海外駐在員が帰国後転職するには？成功させるコツや注意点を解説

外資系転職アドバイス

2024.06.04

海外駐在中に自分のキャリアや働き方を見つめ直し、帰国後の転職を視野に入れている方もいるでしょう。海外駐在員が帰国後転職を選択することは、近年増加傾向にあります。また、実際に駐在中に転職活動を始め、転職に成功した方は少なくありません。

本記事では、海外駐在員が帰国後に転職を成功させるコツや、注意点などを詳しく解説します。海外駐在経験を活かした転職を考えている方は、ぜひ最後までお読みください。

海外駐在員が帰国後転職する理由

海外駐在員が帰国後転職するのには、人それぞれの理由があります。ここでは、その理由を詳しく解説していきます。

海外駐在により価値観が変化したため

海外駐在員として海外での仕事や生活を経験した場合、価値観の変化により、帰国後同じ企業で働くことに違和感を感じる方は少なくありません。その結果、実際に転職を選択する方が今日では増えつつあります。

例えば、駐在先の国によっては残業は仕事の効率が悪いと考えられているため、日本に戻って定時で帰れないことに違和感を感じてしまうケースが一例としてあります。また、家族との関係性に対する考え方が変わり、グローバルに働くのではなく、日本でのキャリアを考えるようになる方もいます。

このように、価値観の変化により「働き方を見直したい」と考えるようになった方が、転職する傾向にあるといえるでしょう。

日本での仕事に物足りなさを感じてしまうため

海外駐在員になると、日本でやってきた仕事よりもレベルの高い仕事に取り組むことが多い傾向にあります。駐在先では裁量権を持ち、多くの意志決定をするため、苦労が多い反面、大きなやりがいを感じる方も少なくありません。

しかし、企業にもよりますが、日本に帰国後も海外駐在前と同じポジションに就くことになり、海外で得た知見や経験を活かせないケースがあります。

帰国後は海外駐在経験を活かしてキャリアアップしたいと考える方も多く、そのような方たちは日本での仕事に物足りなさを感じてしまい、転職を選択するケースは珍しくありません。

海外駐在中と比べて年収が下がってしまうため

海外駐在中は、海外赴任手当がもらえることにより、赴任する国にもよりますが駐在前よりも給与の額面がアップするケースがほとんどです。企業や駐在先によっては住宅手当やハードシップ手当なども支給されるため、駐在前と比べると年収が大幅にアップする方もいます。

しかし、帰国後はそのような手当が一切なくなってしまうため、年収が下がってしまう方がほとんどです。海外駐在中の年収と比べて、モチベーションが下がってしまう方もいるでしょう。

その結果、海外駐在経験を活かして年収をアップさせたいと思い、実際に転職を選択する方は少なくないといえます。

海外駐在中でも転職活動はできる

海外で仕事や生活を経験するなかで、海外駐在中に転職を考える方もいるでしょう。その場合、駐在先での転職活動は可能かどうか気になる方は少なくありません。

結論からいうと、海外駐在中でも転職活動することは十分可能です。なぜなら、転職活動を進めるにあたって、大抵のステップは海外にいてもこなせるからです。

例えば、履歴書や職務経歴書は現在オンライン提出が主流のため、海外にいても求人にエントリーすること自体は簡単にできます。また、書類選考を突破したあとも、最終面接以外はWeb面接を取り入れている企業が多いため、海外にいても面接に参加できる可能性は高いといえます。

実際に海外駐在中に転職活動を始めて転職に成功している方は多く、珍しいことではありません。転職エージェントを活用するケースも多く、担当者とはオンラインでのやりとりが可能なため、海外にいても問題なくサポートを受けられます。

