外資系企業へ転職するのであれば、志望する企業や職種、役職によって英語力必須とされる求人もあります。英語力を客観的に証明するものとして、日本ではTOEICが一般的ですが、果たしてどの程度のスコアがあれば外資系企業への転職で通用するのでしょうか。
ここでは、外資系企業への転職で求められるTOEICのスコアや英語力について、詳しく紹介します。
企業が求めるTOEICのスコアは何点以上?
前述の通り、外資系転職に際し必須事項として目にすることがある英語力は、昨今では日本企業でも、その企業内容やポジションの役割によって、求められるスキルの一つでもあります。
日本でTOEICを実施・運営しているIIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)から発表された「英語活用実態調査2019」によると、回答企業・団体の82.6%が今後のビジネパーソンにとって重要な知識やスキルとして英語を挙げており、回答企業・団体が目標とする英語スキルの水準としては「英語で行われる会議で議論できる」ことが最も多いことがわかっています。
一方で、社員や職員に不足している・今後強化する必要があるスキルとしても、回答企業・団体の67.0%が英語を挙げているという現状も見受けられます。こういった結果から、これからのビジネスパーソンには英語力が重要となることがうかがえるでしょう。
日本においては語学力を客観的に評価する指標として、多くの企業がTOEICを採用しています。TOEICは英語によるコミュニケーション能力、ビジネス能力を評価するための世界共通の試験であり、現在では世界約160カ国において実施されています。
また、採用に加えて昇進や海外赴任など、キャリアアップにおいてもTOEICのスコアによる基準が設けられている企業もあるようです。
ここでは、採用や昇進の際に求められるTOEICのスコアを開示している企業を紹介します。
☑TOEICスコア:600点以上
・採用
出光興産、王子製紙、大正製薬、ニトリホールディングス、大和ハウス工業など
・昇進
楽天(一般職)、日本ビクター(全社員)、富士通(エンジニア、事業企画)、日本IBM(課長)、トヨタ自動車(係長)、マツダ(係長)、住友林業(係長)など
☑TOEICスコア:650点以上
・採用
アサヒビール、佐川グローバルロジスティクス、シチズンホールディングスなど
・昇進
楽天(係長級)、日立製作所(課長)、ソニー(係長・課長級)、ブリヂストン(開発企画職上級)など
☑TOEICスコア:700~730点以上
・採用
ファーストリテイリング、ソフトバンク、武田薬品、ヤマト運輸、東京電力、NTT東日本、三菱自動車(事務職)など
・昇進
楽天(課長級)、シャープ(課長職)、伊藤忠商事(入社4年目社員)、キリンビール(事務・技術職)、住友商事(管理職)、日本IBM(次長)など
☑TOEICスコア:800点以上
・採用
韓国LG、韓国ヒュンダイ、野村不動産など
・昇進
日立製作所(経営幹部)、サイバーエージェント(海外部門)、KDDI(事務・技術職配属)など
☑TOEICスコア:860点以上
・採用
野村ホールディングス(グローバル社員)、NTTコミュニケーションズ、韓国サムスン、パナソニック(国際広報担当)など
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外資系企業に勤めるならTOEIC700点以上が目安
外資系企業であれば、日本企業以上の語学力を求められることが想像できるのではないでしょうか。なぜなら、外資系企業では本国とのやり取りがあったり、社内公用語が英語であったり、会議や書類などが英語である場合が多いからです。
外資系企業で支障なく業務ができる語学力としては、TOEICスコア・700点以上が目安になるでしょう。書類選考においても、TOEICスコア・700点が目安になるケースが多いようです。
ここでは、TOEICのスコアごとのレベルイメージを紹介します。どの程度のスコアが外資系企業で強みといえるのか見ていきましょう。
☑TOEICスコア:400点未満
英語を始めたばかりのレベルに匹敵し、中学生がクリアできるレベルといえます。実際の英会話において相手の言っていることを聞き取るのは難しく、不明な単語も多い状態です。そのため、会話は成り立たず、何とか単語でやり取りして意思疎通を図るレベルと考えるとよいでしょう。
よって、英語が必要な業務の遂行は基本的に難しく、外資系企業はもちろん日本企業であっても履歴書には書かないほうがいいとされるスコアです。
☑TOEICスコア:400点以上
中学校中級程度とされ、文法や単語には不安が残るレベルだといえます。基本的に会話は成り立たないものの、なんとなくニュアンスで聞き取れることもある、という程度です。
このレベルでも外資系企業・日本企業問わず履歴書への記載は控えた方がよいでしょう。英語を使用する業務では、通用しない英語力だと考えるとよいでしょう。
☑TOEICスコア:500点以上
英語が得意であるといえるレベルには遠いものの、ある程度の長さの文章や多くの単語が理解できるレベルといえます。そのため、簡単な会話であれば理解できるでしょう。履歴書に記載しても語学力があるとして有利に働くことはないでしょうが、日本企業においてはマイナス評価にもならない、といったところでしょう。
外資系企業であれば記載しないほうが無難といえます。外資系企業で通用する英語力としてはまだまだ不足しているレベルだと考えるとよいでしょう。
