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外資系企業への転職を検討しているものの、自分は外資系企業に向いているのだろうかと、考えることもあるのではないでしょうか。転職を失敗させないためにも、外資系企業の特徴や社風を理解したうえで、自分に合った転職先を見つけていくことが大切です。
この記事では、どのようなマインドセットの方が外資系企業に向いているか、もしくは向いていないのかについて、初めて外資系企業へ転職を目指している方にもわかりやすく解説しています。外資系企業へ転職する際に必要なスキルも紹介しますので、ぜひ転職活動の参考にしてみてください。
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そもそも外資系企業とは?

外資系企業とは、外国投資家あるいは外国法人が出資している日本企業のことです。一般的には、次の4つを指して外資系企業と呼ぶ傾向にあります。
- 海外企業が日本で設立した完全子会社
- 日本企業と海外企業が共同出資して設立した会社
- 海外企業が日本企業の株式を取得している会社
- 海外企業の日本支社
しかし、「外資系企業」という言葉に明確な定義はありません。経済産業省が実施している「外資系企業動向調査」の対象となっている企業を参考にすると、次のような企業が外資系企業と考えられます。
- 外国投資家が株式、または持分の3分の1以上を保有している企業
- 外国投資家が株式、または持分の3分の1以上を保有していて、かつ国内法人が出資する企業
同じ外資系企業と呼ばれる企業でも、抱いているイメージとのギャップが生じる可能性があります。外資系企業への転職を検討する場合は、イメージと実態に相違がないか確認するなど、十分に企業研究をしておきましょう。
外資系企業の社風
一般的に、外資系企業には以下の特徴がみられます。
- 個人主義の傾向が強い
- 成果重視の実力主義者を採用する傾向にある
- 柔軟な働き方ができる
- 多様性のある職場環境で働ける
ここでは、上に挙げた外資系企業の社風を背景に触れながら詳しく解説します。
個人主義の傾向が強い
外資系企業は一般的に個人の裁量が重視され、日本企業よりも個人主義の傾向が強いと言われています。日本企業は組織主義の傾向があり、個人よりもチームを重視するため、チームワークを大切にしている企業が多いです。
一方、外資系企業は個人に重きを置き、仕事量や業務内容も個人で線引きされる傾向にあります。与えられた仕事をこなせば、残業を減らせる可能性もあります。
ただし、個人主義が重視されるからといって、コミュニケーションを取らなくてもよいわけではありません。一人ひとりがスキルを活かして仕事をしているからこそ、力を合わせる必要がある場面も出てきます。
成果重視の実力主義者を採用する傾向にある
部門や役職によって異なるかもしれませんが、外資系企業は人事評価基準として、成果を重視する実力主義を採用している企業が多いと言われています。そのため、「実力を発揮したい」「スキルを活かして成果を上げたい」と強く思っている方を採用する傾向にあります。
年齢や在籍年数は評価に影響せず、成果を出し続ければ昇給・昇格が望めることから、実力に見合った評価が欲しい方にとっては理想的な環境といえるでしょう。
一方で、年功序列制を導入している日本企業はまだ多く、実力があっても必ずしも成果に見合った評価がされないこともあります。年功序列制に代わり、実力主義を採用している日本企業も存在しますが、まだ一般的とは言えません。
柔軟な働き方ができる
企業や職種によっても異なりますが、外資系企業は日本企業のように、就業時間が固定されていることは少なく、自身の事情に合わせて柔軟な働き方ができる場合が多いと言われています。一定の労働時間内であれば、始業と終業の時刻は自由に調整できることもあります。
また、日本企業の中には、有給休暇を取りにくい雰囲気のある企業もあるようです。しかし、外資系企業では、有給休暇の取得は当然の権利と考えられており、有休が取りやすい傾向にあります。自身の都合やスタイルに合わせて柔軟に働ける点は、外資系企業で働くメリットのひとつといえるでしょう。