海外駐在員が帰国後転職を成功させるコツ

ここでは、海外駐在員が帰国後に転職を成功させるコツを解説します。

早めに転職活動を始める

海外駐在員が帰国後転職を成功させるためには、帰任命令がでたタイミングで早めに転職活動を始めることが重要です。

転職活動は、すべてがスムーズにいくわけではなく、思うようにいかないケースも少なくありません。例えば、なかなか書類選考を通過せず面接まで進めないケースや、書類選考が通っても一次面接を突破できないケースもあります。早い段階で自分の市場価値を理解し、何が問題なのかを把握できれば、その分対策にも時間をかけられるでしょう。

また、直近の年収や給与をもとに年収交渉をするため、年収が高い海外駐在中に転職活動を始めることで、年収アップが狙いやすいといったメリットもあります。

外資系企業への転職も視野に入れる

海外に近い環境と待遇を求める方であれば、外資系企業への転職も視野に入れることをおすすめします。

外資系企業は日本企業よりも年収が高い傾向にあるため、帰国後海外駐在前と同じポジションに就く場合と比べると年収アップが見込める可能性が高まります。また、外資系企業は成果主義のため、企業によっては成果を出せればライフワークバランスを実現できる可能性もあります。

なお、外資系企業では即戦力となる人材が求められるため、海外駐在経験やスキルを大いにアピールし、企業のために今何ができるかを伝えることがポイントです。

転職エージェントを活用する

転職エージェントの活用は、海外駐在員が帰国後転職を成功させる上で有効な手段の一つとなります。転職エージェントでは、一般公開されていない「海外駐在経験を活かせる求人」を多く紹介してもらえるため、自分に合った求人に出会える可能性が高まります。

また、面接対策や職務経歴書作成の支援、キャリア相談などにも対応してもらえます。さらに、外資系企業に特化した転職エージェントを選べば、外資系企業の求人を紹介してもらえるほか、英文レジュメを作成する際のアドバイスを受けることも可能です。

転職エージェントに登録しなければ応募できない求人や多くのサポートがあるため、積極的に活用し、悩みがある場合は相談にも乗ってもらいましょう。

海外駐在員が転職の際にアピールできるスキル

海外駐在経験は、転職において活かせる強みとなる可能性があります。ここでは、海外駐在員が転職の際にアピールできるスキルを解説するので、転職活動の際にぜひ参考にしてみてください。

マネジメント力

企業にもよりますが、海外駐在員が現地で行う仕事は、現地法人や現地事業のマネジメントが多くなります。日本とは異なる価値観や仕事観、生活習慣を持つ現地の人々を理解して行ったマネジメント経験は、転職において大きなアピールポイントになるといえます。

海外駐在先でのマネジメントは、成功体験だけでなく、失敗を経験することもあるでしょう。その現地での失敗した経験が、リスクマネジメントに役立つこともあります。

アピールする際は、現地マネジメントにおいてどのようなことに苦労し、どのように乗り越えたかも説明できるようにしておくとよいでしょう。

語学力

海外駐在中は現地の人々とコミュニケーションを取るために、英語や駐在先の現地語を使う機会が増え、必然的に語学力が向上する方は少なくありません。いくらTOEICで高得点を獲得していたとしても、現地で流暢に会話ができるとは限らないため、現地で身に付けた実践的な語学力は転職において大きなアピールポイントになります。

特に外資系企業では英語力が求められる可能性が高いため、実践的な英語力をアピールすることで転職に有利に働くことがあります。

また、英語だけでなく、中国語などほかの語学力がある方は、さらによいアピール材料になるといえるでしょう。

高いコミュニケーション力

海外駐在中は、異文化を柔軟に受け入れ、自ら積極的にコミュニケーションを取ることが求められます。そのため、海外駐在経験が長ければ長いほどコミュニケーション力が磨かれ、転職において大きなアピールポイントになります。

アピールする際は、現地の人々とのコミュニケーションにおいてどのような苦労があり、それをどう乗り越えたか、どのような工夫をしたかなど具体的なエピソードを交えて説明することが大事です。

