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「コミュニケーション力」は人間関係の構築だけでなく、仕事を円滑に進めるためのビジネススキルとしても必須です。では、外資系企業ならではの「ビジネスコミュニケーション」とは、どういったものなのでしょうか。
そこでエンワールドでは、直近5年以内に外資系企業への転職を経験した20代〜50代の男女400人を対象に「外資系企業のビジネスコミュニケーション」についてアンケート調査を実施しました。
外資系企業への転職を経験した人の9割超が「コミュニケーションが重要」と回答
外資系企業への転職を経験した20代〜50代の男女400人に「外資系企業で働くうえで、コミュニケーションは重要だと思うか」と質問した結果、全体の9割超(92.8%)が「重要である」と回答しました。「重要ではない」と考えている人は1割未満(7.3%)にとどまり、コミュニケーションの重要性が伺えます。
外資系企業で重要なコミュニケーション能力TOP 3
伝達力、対応力、相手の意図を聞き取る力
「外資系企業で働くうえで、重要だと感じるコミュニケーション能力」のトップは「簡潔・明確に物事を伝える力」(47.5%)でした。外資系企業では、文化も考え方も異なるメンバーが働いていますから、あやふやな伝え方はトラブルの元です。簡潔・明確に物事を伝えることの重要性があらわれています。
次いで、「相手に合わせた臨機応変な対応力」(45.5%)、「ニーズ・課題を聞き取る力」(44.3%)となっています。相手の背景や立場を理解して、意図や課題を聞き取り、状況によってさまざまな表現ができることが求められているといえます。
また、「折衝・調整力」(32.3%)、「プレゼン力」(32.3%)が同率4位となっています。これは単なる英語力だけではなく、相手を理解し、ビジネスで欲しい結果を得るための能力が求められているといえるでしょう。
一方、「文章力」(10.3%)、「文章・メールなどを読み解く力」(8.5%)といった文章によるコミュニケーション力については、どちらも1割前後の回答にとどまっています。外資系企業で働く日本人にとっては、読み書きのスキルよりも、状況や課題を適切に判断し、意思を誤解なく明確に伝える・相手を動かすスピーキング力・コミュニケーション力、が重要であると言えそうです。
みなさんのコミュニケーションおける失敗談、その克服方法は?
▼失敗談
国外の支店にいる上司の英語が聞き取りにくく、わからないことがあった
▼克服方法
打ち合わせ後は、上司の話について同僚と答え合わせする。また積極的に質問するようにしている
(女性・49歳/京都府)
▼失敗談
英語ネイティブではない同僚とのやりとりは理解度が十分ではなく、プロジェクト関連の文書作成がタイムライン通りに行われなかったことがある
▼克服方法
「言った・言わない」の話にならないように協議内容はメールでも行うようにしている。また、電子付箋やOutlookのアラート機能を活用して自身へのリマインドを設定し、業務漏れを防止している
(男性・41歳/東京都)
▼失敗談
外資系企業における会議のあり方は仕事の方向性、次のステップを決める場であるため、“積極的な発言”が求められる。自分以外の会議参加者は外国人なので進行は英語であり、かつ、話が二転三転する。自分の意見を述べるどころではなく、話の内容を追うので精一杯だった
▼克服方法
英語で聞いた内容を正確にとらえて思考につなげ、その場で発言し、貢献できるようディスカッションスキルを上げる
(女性・45歳/愛知県)
▼失敗談
日本人の場合、こちらからのアクションに対して反応が薄かったとしても理解してくれていることが多いが、外国人はリアクションがない限りは理解していないことを痛感した
▼克服方法
相手からリアクションが得られるまで、くどいくらいにこちらから働きかけを繰り返す
(女性・44歳/千葉県)
▼失敗談
「あ・うんの呼吸」に期待しすぎると失敗しがち。相手に、こちらの思い通りかそれ以上の言動を期待する場合には、具体的かつ明瞭に、記録に残る形で指示・依頼を行なう必要がある。
▼克服方法
曖昧さをなくすため、具体的な報連相を徹底し、相手と双方向のフィードバックを行うようにする。そして信頼関係構築のためにも雑談などで相手を理解する。
(男性・52歳/東京都)
外資系企業で働くうえで、重要視されるコミュニケーション。実践的で高度な英語力が必要であることはもちろんですが、ビジネス文化や慣習の違いから誤解や行き違いが生じたり、戸惑ったりするケースもあるようです。
失敗談・克服方法にもあるとおり、外資系企業でのコミュニケーションのコツは英語力の向上というスキル面を磨くことだけでなく、以下のようなマインドを持つことが重要です。
相手の背景や文化を知り、尊重する
コミュニケーションは明確に具体的にする
認識のずれがないかの確認を含め、コミュニケーションは「多めに」「より丁寧に」を意識する
本調査を参考に、外資系企業や多国籍・異文化環境にてスムーズに働くために必要なビジネスコミュニケーションのスキル・マインドを身につけていきましょう。