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デジタル技術は目覚ましいスピードで進歩しており、社会でのIT企業の存在感は増していく一方です。そのため、IT業界でのキャリアに興味を持っている方も多いでしょう。IT企業のランキングは、就職や転職の際に企業の実績や待遇を比較するための情報として活用できます。
本記事では、世界のIT企業の収益ランキングと年収ランキングを紹介したあと、IT業界におけるホワイト企業の特徴や企業選びのポイントなども解説します。
IT業界でのキャリアアップを目指す方や、よりよい職場環境を求める方は、ぜひ参考にしてください。
【2024年最新版】世界のIT企業収益ランキングTOP10
ここで紹介する世界のIT企業収益ランキングは、アメリカのフォーチュン誌が毎年発表する「フォーチュン500」のデータを参考にしています。
2024年10月現在における最新の情報として、2023年度の売上高を基準としたTechnology部門のトップ10企業を紹介します。
- Apple(米国)
- Alphabet(米国)
- Microsoft(米国)
- Samsung Electronics(韓国)
- Hon Hai Precision Industry(台湾)
- Meta Platforms(米国)
- Huawei Investment & Holding(中国)
- Sony(日本)
- Dell Technologies(米国)
- Tencent Holdings(中国)
それぞれの企業の収益額と特徴を見ていきましょう。
Apple(米国)
2023年度に世界のIT企業のなかで最も高い収益を上げたのはAppleです。金額は383,285百万ドルでした。
iPhoneやMacなどの人気デバイスの製造・販売を行うほか、App StoreやApple Musicといったサービスも提供しています。近年は、VR(仮想現実)やAI技術の開発にも力を入れており、今後もさらなる成長が期待される企業です。
Alphabet(米国)
2位の企業はAlphabetです。2023年度に307,394百万ドルの収益を記録しました。
検索エンジン「Google」の運営企業として知られていますが、YouTubeやGmailなどの多様なサービスを展開しています。また、クラウド・コンピューティングやAI技術の分野でも積極的な投資を行っており、革新的な企業として継続的に注目され続けています。
Microsoft(米国)
3位の企業はMicrosoftです。2023年度に211,915百万ドルの収益を記録しました。
WindowsやOfficeなどのソフトウェアで知られていますが、近年はクラウドサービス「Azure(アジュール)」の成長が著しいです。また、LinkedInやGitHubの買収、OpenAIへの投資など、積極的なM&A戦略も特徴的です。
Samsung Electronics(韓国)
4位の企業はSamsung Electronicsです。2023年度に198,256百万ドルの収益を記録しました。
スマートフォンや家電製品の製造・販売で知られていますが、半導体事業も大きな収益源となっています。特に、半導体メモリー市場では世界上位のシェアを誇り、今後のAI時代においても重要な役割を果たすと期待されています。
Hon Hai Precision Industry(台湾)
5位の企業はHon Hai Precision Industryです。2023年度に197,876百万ドルの収益を記録しました。
「Foxconn(フォックスコン)」の名称でも知られる世界最大の電子機器受託製造サービス(EMS)企業です。AppleのiPhoneをはじめ、多くの有名ブランドの製品を製造しており、グローバルなサプライチェーンにおいて重要な役割を果たしています。
Meta Platforms(米国)
6位はMeta Platformsです。2023年度に134,902百万ドルの収益を記録しました。
FacebookやInstagramなどの世界的に人気の高いソーシャルメディアプラットフォームを運営しています。近年では、メタバース関連産業の事業育成にも注力しており、VR技術を活用した新しいコミュニケーション手段の開発に取り組んでいます。
Huawei Investment & Holding(中国)
7位はHuawei Investment & Holdingです。2023年度に99,470百万ドルの収益を記録しました。
情報通信機器(ICT)やスマートフォンの製造・販売を主要事業としています。特に、5G技術の分野では世界をリードする企業の一つとして知られていますが、一部の国での規制により事業展開に課題を抱えています。
Sony(日本)
8位はSonyです。2023年度に90,091百万ドルの収益を記録しました。
エレクトロニクス製品をはじめ、ゲーム・ネットワークサービス、音楽、映画、エンターテインメント・コンテンツ、ビデオ・サウンドなど、幅広い分野で事業を展開しています。特にPlayStationに代表されるゲーム事業が好調で、近年の業績向上に大きく貢献しています。
