ヨーロッパの労働環境とは?日本との違いを徹底解説

お役立ちコラム 海外の文化・ビジネス・マナー
2020.05.21
ヨーロッパの労働環境とは?日本との違いを徹底解説

ヨーロッパの労働環境はとても恵まれており、働きやすいといった話を耳にした人もいるでしょう。そのような環境で働いてみたいとか、グローバルな企業に勤めてみたいと考えている人もいるかもしれません。​



この記事では、そのような人に向けてヨーロッパの労働環境やそのメリット・デメリット、日本の労働環境との違いなどを解説しています。グローバル企業に転職を検討する際の参考にしてください。​

ヨーロッパの労働環境とは?

ヨーロッパの労働環境に関して、長期休暇が取れる、合理的に仕事をするため残業がない、仕事に対するストレスがなく、過労死もない、といった印象を持っている人もいるようです。実際、ヨーロッパの職場では、定時に帰社し、オフを満喫している人もいます。​

一方で、管理職ともなると確実に成果を上げることが求められ、ストレスを抱えていることも少なくないのが実情のようです。以下の表は、日本とヨーロッパ主要各国の「一人当たりの年間労働時間」と「1時間当たりの労働生産性」をまとめたものです。​

日本は労働時間が長く、そのため労働生産性が低くなっていることが分かります。労働生産性は、労働者の能力や業務の効率化により向上するといわれています。​

労働時間(時間/年) 労働生産性(USドル/時)​
日本 1,680​​ 46.8​
ドイツ ​​1,363​​ 72.9​
フランス ​1,520 72.2
イタリア 1,723 57.9
イギリス 1,538 60.6
スウェーデン 1,474​​ 72.0​

​1時間あたりの労働生産性=生産量÷(労働者数×労働時間)​

参考:Employment - Hours worked - OECD Data​

   労働生産性の国際比較│公益財団法人日本生産性本部(2019年度版より)

ヨーロッパ主要各国の労働環境

続いて、ヨーロッパ主要各国の労働環境について解説します。​

ドイツ​

ドイツでは、国民一人あたりのGDP(国内総生産)が高く、労働時間がヨーロッパ諸国の中でも少ないことで知られています。これは、1日平均8時間を超える労働が許されていないなど、厳しい法律があることが一因となっているようです。​

これはドイツに限ったことではありませんが、労働者を守るための法律によって、経営者がこれに違反した場合には禁固刑や罰金刑を受けることになります。​

フランス​

フランスの法律では、労働時間が1週間に35時間までと制限されています。また、やむをえず残業が発生した場合も、超過時間分を振替休日として取得・消化することが法律で定められています。しかしながら、パリなどで観光関連業や接客業についている場合は、他のフランスの地域に比べると労働環境も厳しめでサービス残業もあるようです。​

イタリア​

イタリアでは、家族との時間を大切にするために、お昼に1時間半から2時間ほどの休憩(シエスタ)が与えられ、自宅で昼食をとる人も少なくありません。ポンテという、祝日と休日に挟まれた日を休みにするシステムがあり、連休が多いのも特徴です。​​

割り切って仕事をするタイプの人が多いといわれており、仕事上の人間関係がシンプルなのもイタリアで働く上での特徴といえるでしょう。​

イギリス​

イギリスでは、月曜日から金曜日までの5日間、週35時間から40時間の労働が基本です。特殊な専門業以外、残業を行うことはほとんどないようです。この根底には「仕事は大切だが、最優先すべきものは家族」「ワークライフバランスが大事」というイギリス人の考え方があり、オンとオフがはっきり区別されているといわれており、​​

休むべきときにしっかり休むといった意識が強いのがイギリスの特徴といえるでしょう。​

スウェーデン​

スウェーデンでは、労働時間の短縮に向けて、フレキシブル・ワークが推奨されています。最近では1日を6時間勤務とする企業も増えており、業務を効率化させることで、短時間に集中して仕事をこなすという試みが盛んのようです。​​

フィーカという習慣があり、就業中にお菓子をつまみながら談笑する時間があります。オンとオフの切り替えができ、リフレッシュにつながるため、労働生産性が向上するといわれています。育児休暇制度も充実しており、子ども1人につき両親を合わせて最長16ヶ月の有給休暇を取得できるのもスウェーデンの特徴といえるでしょう。​

