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転職の際に、海外の企業や外資系企業の求人に応募する場合は、英文履歴書(レジュメ)のほかに英語のカバーレターを同封することが一般的です。転職エージェントを介していたとしても、応募する企業によってはカバーレターの提出が求められる場合もありますし、採用担当者の興味を引くことで、レレジュメを読んでもらえるかどうかが決まるケースもあるでしょう。
この記事ではカバーレターの役割について解説したうえで、実際の書き方や注意点、サンプルなどを紹介します。
カバーレターとはどういうもの?
カバーレターとは、レジュメに添える送付状(添え状)のことです。日本ではあまり馴染みのない習慣ですが、海外の企業や外資系企業で就職活動をおこなう際にはカバーレター(cover letter)を同封するのが一般的です。
日本では、履歴書に添え状をつける場合は、簡単な挨拶を述べる程度のものですが、カバーレターは単なる添え状に留まりません。なぜならカバーレターは、候補者の熱意や志望動機が反映されるからです。そういった意味でもレジュメに目を通すかどうか、または面接に進めるかどうかを左右する重要な書類のひとつなのです。
カバーレターの役割とは?
カバーレターとレジュメでは、役割が異なります。カバーレターは志望動機のほかに、自分の経歴や保有するスキルを挙げて「自分が応募した役職に求められる能力を有していると主張する」ことが目的です。その裏付けとなるものがレジュメになります。内定を獲得するための一歩として、まずはカバーレターで採用担当者の興味・関心を引くことが重要となってくるでしょう。
カバーレターの作成に不安を感じているのであれば、エンワールドにご相談ください。職種専任のコンサルタントがあなたの転職成功まで、転職プロセスを含めトータルにサポートいたします。
カバーレターに記載すること
ここでは、カバーレターに記す項目を順に解説します。
宛名と宛先(企業担当者)
宛先は可能であれば応募企業に問い合わせるなどしたうえで、担当者の名前を確認して記入するとよいでしょう。もし採用担当者の名前が分からない場合は、
Dear Hiring Manager(採用担当者様)
To Whom It May Concern(ご担当者様へ)
などのように記します。
くわえて応募先企業の名称や住所を記載します。
日付
書類を提出、あるいは投函する日付を記入します。アメリカ式の表記では、月、日、年の順に書きますが、カバーレターはフォーマルな書類ですから「February 6th, 2020」などのように月の表記は数字でなく月名で表記します。
自分の氏名と連絡先
日本の書式は、自分の名前は下に書くのがビジネスマナーとされますが、カバーレターでは一番上に自分の氏名と連絡先を記載します。氏名と住所、電話番号、メールアドレスを順番に記入します。住所を書く順番は、建物名と部屋番号が最初で、番地、市区町村、都道府県、郵便番号と続けます。
件名
この書類がどのような目的の書類であるかについて記載します。ここでは「RE:」という書き出しが用いられることがよくあります。「RE:」とは「~について」という意味の英文レターでよく使われる表現であり、電子メールにおける「Reply(返信)」の意味ではありません。「RE:」に続く形で、どのような仕事に応募したいと考えているかを簡潔に伝えます。
希望職種と、応募に至った経緯
ここからが、カバーレターの本文といえる部分です。本文は3つの要素に分けて記載します。本文の最初の要素としては、どの職種への応募であるか、どのような経緯で応募に至ったかを記します。この部分を具体的に記入することで、カバーレターが他社への応募の使い回しではないことをアピールできるでしょう。
自己PR
本文の次の要素は自己PRです。レジュメや職務経歴書に書ききれないことを、ここでアピールするとよいでしょう。応募した職務で自分がどのような貢献ができるか、保有するスキルや経歴を述べるとともに、これまでの実績を具体的なエピソードやデータを示して伝えていきます。
感謝の気持ちを述べる
本文に入れる最後の要素は、カバーレターをここまで読んでいただいた感謝の言葉です。加えて、この会社で働きたいという熱意や意欲と、本気で面接を希望していることが伝わるように電話番号やメールアドレスを再度添えて、いつどのようにコンタクトができるかを記しておくことも効果的でしょう。
結びの言葉
日本語で手紙を書くときに「敬具」などを結びの言葉として用いるのと同様に、カバーレターでも結びの言葉を本文の最後に添えます。
結びの言葉にはいくつかの種類がありますが、「(Yours) sincerely」や「Yours faithfully」、または「Best regards」や「Cordially」などが用いられることが多いようです。
署名
日本語の書類は押印することが多いですが、多くの国ではサインによって自分の作成した書類であることを証明します。自分のフルネームを印字した少し上に自筆でサインをします。
同封書類の説明
カバーレターはあくまで添え状であるため、必ずレジュメや職務経歴書を同封します。最後に「Enclosure(複数ある場合はEnclosures)」と記して「Resume(履歴書)」など封入している書類を明記します。
カバーレターの作成に不安を感じているのであれば、エンワールドにご相談ください。職種専任のコンサルタントがあなたの転職成功まで、転職プロセスを含めトータルにサポートいたします。
カバーレターの書き方のポイントは?