Dell Technologies(米国)
9位はDell Technologiesです。2023年度に88,425百万ドルの収益を記録しました。
パソコンやサーバー、ネットワーク機器などの製造・販売を主要事業としています。企業向けITソリューションの分野でも強みを持ち、クラウド・コンピューティングやデータセンター向けの製品・サービスも提供しています。
Tencent Holdings(中国)
10位はTencent Holdingsです。2023年度に86,028百万ドルの収益を達成しました。
ゲームやクラウドサービス、ソーシャルメディアプラットフォームの運営を主要事業としています。特に、中国国内でのメッセージアプリ「WeChat」は圧倒的な普及率を背景に、広告売上が増加しています。
【2024年最新版】世界のIT企業年収ランキングTOP5
ここで紹介する世界IT企業年収ランキングは、アメリカの転職サイトLevels.fyiが発表したEnd of Year Pay Report 2023のデータを参考にしています。
IT業界でも部門や職種によって年収ランキングが変わる場合がありますが、ここではソフトウェアエンジニアのうち、15年以上の経験者であるPrincipal Engineer(プリンシパルエンジニア)の年収トップ5を紹介します。
- Facebook(Meta Platforms)(米国)
- Stripe(米国)
- Pinterest(米国)
- Uber(米国)
- Apple(米国)
上位から順に見ていきましょう。
なお、平均年収を日本円に換算する場合、1ドルを150円として計算しています。
参考:End of Year Pay Report 2023|Levels.fyi
Facebook(Meta Platforms)(米国)
Facebookは、現在、Meta Platformsという社名で知られています。Principal Engineerの平均年収は102万ドル(日本円で約1億5,300万円)です。
MetaはFacebookやInstagramなどの世界的に人気の高いソーシャルメディアプラットフォームを運営しています。近年ではメタバース関連産業の事業育成にも力を入れており、継続的な成長が期待されています。
Stripe(米国)
StripeのPrincipal Engineerの平均年収は94万ドル(日本円で約1億4,100万円)で、2位にランクインしました。
Stripeは、オンライン決済処理サービスを提供する企業です。決済に関する業務を削減できる画期的なサービスとして、大手企業からスタートアップ企業まで世界中の企業で導入されています。
Pinterest(米国)
PinterestのPrincipal Engineerの平均年収は87万ドル(日本円で約1億3,050万円)で、3位となりました。
ビジュアル検索プラットフォームを運営しており、ユーザーが画像や動画を通じてアイデアを発見し、保存できるサービスを提供しています。視覚的なコンテンツの人気が高まるなか、Pinterestの独自性が高く評価されています。
Uber(米国)
UberのPrincipal Engineerの平均年収は83万ドル(日本円で約1億2,450万円)で、4位にランクインしました。
配車サービスの提供からスタートした企業ですが、フードデリバリー事業も行うようになりました。モビリティとテクノロジーの融合を先導する企業として、Uberの技術力は高く評価されています。
Apple(米国)
AppleのPrincipal Engineerは平均年収は82万5,000ドル(日本円で約1億2,375万円)で、5位となりました。
iPhoneやMacなどの人気デバイスの製造販売を行うほか、多様なソフトウェアやサービスも提供しています。ハードウェアとソフトウェアの両面で革新を続けるAppleは、常に業界をリードしています。
IT業界のホワイト企業の特徴5つ

IT業界は収益や年収の高さに注目されがちですが、業績や報酬の良さだけではホワイト企業とはいえません。理想的なホワイト企業とは、高年収や安定した業績に加えて、従業員が長く安心して働ける環境を提供する企業のことを指します。
ホワイト企業かどうかは、主に以下の5つの特徴から判断できます。
- 平均年収が高い
- 業績が安定している
- 法令遵守意識が高い
- 残業が少ない
- 離職率が低い
それぞれ詳しく見ていきましょう。
平均年収が高い
IT業界のホワイト企業では、平均年収が業界標準を大きく上回る傾向があります。これは、優秀な人材を確保し、長期的に働いてもらうための重要な経営戦略です。
高水準の年収は、従業員のモチベーションを高めるだけでなく、生活や将来設計の安定にも良い影響を与えます。その結果、従業員は仕事に集中しやすくなり、モチベーションややりがいを維持できるのです。
そのため、平均年収だけではなく昇給制度や業績連動型報酬など、総合的な報酬体系から判断することが大切です。
業績が安定している
業績の安定性は、企業の健全性と将来性を示す重要な指標です。ホワイト企業として知られる企業の多くは、長期にわたって安定した業績を維持しています。