☑TOEICスコア:600点以上
ある程度英語が理解できるレベルであり、長文であっても聞き取ることができるため、複雑な内容でなければ会話を成立させることができる段階です。このレベルになると履歴書に記載できるスコアだといえるでしょう。特に日本企業においてはアピールにもなり得ます。
外資系企業においては十分といえるスコアではないものの、比較的高度な英語を必要としない部署や職種であれば、この程度のスコアを採用条件にしている企業もあります。
☑TOEICスコア:700点以上
外資系企業への転職において、ひとつの目安とされているスコアです。ビジネスで通用する英語力となると、700点以上は必要だと考えてよいでしょう。このレベルでは、専門性の高くない内容であれば複雑な会話なども可能であり、読み書きに不自由することは少ないとされています。
☑TOEICスコア:800点以上
文章の細部まで理解でき、ビジネスシーンでの意見交換などもおおむね困ることはないレベルだとされています。外資系企業への転職においても、800点以上あれば採用基準をクリアできる場合がほとんどで、一般的に英語が得意であるとアピールできるレベルであるといえるでしょう。
☑TOEICスコア:900点以上
英語において困ることはほとんどなく、複雑な会話もスムーズに行えるレベルです。900点以上あれば、外資系企業の多岐に渡るシーンで問題なく意思疎通を図れるでしょう。語学力に不安を感じることもなく、戦力として活躍できるレベルだといえます。
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業界別に見るTOEICスコアの目安
外資系企業では、語学力が重要となるのは先にも述べたとおりです。とはいえ、外資系企業と一言でいってもさまざまな企業があり、業界や職種によって求められる語学力には差があるのが現状です。
ネイティブレベルの高い語学力がマストである部署もあれば、ほとんど英語を使用しない部署も存在します。そのため入社時にはそれほどの英語力を求められなかった、というケースもあるかもしれません。
そういった場合であっても、外資系企業であれば入社してから語学力をつけるのは必須といえます。いつ部署異動があるかわかりませんし、いつ上司が変わるかわかりません。語学力を高めておかないと、突然の人事異動で、本国からの上司とやり取りしなくてはならなくなった場合、たちまち困ってしまうことになるでしょう。
加えて、外資系企業でキャリアアップを目指すのであれば、高い語学力はいずれ必要になります。なぜなら、ポジションが上がると本国とのやり取りが増え、複雑な会話を英語で行うことも多くなるからです。
外資系企業に転職するのであれば、そのような意識が前提にはなりますが、自分が目指す業界がどの程度の英語力を必要とするのかは誰もが気になるポイントなのではないでしょうか。
ここでは、業種・業界別に求められるTOEICスコアの目安を紹介しましょう。
金融
外資系金融業界は、非常に高い語学力を求められる業種のひとつといえます。金融関連では細かいやり取りが多く、少しの聞き間違いや聞き逃しが致命的なミスとなるケースも少なくありません。
そのため対面でのやり取りはもちろん、比較的難しいといわれる電話でのやり取りにおいても、スムーズに行える語学力が必要だとされています。よって、ネイティブレベル、TOEICのスコアであれば900点以上が目安となる業界といえるでしょう。
コンサルティングファーム
外資系コンサルティングファームは、新卒においても中途採用においても高い人気を誇ります。有名なコンサルティングファームなどは、学歴・語学力ともに高いレベルを求めており、金融業界と同様のネイティブレベルの語学力が必要だといえるでしょう。
クライアントと細かなやり取りをしたり、プレゼンテーションを行ったりするため、TOEICのスコアは850~900点以上が目安だと考えて良いでしょう。
商社
グローバルに事業を展開している商社などでは、海外勤務も多くあります。また、日本で勤務していても、頻繁に本国とのやり取りや海外との取引などがあるため、専門的なこともしっかりと説明できる程度の英語力が必要となるでしょう。
TOEICのスコアとしては、やはり850点以上が目安になると考えてよいでしょう。
メーカー(電気・電子関連)
部署によっても必要な英語力は変わってきますが、どの部署であっても英語によるメールのやり取りや、英語で行う会議などに参加できる程度の英語力は必要といえるでしょう。
入社時にTOEICのスコアが700点以上あれば、それほど困ることはないかもしれませんが、本国との連携を密に取る必要がある管理職以上では、目安となるスコアは850点以上だとされています。
電気・電子関係のエンジニアなどは、最新技術などのトレンドが海外発であることも多いため、論文などを読み解くことができるレベル、スコアでいうと900点以上があると望ましいでしょう。
ただし企業によっては、実力のあるエンジニアであればTOEIのスコアなどに関わらず採用し、通訳をつけるケースも存在するようです。
ヘルスケア
ヘルスケア業界は拡大傾向にあり、M&Aなども多く業界の変化の速度が激しいという特徴があります。そのため、最新の論文などを理解しておく必要もありますし、製薬や医療機器に関しては人の命に関わるものを扱う仕事のため、事業を展開する国の規制や法律などを深く理解しておく必要があります。