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ヨーロッパの労働環境のメリット​

ここでは、ヨーロッパで働くメリットを解説します。​​

労働時間制限により、残業が少ない​

ヨーロッパでは、法律によって労働時間が厳しく制限されている国が多く、そのため残業するケースは少ないようです。また、ワークシェアリングが進んでいることも多く、休みを自由に取れるというのもメリットのひとつといえるでしょう。​​

個人を尊重してくれる​

ヨーロッパでは、「チームで仕事をする」というより「個人の考えを尊重する」個人主義が根付いている傾向にあり、自分の仕事が終われば帰宅するのが当たり前のようです。また、そのような考え方から、人間関係のわずらわしさが少ないのも特徴のひとつでしょう。​​

女性も働きやすい環境​

ヨーロッパでは、育児休暇制度などが充実しているなど、女性も働きやすい環境が整っています。共働き家庭が多く、女性管理職の比率が高いのも、ヨーロッパの特徴といえるでしょう。​

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ヨーロッパの労働環境のデメリット​

次に、ヨーロッパの労働環境に関するデメリットについて解説します。​​

休暇中の仕事がとどこおる​​

ヨーロッパでは、長期休暇を国民全体で受け入れていますが、その間の仕事がとどこおって困ることもあるようです。ヨーロッパの多くの国では、長期休暇をとることが義務であり、権利であるととらえられています。長期休暇で仕事に支障が出てもお互いさまであり、人に迷惑がかかるといった考え方はないようです。​​

管理者の労働環境はきついこともある​

ヨーロッパでは、管理職の労働環境がきついケースもあります。成果主義が採用されているため、管理職は残業をしていることも少なくいようです。、また、ヨーロッパに限った話ではありませんが、部下から強い主張を受けるなど精神的な負担を強いられることもあるようです。

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日本の労働環境との相違点​

ここでは、日本とヨーロッパとの労働環境の相違点について解説します。​

​​

価値観による労働環境の違い​​

日本には、「長く働けば働くほど、がんばっている」と評価される文化・価値観があります。さらに、上司から承認が必要という働き方が主流であるため、上司の決裁が得られないと次の段階には進めないことが多いとされています。​​

一方、ヨーロッパでは、上司は結果を重視する傾向にあるため、ある程度までは個人の決断で業務を進められるケースが多いようです。​​

雇用形態の違い​

ヨーロッパには、正規雇用・非正規雇用といった雇用形態の違いがなく、同一賃金・同一労働が基本です。日本では、非正規雇用と正規雇用とで待遇が異なります。非正規雇用の場合は、昇給が見込めない、ボーナスがない、雇用期間が決められている、などという不安定さに悩まされているのが現状です。​​

国の取り組み方の違い​

日本とヨーロッパでは、労働環境に対する取り組みが根本的に異なります。近年、日本では、働き方改革が行われています。ヨーロッパとアメリカの両方の労働環境を見本としていますが、ヨーロッパとアメリカとでは働き方が大きく異なっています。​​

アメリカでは、働きたいという意欲に応じて働き方を選べるのが特徴ですが、ヨーロッパでは、ワークライフバランスが非常に尊重されています。両方の働き方を取り入れようとした日本では、残業時間に対する考え方が悪化したり、終身雇用が原則でなくなり非正規雇用が増えたりする、などのゆがみが生じているようです。​

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まとめ​

この記事では、ヨーロッパで働いてみたい、ヨーロッパの労働環境を知りたいという人に向けて、主要国の労働環境を解説しました。残業が少なく、個人を尊重してくれるなど、働きやすい環境にある一方、管理者は日本と同様に責任の多い労働環境にあります。​​

日本とヨーロッパは、労働に関する価値観や雇用形態が異なるため、労働環境にまだまだ大きな相違点があります。上記、ヨーロッパの労働環境のように、ライフワークバランスを尊重することが望める外資系・日系グローバル企業への転職を考えている人は、ぜひエンワールドのコンサルタントにご相談ください。あたなの転職条件にもとに、中長期でのキャリア実現を強力にサポートするほか、採用後のフォローアップまで丁寧におこないます。無料面談も実施しているので、まずはご応募ください。​

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