カバーレターを書く際には、簡潔な文章で自分の魅力をしっかりアピールすることを心がけましょう。通常、カバーレターはA4用紙1枚で作成します。採用担当者の中には、ひとりひとりの書類をじっくりと時間をかけて読むことは難しいケースもあるためが多く、彼らに伝えたいことをしっかり伝えるには、話の要点を絞り、明快な趣旨で文章をつづる必要があるでしょう。
カバーレターには余計な情報を入れない方がよいですが、一方でカバーレターで興味をもってもらえなければ、レジュメを見てもらえない可能性があります。
担当者にレジュメに目を通す気になってもらうためには、自分の能力や意欲を示し、なぜその職種に応募したのかを印象づけることが重要となるでしょう。保有するスキルや資格、これまでの実績などによって具体的かつ理論的に自分の強みをアピールしていきましょう。
カバーレターを作成にあたって注意することは?
ここでは、カバーレターを作成するにあたって注意したいポイントを解説します。
自己主張しすぎていないか確認する
英語における一人称の「I」は「わたし」を意味します。「I」を多用することは、日本語に置き換えると「わたしは」を連呼するのと同じです。多くの文章を、「I」ではじめてしまうと、自分の主観的な視点からすべての物事を語っているような印象になり、自己中心的な性格というイメージをもたれてしまう可能性があります。
履歴書(レジュメ)と違う内容であるかどうか確認する
カバーレターは、自分の強みやアピールポイントを端的に述べることを目的とします。とくに重要な部分をカバーレターで述べ、詳細はレジュメで語るスタイルをとるようにしましょう。そのため、カバーレターを作成する際にはレジュメの文章をそのままコピーするのではなく、レジュメの文意を保ったまま要点を抜き出してまとめるようにしましょう。
求人内容と自己PRが一致しているかどうか確認する
カバーレターを書く際には、自分が応募する求人に適した人材であることが伝わるように書く必要があります。よって、求められるスキルや経歴を有していることをしっかり具体的に記せているかどうかを確認しましょう。
スキルを述べる際には、単にスキルを羅列するだけなく、どの程度のレベルでスキルを保有しているか、どのような実績があるかを具体的かつ客観的に書くようにするとよいでしょう。
文法やスペルに間違いがないかどうか確認する
カバーレターはフォーマルな書類なので誤字脱字は厳禁です。書き終えたと思っても再度確認しましょう。また、文法の間違いがあるとビジネスに必要な語学力が備わっていないのではないかという懸念をもたれる恐れがあります。可能であればネイティブの友人知人に見てもらうなどして万全を期しましょう。
必ず採用担当者の名前を書く
カバーレターの宛先には、極力担当者の名前を記すようにしましょう。「Dear Human Resources Manager」などとしても間違いではありませんが、担当者の名前を調べる労力を惜しんだと判断されると、せっかくのカバーレターを読んでもらえない可能性もあります。
担当者の名前は募集広告や企業サイトに記されている場合が多いですが、もしもわからなければ電話で問い合わせてみましょう。
同じカバーレターを複数の企業に送らない
一度書いたカバーレターを複数の企業に対して使用すると、求人内容と自分が書いたアピールポイントにズレが生じるケースもあり、そのような場合、「使い回しではないか」と疑念をもたれて面接にいたらない可能性もあります。
カバーレターは選考の第1段階であると考えて、ひとつひとつのカバーレターに企業研究の結果を反映させ、採用担当者に「その会社で働きたい」という意欲を感じてもらえるようなものに仕上げましょう。
カバーレターの作成に不安を感じているのであれば、エンワールドにご相談ください。職種専任のコンサルタントがあなたの転職成功まで、転職プロセスを含めトータルにサポートいたします。
カバーレターのサンプル
カバーレターの作成に不安を感じているのであれば、エンワールドにご相談ください。職種専任のコンサルタントがあなたの転職成功まで、転職プロセスを含めトータルにサポートいたします。
カバーレターをメールで送る場合に気をつけること
カバーレターやレジュメなどを応募先の企業に送る場合、電子メールを使うこともよくあります。その際、メールの件名には自分の氏名と応募する求人を記して、先方が見分けやすいようにしましょう。
メールソフトによってはテキストの色を変えたり、太字などの装飾ができたりすることもあります。しかし、担当者が使用しているメールソフトの種類によっては、意図した結果が現れなかったり、表示が崩れたりしてしまう恐れもあるためテキストの装飾はしない方がよいでしょう。
メールを担当者に送る前に、まず自分に向けて送信してみましょう。文面を再度確認し、添付ファイルがあれば正常にダウンロードできるかどうかを確認して、問題がなければ担当者に送信するとよいでしょう。
カバーレターの作成に不安を感じているのであれば、エンワールドにご相談ください。職種専任のコンサルタントがあなたの転職成功まで、転職プロセスを含めトータルにサポートいたします。
まとめ
海外企業や外資系企業の求人に応募する際には、カバーレターを添付するのが一般的です。カバーレターは添え状を意味しますが、実際の役割は単なる添え状ではなく、採用担当者が求職者のレジュメを読むかどうかを判断する非常に重要な書類のひとつです。
そのため、カバーレターを作成する際にはテンプレートを踏まえつつ、自分の人材としての価値を効果的にアピールしていくとよいでしょう。
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