モルガン・スタンレー、シティグループ、バンク・オブ・アメリカなどの企業が有名です。
保険会社
保険会社で有名な外資系企業は次のとおりです。
アフラック
1958年に世界で初めてがん保険を始めた米国発の生命保険会社で、業界トップクラスの既契約者数を誇ります。日本では1974年に日本初のがん保険を発売し、「『生きる』を創る。」をテーマに、医療環境や顧客ニーズの変化に対応した商品の提供や社会貢献活動も行っています。
プルデンシャル生命保険
米国最大手の金融サービス機関プルデンシャル・ファイナンシャル傘下の保険会社です。ライフプランナーと呼ばれる営業による、顧客ごとのオーダーメイド商品のコンサルティングセールスが強みです。
その他に、AIGグループなどの企業が有名です。
コンサルティングファーム
次に、外資系コンサルティングファームで有名な企業を、ファームの種類ごとに見ていきましょう。
総合コンサルティングファーム
総合コンサルティングファームで有名な企業は次のとおりです。
アクセンチュア
世界最大級の総合コンサルティングファームです。グローバルでおよそ73万人の社員が世界120ヶ国以上の顧客に対し、ストラテジー&コンサルティング、ソング、テクノロジー、オペレーションズの領域で幅広いサービスとソリューションを提供しています。
デロイト トーマツ コンサルティング
世界4大会計事務所(Big4)の1つ、デロイトトウシュトーマツ(デロイト)のメンバー企業です。
全世界250超の拠点ネットワークを活かし、監査・保証業務、リスクアドバイザリー、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー、税務、法務などを提供しています。
日本国内は約30都市におよそ1万7千名の専門家を有しています。
その他に、PwC Japanグループなどの企業が有名です。
戦略的コンサルティングファーム
戦略系コンサルティングファームで有名な外資系企業は次のとおりです。
ボストン コンサルティング グループ(BCG)
米国本社に加え世界100拠点以上のネットワークによる多様性に富むチームで、深い専門知識を活かしながら、変革の推進、組織力の向上、競争優位性構築、収益改善をはじめとするクライアントの戦略課題の解決や成長機会の実現を支援しています。
日本では東京の他、名古屋、大阪、京都、福岡にオフィスがあります。
マッキンゼー・アンド・カンパニー
米国に本社を構え、世界60ヵ国以上に130超のオフィスを持つグローバルなコンサルティングファームです。日本は東京と関西の2拠点で、国内上位30社の8割に相当するトップ企業に対し、クライアントの最重要目標の達成に向けた本質的かつ継続的な成長を遂げるための支援を行っています。
その他に、ベイン・アンド・カンパニーなどの企業が有名です。
会計コンサルティングファーム
会計コンサルティングファームで有名な外資系企業は次のとおりです。
KPMGコンサルティング
オランダを本部とし、世界143ヶ国およそ26万人のプロフェッショナルによって、監査、税務、アドバイザリーサービスを提供しています。国内外の最新の知見やデータを活かし、時には国境・国籍を超えたチームを組むことで、顧客の事業戦略策定・業務効率の改善・収益管理能力の向上などを支援します。
その他に、EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社などの企業が有名です。
IT業界
IT業界で有名な外資系企業は次のとおりです。
グーグル(Google)
世界的な規模の外資系IT企業であるグーグル(Google)は、アメリカ合衆国に本社があり、世界50カ国に70以上のオフィスを構えています。設立以来、急速な成長を遂げ、世界最大の検索エンジンをはじめ、オンライン広告、クラウドコンピューティング、ソフトウェア、ハードウェア関連の事業を展開しています。日本法人は、2001年8月にアメリカ国外で初めての現地法人として設立されました。
その他に、アマゾンジャパン、日本マイクロソフト、Appleなどの企業が有名です。
メーカー
続いて、外資系メーカーで有名な企業を見ていきましょう。
消費財メーカー
消費財メーカーで有名な企業は次のとおりです。
P&G Japan
1837年に米国のオハイオ州で設立され、70カ国以上の事業拠点を持つ、世界トップクラスの収益を誇る日用品消費財外資系メーカーです。ショッパーベースと呼ばれる徹底した購入者目線の製品づくりをモットーとし、世界的に愛用されている製品を提供し続けていると同時に、優れたリーダーシップを持つ人材を多く輩出し続ける企業、ダイバーシティ&インクルージョンを推進している企業としても知られています。
その他に、日本ロレアル、ユニリーバ・ジャパンなどの企業が有名です。
製薬メーカー
製薬メーカーで有名な企業は次のとおりです。
ジョンソン・エンド・ジョンソン
製薬、医療機器その他のヘルスケア関連製品を取り扱う世界最大級のヘルスケアカンパニーで、米国にある本社を基点に、世界60ヶ国に250以上のグループ企業を有しています。
ヘルスケアビジネスに特化した事業領域のもと、「消費者向け製品」「医療機器」「医薬品」の3つの事業に分けて推進・運営しています。
その他に、ファイザー、ノバルティスファーマなどの企業が有名です。
化学メーカー
化学メーカーで有名な企業は次のとおりです。
デュポン
米国に本社を構える化学メーカーです。フランス革命でアメリカに亡命したデュポン氏の火薬工場で始まった会社が、化学工業を中心とする巨大企業に成長しました。
エレクトロニクス&インダストリアル、ウォーター&プロテクションを中心に、卓越したテクノロジーや知見を駆使してイノベーションを創出し、製品の製造・輸出入・販売、研究・開発、技術サービスなど幅広い業務を行っています。
その他に、BASFジャパン、ダウ・ケミカル日本などの企業が有名です。
外資系企業のイメージと実際の違いは?