多様性のある職場環境で働ける
一般的に、外資系企業は国籍の異なる従業員で構成されているため、日本企業では触れることのない他国の文化を知る機会にもなります。多様な文化に対応するため、働き方や福利厚生なども日本企業とは異なる点も多いことが特徴です。
日本企業はほとんどが日本人で構成されており、外国語を習得していても活用の機会が限られてしまいます。「外国語を活用したい」「他国の文化に触れながら、多角的な視野を身につけたい」といった意欲のある方は、外資系企業への転職に挑戦してみるとよいかもしれません。
外資系企業と日本企業の違い

これまでは、外資系企業の定義や社風を紹介してきましたが、日本企業との違いは具体的にどこにあるのでしょうか。職種や昇給基準、給与、福利厚生、退職について、外資系企業と日本企業の違いを解説します。
職種
外資系企業では特定の職種に特化した採用をするなど、専門性の高い人材を求める傾向にあります。職種に特化した採用をジョブ型採用と呼びます。ジョブ型採用の場合、入社後に他職種への変更を命じられることはほとんどありません。
日本企業は職種が限定されていない総合職や一般職で採用し、ジョブローテーションで人材育成を行う傾向があります。そのため、社員の適正や社内事情によっては職種の変更や異動が生じるため、入社後にミスマッチに気付いて転職を後悔する原因になることがあります。
ジョブ型採用により、特定の分野に特化した人材を採用・育成できることが企業にとってのメリットです。応募者にとっても、自身の経験やスキルを最大限活かせる点や企業とのミスマッチを最小限に抑える点が魅力でしょう。
昇給・昇格の基準
外資系企業ではルーティンワークを行うだけでは評価されず、昇給や昇格にはつながりません。日本企業のように、決められた勤務時間に仕事をしていれば、年齢や在籍年数に応じて自動的に昇給するシステムではないことに注意しましょう。
昇給や昇格に必要なのは成果であり、成果を出せない場合は昇給・昇格できない可能性もあります。また成果を出しても、上司に気付いてもらえなければ評価の対象になりません。外資系企業で昇給・昇格を望むなら、成果を上司にうまくアピールすることも重要です。
給与
日本企業の給与は月給制で安定しており、基本給に加えて役職手当などの手当が支給されるのが一般的です。
一方、外資系企業は一般的に年俸制を採用しており、手当の概念がありません。日本企業の基本給にあたるベース給に、成果報酬としてインセンティブ給が支給されます。基本的には給与が右肩上がりになる日本企業に対し、外資系企業は評価が下がると給与も下がる可能性があります。当然、成果を出せば給与は上がるため、年齢や在籍年数に左右されることなく努力次第で上を目指せることが特徴です。
福利厚生
外資系企業で福利厚生があるのは珍しく、一般的には給与に福利厚生分が含まれています。手当や補助を給与として支給し、そこから自由に使ってもらうという考え方です。
日本では福利厚生が充実した企業に人気が集まったり、社員の満足度が高まったりする傾向があるため、福利厚生に力を入れる企業も多くあります。外資系企業のシステムか日本企業の福利厚生か、どちらがよいかは人によるため、それぞれのメリットとデメリットを把握しておくとよいでしょう。
退職
日本企業は「労働契約法第16条」 により、企業側の都合による一方的な解雇はできません。もちろん日本国内の外資系企業も例外ではなく、一方的な解雇は制限されています。
ただし日本企業・外資系企業に限らず、労働契約法によれば客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当と認められる場合は制限を受けません。例えば、ミスを繰り返す社員に対して指導を再三行ったにもかかわらず改善されない場合などは制限を受けない可能性があります。外資系企業は成果主義の傾向が強いため、結果を出せない社員に対し、任意での退職を求める場合があることも理解しておきましょう。
外資系企業への転職はどのような人が向いている?