安定した業績は、従業員への安定した待遇を可能にします。さらに、不景気や業績悪化といった経済的変化への対応力が高いため、従業員の雇用の安定性も確保されるのです。
将来の雇用や待遇に対する不安が少なくなると、従業員は長期的な視点でキャリアを積めます。従業員のキャリア形成は企業の人的資本の向上にもつながり、好循環を生み出します。
法令遵守意識が高い
コンプライアンス(法令遵守)を重視し、従業員の権利を守るための制度や仕組みが整っていることも、ホワイト企業の特徴の一つです。
例えば、労働基準法に則った適切な労働時間管理や、ハラスメント防止のための研修、内部通報制度の整備などが行われています。また、機密情報の持ち出しや個人情報の漏えいなどにも厳格に対応しています。これは、IT企業が扱う情報の重要性や、社会的責任の大きさを認識しているためです。
法令遵守の姿勢は、従業員が安心して働ける環境づくりにつながっています。
残業が少ない
ホワイト企業では、従業員のワークライフバランスを重視し、残業の抑制に積極的に取り組んでいます。具体的には、効率的な業務管理や適切な人員配置により、残業時間の削減に努めています。
残業が少ないと従業員はしっかりと休息を取ることができ、健康的に働き続けることが可能です。また、自己研鑽の時間も確保ができるため、結果的に従業員のスキルアップにもつながります。
このように、残業時間の少なさは、企業の労務管理の質を示す指標となっているのです。
離職率が低い
ホワイト企業の特徴の一つとして、離職率の低さが挙げられます。これは、従業員の満足度が高く、長期的に働き続けたいと思える環境が整っていることを示しています。
また、長く働く従業員が多いことで、知識やスキルが社内に蓄積され、より質の高い仕事ができる環境が整うことも特徴です。
低い離職率は、企業の健全性を反映しているともいえます。就職や転職を考える際は、企業の離職率から職場環境のよさを判断するのも一つの方法です。
就職・転職先としてIT企業を選ぶときのポイント
IT企業への就職や転職を考える際には、ホワイト企業かどうかという点だけでなく、以下の3つのポイントに注目すると、自分に合った企業を見つけやすくなります。
- スキルアップの機会が豊富な企業を選ぶ
- 働きやすい環境かどうか確認する
- 仕事内容がキャリアプランと一致するか見極める
詳しく解説します。
スキルアップの機会が豊富な企業を選ぶ
技術革新が速いIT業界では、常に新しい知識やスキルを身につける必要があります。そのため、以下のようなスキルアップの機会が豊富な企業を選ぶことをおすすめします。
- 充実した研修制度があるか
- 最新技術に触れる機会が多いか
- 社内で勉強会や技術共有の場があるか
スキルの継続的な向上は長期的なキャリア形成にもつながります。自身で学習を継続することも大切ですが、従業員のスキルアップに協力的な企業を選ぶという視点も必要です。
働きやすい環境かどうか確認する
長期的に働き続けるためには、働きやすい環境であることが重要です。例えば、以下のような点が働きやすさの指標として挙げられます。
- 希望する年収が得られるか
- 法令遵守意識が高いか
- 残業が少ないか
- フレックスタイム制やリモートワークが可能か
- 職場の雰囲気や社内コミュニケーションは良好か
これらの要素を総合的に判断し、自分にとって働きやすい環境かどうかを確認します。
ワークライフバランスを重視する方は、特に「働きやすさ」の優先順位を上げて企業を選ぶのも有効な方法です。
仕事内容がキャリアプランと一致するか見極める
自身のキャリアプランと仕事内容が合致していると、目標ややりがいを持って働ける可能性が高まります。
以下のような企業規模ごとの一般的な特徴を理解しておくと、キャリアプランと仕事内容が一致しているかどうか判断しやすくなります。
企業規模 | 一般的な特徴 |
大手企業 |
・安定した雇用が期待できる。 ・充実した研修制度があり、体系的にスキルを習得できる。 ・業務範囲が狭い場合が多いため、専門性を深められる。 ・福利厚生が充実しており、ワークライフバランスが取りやすい。 |
中小企業 |
・多様な業務に関わり、スキルを広げられる。 ・意思決定の過程を間近で見られ、経営感覚を養える。 ・自分のアイデアや提案が採用されやすく、やりがいを感じやすい。 ・風通しがよく、コミュニケーションが取りやすい。 |
ベンチャー企業 |
・急成長している企業が多く、キャリアアップのチャンスが豊富。 ・最新技術に触れる機会が多く、未経験でも重要な役割を任されることがある。 ・フラットな組織構造で、年齢や経験に関わらず評価されやすい。 |
長期的なキャリア形成を考え、自分の目指す方向性と企業の方向性が一致していることが理想的です。
まとめ:IT企業への転職を検討している方は、エンワールド・ジャパンへご登録ください
この記事では、世界のIT企業収益ランキングや年収ランキング、ホワイト企業の特徴、企業選びのポイントなどを紹介してきました。
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