加えて、医薬品や医療機器のマニュアル、関係当局への申請などはすべて英語で行われるので、専門的なことも問題なく理解できる高い語学力が必要だといえるでしょう。目安としては、TOEICのスコア・850点以上のレベルだと考えてよいでしょう。
ホスピタリティ
ホスピタリティ業界において、ゲストサービスに直接かかわるスタッフは語学力が必要ですが、それほど高いレベルでなくてもよいとする企業も多いようです。とはいえ、多国籍なゲストが訪れるため、日常会話がスムーズにできる程度、TOEICのスコアでいうと600点以上は必要だと考えてよいでしょう。
一方、マネージャー以上の管理職ともなると、上層部の多くは本国から派遣されているため、、海外籍の上司とのやり取りを頻繁に行う必要があります。そのため、TOEICのスコア・700点以上のビジネスレベルの語学力が目安だといえます。
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TOEICのスコアだけで過信しない!TOEIC以外に必要なスキル
ここまで、外資系企業に必要な英語力の目安としてTOEICのスコアを紹介してきました。ビジネス英語の指標として広く採用されており知名度も高いTOEICですが、実は外資系企業において必要なのはTOEICのスコアのみではないのです。
「TOEICのスコアが高い=語学力が高い」というのは間違いではありませんが、中にはTOEICのスコアを上げるためだけに英語を学び、高いスコアを持っていても実際の会話レベルはそれほど高くない、会話が聞き取れないといったケースも存在します。
外資系企業で求められるのは実践的な英語力であり、高いTOEICスコアそのものではありません。TOEICスコアはあくまでも語学力を図る目安になるものであると考え、実際の業務を円滑に進められる生きた英語力を身につけておくようにしましょう。
加えて、英語はコミュニケーションツールに過ぎない、ということを認識しておくことも大切です。高い語学力を持っているから外資系企業においてコミュニケーションは十分に取れる、というわけではないでしょう。
外資系企業では、それぞれ異なる文化やバックグラウンドをもつ多国籍な人材が働いています。取引先企業なども欧米から東南アジア、アフリカ諸国、中東などさまざまです。
そのため、異なる文化や習慣に理解を示し、良好な関係を築くことができるコミュニケーション能力が求められます。いくら英語が堪能であっても、コミュニケーション能力がなければ意思疎通は図れないでしょうし、実務で実績を上げることもむずかしくなるでしょう。
外資系企業で活躍するためには、TOEICのスコアを過信せず、より実践的な英語力やコミュニケーション能力も磨いておくようにしましょう。
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TOEIC以外に、外資系企業への転職で役立つ語学の資格
TOEICは、日本においては認知度の高い英語資格ですが、実は海外においてはそれほどでもないのが現状です。TOEIC以外にも外資系企業への転職へ役立つ資格としては、以下のようなものがあります。
TOFEL(Test of English as a Foreign Language)
TOEFLは、英語を母国語としない学生が英語圏の大学や大学院に留学するために必要な英語力があるかどうかを測定するテストです。
英語圏での実生活で必要になる「読む」「聞く」「話す」「書く」の4つの技能を総合的に判断するので、より実践的な英語力が測定できるといわれています。海外での知名度が非常に高い試験のひとつです。
国際連合公用語英語検定試験(国連英検)
国際連合公用語英語検定試験(国連英検)は、国際連合が普及活動の一環として行っている英語の検定試験であり、日本では外務省が後援している非常に信頼度の高い試験といえます。
英語力はもちろんのこと、国際政治や経済、国際問題などの理解力も問われるため難易度は比較的高く、最高レベルの特A級は日本で受験可能な英語試験の中で最も難易度が高いとされています。国連職員やユネスコ職員などの国際機関で働きたい方には必須の試験です。
Linguaskill Business
欧州やカナダ、ニュージーランドや香港などで認知度の高い試験で、ビジネスシーンで求められる英語のコミュニケーションスキルを判定する試験です。クレーム対応や営業活動、職務内容の説明などの実際にビジネスシーンに特化した内容が出題されます。
外資系企業への転職を考えている方には、おすすめの試験のひとつといえます。
日商ビジネス英語検定試験
実際のビジネスシーンで通用する英語力を問われる試験で、試験では契約書や報告書、企画書、請求書や海外取引全般など実務レベルでの英語の知識が測定され、ライティングに重点を置いているのが特徴です。
それほど知名度は高くありませんが、実践的なビジネス英語を身につけていることをアピールできるでしょう。
実用英語技能検定(英検)
日本において非常に知名度が高い英語の試験であり、文部省が公認している試験です。そのため信頼度も高く、外資系企業であっても日本で選考が行われる際にはアピールになる可能性も十分にあります。
実用英語技能検定(英検)の最高ランクである1級は、TOEICスコア・900点に相当する語学力があるとされています。
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まとめ
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