それでは、どのような方が外資系企業に向いているのでしょうか。ここでは、外資系企業で活躍できるであろう人の特徴について解説します。
自分で目標を定めて、努力できる人
前述のとおり、外資系企業では柔軟な働き方ができますが、その一方で、日本企業以上に自己管理能力が求められるでしょう。
成果を重視する実力主義を採用しているので、時間の使い方に関しては個人の裁量に委ねられていますが、結果を出せなければ評価が下がってしまう可能性もあります。
また、年功序列を採用している企業とは異なり、在籍年数を重ねたとしても昇格が望めるとも限りません。
そのため、外資系企業には、自分でキャリアプランを設計し、ステップ毎に目標を定めて努力できる人が向いているといえます。
達成プロセスを自ら描いて実行できる人
外資系企業は実力主義であるがゆえに、結果を出せなければ契約解除となる可能性もあります。そのため、企業と交わした目標を達成するために、自主的に考えて行動する姿勢が大切になります。
現状を正確に把握して達成プロセスを自ら描いて実行できる人、状況の変化に応じて柔軟にプロセスを描き直せる人は、外資系企業に向いているといえるでしょう。
自分の意見をはっきり言葉にできる人
自分の意見をはっきりと言葉にできる人は、外資系企業に向いています。また、指示されたことを遂行するだけではなく、自分が何を考えているのか、何が必要なのかを発信する力も必要です。
それぞれ違う文化で育った人が同じ場所で働いているため、自分には何ができるのかはきちんと言葉にしないと伝わりません。ミーティングなどの場では、新入社員であっても意見を求められるので、自分の考えを積極的に述べることが重要になります。
多様な観点を持ち、相手を理解できる人
外資系企業で働く場合、多様な観点からものごとを捉える能力が求められます。異なるバックグラウンドを持つ同僚やクライアントとともに仕事を成功させるためには、相手を理解することが不可欠となります。
例えば、日本人同士のビジネスメールでは、返事に対してお礼のメールを送ることが多いですが、そういった習慣がない国も多くあります。外資系企業で働く際には、自国の文化を基準に考えるのではなく、多様な観点を持って異文化を理解する姿勢が大切となってきます。
システム思考を持っている人
システム思考は、外資系企業で働くうえで必要となる考え方のひとつです。システム思考とは、問題を構造化して根本的な解決方法を探る論理的思考を意味します。
外資系企業には、さまざまな価値観や考え方を持つ人たちが集まっているため、組織が複雑になりがちです。そうした複雑化した組織の中で問題を解決するには、システム思考が役に立ちます。
コミュニケーション能力が長けている人
繰り返しになりますが、外資系企業は多様性に富み、複雑化した職場環境であるケースが多いです。本国をはじめとした海外とのやりとりが多い場合には、メールや電話・Web会議を使ったコミュニケーションも多くなるでしょう。
公用語となる言語の習得はもちろんのこと、対面で効果的にプレゼンテーションをする伝達能力だけでなく、文面や音声だけで自分の意見を伝えたり、要望を通したりしなければならない可能性もあります。
そのため、どんな状況下であっても相手と意思疎通が図れるようなコミュニケーション能力の高い人は、外資系企業に向いているといえます。
外資系企業への転職はどのような人が向いていない?
これまでは外資系企業に向いている人について解説しましたが、ここからは外資系企業に向いていない人の特徴について解説します。
語学が極端に苦手な人
英語が極端に苦手という人が、外資系企業で活躍するのは難しいでしょう。企業にもよりますが、社員同士の連絡やクライアントとのやり取りは英語で行われることも多く、意思の疎通がうまくいかなければ、仕事で結果を出すのも難しくなります。
外資系企業に入社した後の2ヶ月間ほどは、本格的な業務が担当できないケースもあるようです。英語に自信がないという人は、この期間に基本的な英語力を身につける必要があるでしょう。
臨機応変な対応が得意ではない人
状況に合わせて臨機応変に対応することが苦手な人は、外資系企業で働き続けるのは難しいでしょう。特にスタートアップ企業を例に挙げると、企業の方向性の変更や計画の見直しが頻繁に行われることがあります。
そのため、状況に合わせて対処することが求められます。外資系企業でキャリアを積むためには、日々起こる変化を楽しめるだけの余裕も必要になってきます。
安定志向な人
外資系企業は日本企業と比較すると、組織体制や立場が変化しやすく、昇進や降格の人事も頻繁にあります。昇進しても結果を出せなければ、降格する可能性もあるため、現状に甘んじることなく常にスキルアップを目指すことが大切になります。
役職についたからといって、それは今後も約束されたものではないため、安定志向の人にとって外資系企業は働きにくいと感じてしまうかもしれません。
外資系企業へ転職するために必要なスキル