ここでは、外資系企業の一般的なイメージと実態とではどのくらい違いがあるのかを紹介します。
英語力は高いレベルが求められる?
外資系企業では高い英語力が求められる印象がありますが、部署によっては英語を日常的に使わないところもあります。
たとえば営業職で、営業先がほとんど日本企業である場合には、英語力はあまり重要視されないでしょう。
また、エンジニア職は売り手市場となっており、技術力が高ければそれほど英語力が求められないこともあるようです。
ただし、部門長が海外出身者であるケースも多いため、上司とのコミュニケーションや社内メールなどでは英語を使うことも多いでしょう。
完璧に英語ができなくても、日常会話ができる方が望ましいと言えます。
外資系企業で働くひとつの目安は、TOEICでスコア700以上が取れるレベルとされています。英語での会議やミーティング、プレゼンテーションなどを行うにはスコア800以上が目安となるでしょう。
給与水準が高いのは本当?
外資系企業は、給与水準が高いというイメージを持つ人もいるでしょう。
これは業界にもよりますが、金融をはじめ、IT、コンサルティングファームなどは給与水準が高い傾向にあります。
給与水準が高い理由のひとつに、職務内容を明確に定義して雇用契約を結び、労働時間ではなく職務や役割で評価するジョブ型雇用によるインセンティブ給与が関係しています。インセンティブ給与とは、簡単にいえば歩合制のことで、実力がある人ほど高い給与が得られます。
そのため、若くても成果を出せれば、その分高収入を目指すことができるでしょう。
終身雇用がなくて不安定?
「成果をあげられなければ、解雇される」というイメージをもつ人もいるようです。外資系企業においては、終身雇用が保証されるわけではなく、中にはある一定の期間を設け、設定された期間の中で成果を出すことができなければ解雇といった契約の外資系企業もあるかもしれません。しかしながら、すぐに解雇されるということはほとんどないと考えて良いでしょう。
成果を出せない場合は現状を変えるためのサポートがある企業もあります。サポート内容は企業にもよりますが、期限を決めて何に取り組み、どれくらい改善させるか目標を具体的に設定します。その後も、定期的に面談の場をつくり、進捗を確認してアドバイスを行うなどの対応が取られるケースが多いようです。
転職経験が多いことが評価される?
日本企業の場合、転職回数が多いとあまりよい印象を持たれないこともありますが、外資系企業では、キャリアアップのために複数回転職をすることは一般的でもあります。
とはいえ、仮に高い実績をもっていたとしても、あまりに転職回数が多すぎる場合は、よい印象を持たれないこともあります。
とくに一社に勤務する年数が「3年以下」だと、マイナスの印象を持つ企業も多く、転職が不利になる場合もあります。また、キャリアに一貫性のない転職をしている場合も、相手が納得できるような説明が必要となるでしょう。
プライベートが尊重されている?
外資系企業は、定時になれば帰宅でき残業はほとんどない、というイメージをもつ人もいますが、実際にも「働くときは働く、休むときは休む」とメリハリをつけて働けるところが多いようです。
また、外資系企業では有給休暇をきちんと消化する人がほとんどです。
逆に、有給休暇を使わない人は「仕事の効率が悪い」と見なされ、上司からの評価が下がる可能性もあるほどです。
外資系企業で活躍するのはどんな人?
最後に、外資系企業で活躍できる考え方や行動など、5つの特徴を紹介します。
過剰な謙遜はせず、自分の強みをアピールできる
海外でも謙遜の文化は存在しますが、日本人の謙遜は過剰と受け取られるケースも多いようです。特に外資系企業では、自分の成果を上司に説明したり、キャリアアップのために自身のスキルや実績を、しっかりとアピールすることが必要となるでしょう。
常に自分で考えスキル・キャリアの向上を目指せる
日本企業では、会社が人材を育てようとするところが多いですが、外資では常に自身で考え、スキル・キャリアの向上を目指す必要があります。
外資系企業でも、企業によっては研修や教育制度もありますが、個人で自分のキャリアアップに必要なものを考えて行動する人が多いです。
意見をはっきり伝え、積極的にコミュニケーションをとれる
外資系企業で働く場合には、「状況を察してもらう」といった空気を読むコミュニケーションは、日系企業に比べて期待できないでしょう。
そのため、会議や打ち合わせなどでは曖昧な発言は控えて、自分の意見をはっきりと相手に伝える必要があります。
どんなことにも柔軟に対応できる
外資系企業では、本国の決定は絶対であり、急な方針転換などに振りまわされることも珍しくなく、本国の決定によって、日本支社や部署が急遽撤退になることもありえます。
そのような急な変更など、どんなことにも柔軟に対応できる力が求められるでしょう。
多様な価値観を受け入れることができる
外資系企業では、さまざまな国籍や文化、考え方を持った人たちが多く働いているため、多様な価値観を受け入れることが求められるでしょう。
日本での常識や前職での考え方・ルールに縛られず、柔軟に新しい考え方ができる人は大いに活躍できるチャンスがあるでしょう。
まとめ
外資系企業のイメージと実態、活躍する人の特徴を紹介しました。外資系企業は公私の区別がはっきりしている、英語ができなければいけないなどのイメージがありますが、働く企業や所属する部署、職種などによっても異なってくるため、事前に調べておくことが大切です。
また、外資系企業で活躍するためには、相手に自分の意見をはっきりと伝えることや、自身のスキルやキャリアを伸ばすために自ら考えて行動できることが必要なため、自身の特性と照らし合わせて、外資系企業への転職が向いているのかを考えておくことも重要です。
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