外資系企業への転職に向いている人の特徴に当てはまっている場合、次は必要なスキルを把握しておきましょう。ここでは、外資系企業へ転職する際に、持っておきたいスキルを紹介します。
コミュニケーション能力
個人主義の傾向が強い外資系企業ですが、企業というチームで働くにはコミュニケーション能力は重要になります。チームメンバーと協力してプロジェクトを成功させるためには、自ら意見を言ったり、改善点を提案したりする必要があります。円滑な意思疎通は、取引先と良好な関係を築くためにも必須の能力です。
また外資系企業は成果主義のため、自分の成果をアピールすることも大切です。何事にも受動的だったり、積極性に欠けたりすると評価が下がってしまう可能性もあります。
さらに、多様な文化を持つ人々と仕事をする際は、自ら発言して意見を述べる必要があり、ここでもコミュニケーション能力が問われます。
自己管理能力
前述のとおり外資系企業は業務の割り振りが明確で、個人の裁量で仕事を進められます。これはメリットにもなりますが、自己管理能力に乏しい方の場合は仕事の遅延に繋がる可能性もあります。
外資系企業で評価の対象となる成果を出すには、優先順位を付けて効率よく仕事をこなすことが重要です。目標達成に向けて積極的に行動する必要があるため、外資系企業への転職を希望するなら自己管理能力も求められることを覚えておきましょう。
英語力
企業や職種によって異なりますが、外資系企業では英語力が求められる場面が多くあります。
外資系企業でも、顧客や一緒に働く社員は日本人ばかりという場合もありますが、顧客や企業の上層部が日本人とは限らず、海外拠点への異動も考えられます。
英語が必須でない職種でも、グローバルに展開する外資系企業で英語は話せないより話せた方が有利なことに間違いはありません。まったく同じ経歴とスキルを持っている応募者が来た場合、英語力の高い方が採用される可能性が高まるため、外資系企業への転職では英語力が重要です。
外資系企業に転職する際のポイント
外資系企業への転職を検討する場合、どのような注意点があるのでしょうか。最後に、転職する際のポイントを3つ紹介します。
企業研究は確実に
最初に解説したとおり、外資系企業といっても設立の経緯によっていくつかのパターンがあります。国籍の異なる社員が多く働いていたり、フレックスタイムで時間や場所を選ばず働けたりする外資系企業もあれば、日本企業の社風に近い外資系企業もあるでしょう。当然ながら企業ごとに社風や職場の雰囲気は異なるため、日本企業への転職と同様に企業研究は欠かせません。
入社後に「イメージと違った」と後悔することのないよう、自分がイメージする外資系企業での働き方と擦り合わせしておくことが大切です。
日本企業への転職との違いを理解する
外資系企業は日本企業と異なる文化を持っており、採用基準も外資系と日本企業では異なります。日本企業に慣れていると、外資系企業の採用選考で歯が立たない場合もあります。
そのため、外資系企業への転職活動では、企業に合わせた選考対策が重要です。特に、応募書類は日本企業への転職活動とは大きく異なるため、注意が必要です。例えば、外資系企業では、レジュメや英文履歴書と呼ばれる応募書類を準備します。これらの書類は日本の履歴書とは異なり、形式や内容に決まりがありません。そのため、自身の強みや経験を効果的にアピールできるように、内容を工夫する必要があります。
このように、応募書類一つとっても、日本企業と外資系企業では異なる点が多いため、事前にしっかりと違いを理解したうえで転職活動を進めることが重要です。
転職エージェントの活用がおすすめ
前述のとおり、外資系企業の転職は日本企業の場合とは異なる点が多く、一つひとつ自分で対処していると非常に手間がかかります。そこでおすすめしたいのが、外資系企業や日系グローバル企業に強い転職エージェントの活用です。
英文履歴書・レジュメの添削や面接対策など、外資系企業の転職に合わせたサポートを受けられます。また、外資系企業の求人は非公開となっている場合も多いため、転職エージェントを活用することで、希望条件に近い転職先を見つけられる可能性が高まります。
まとめ
外資系企業への転職に向いているのは、自ら目標を定め、達成プロセスを描いて努力したり、意見をはっきり述べたりできる人です。転職を検討する際、自身が外資系企業に向いているか分析しておくと入社後にギャップが生じにくくなります。
また、外資系企業の社風や給与形態は日本企業とは異なる点も多いため、自身の価値観やキャリア目標にマッチするかを慎重に検討することも必要です。
外資系企業の社風が自分に合っていそうだと感じたら、本格的に転職活動を検討してみてください。
ただし、外資系企業の採用選考は日本企業とは異なり、さまざまな違いがあるため転職エージェントの活用がおすすめです。エンワールド・ジャパンでは、キャリア目標に沿った求人をご紹介し、採用選考の準備をサポートいたします。外資系企業や日系グローバル企業への転職を検討している方は、お気軽にエンワールド・ジャパンの新規会員登録からご登録ください。