独自性のあるエピソードで自分をアピールできるよう、しっかり準備しておきましょう。

海外駐在中に転職活動をする場合に注意すべきこと

ここでは、海外駐在中に転職活動する場合に注意すべきことを解説します。転職に失敗しないためにも、ぜひチェックしてみてください。

帰国のタイミングに合わせて選考スケジュールを組む必要がある

現在、Web面接が浸透してきてはいるものの、最終的な面接は対面で行う企業は珍しくありません。そのため、最終面接まで進めた場合は、日本に帰国できるタイミングで面接を行ってもらえるよう、転職希望先の企業に日程調整してもらう必要があります。

帰国のスケジュールが確定している場合は、エントリーの段階で企業側に帰国の日程を伝えておくことをおすすめします。応募の段階で伝えられなくても、海外駐在員は企業からの需要が高いため、日程調整に応じてくれるケースも少なくないでしょう。

また、転職エージェントを活用すれば間に入って日程調整してもらえるため、ストレスなく転職活動を進められます。

入社時期は事前に想定しておく必要がある

転職活動が実って内定が出たにもかかわらず、入社時期が折り合わないために辞退に追い込まれる可能性もあるため、入社時期について、事前に計画しておくことが重要です。

そもそも入社可能日が確定していないと、企業としても「いつから働いてもらえるのか」「本当に転職する気持ちがあるのか」という不安要素になり、選考に乗らない可能性があります。そのため、引越しや退職に要する期間も加味して入社可能日を事前に割り出し、エントリーの段階で伝え、企業側の不安を解消しておくことが重要です。

転職エージェントを活用すれば、それぞれの状況に合った適切なスケジュールのアドバイスを受けることが可能です。海外駐在中に転職活動することが初めての場合、具体的な入社可能日を正確に把握することは難しいため、一度相談してみることをおすすめします。

帰国後転職活動を始める方が海外駐在中に準備できること

帰任日まで期間がないという方は、帰国後に転職活動を始めたほうがスムーズにいく場合があります。ここでは、帰国後に転職活動を始める方のために、海外駐在中に準備できることを解説します。

キャリアの棚卸し

海外駐在中に準備できることの一つに、キャリアの棚卸しがあります。キャリアの棚卸しとは、簡単にいうと「どのような仕事をしてきたか」を整理することです。キャリアの棚卸しをすることで、自分が企業に何を提供できるのかが明確になり、転職活動において大いに役立ちます。

さらに、キャリアの棚卸しは自分の価値観をあらためて把握することにもつながるため、「何を大事にして働いているのか」「逆に何をやりたくないのか」などがわかり、転職先を選ぶ際のヒントにもなります。

決まったやり方はないので、紙に書き出してみたりエクセルなどにまとめたりして、今まで培ってきた経験や知識、成果などを帰国前に整理しておきましょう。

履歴書・職務経歴書の作成

履歴書・職務経歴書を海外駐在中に準備しておけば、帰国後すぐエントリーできるため、その後の転職活動も進めやすくなります。職務経歴書を作成する際は、あらかじめキャリアの棚卸しを済ませておくことで、自己PRや志望動機もスムーズに書けるようになるでしょう。

ただし、職務経歴書は自分の経歴や希望する企業によって書式を変える必要があるため、作成に苦労する方も少なくありません。特に外資系企業への転職を考えている場合は、英文レジュメの提出が必要になり、初めての方にとって簡単ではないでしょう。

そのような時も、転職エージェントを活用することで、履歴書・職務経歴書の添削やアドバイスを受けられます。外資系企業に特化しているエージェントを選べば、英文レジュメの書き方についても丁寧にサポートしてもらうことが可能です。

関連記事：レジュメ（職務経歴書）の書き方とは？英語・英文で書くときのコツ

まとめ

本記事では、海外駐在員が帰国後に転職を成功させるコツや、注意点などを詳しく解説しました。海外駐在員が帰国後転職することは珍しいことではなく、転職を成功させるためには早めに行動することが重要です。

また、外資系企業への転職を視野に入れたり、転職エージェントを活用したりすることで選択肢が広がり、海外駐在経験を活かした転職が実現できる可能性が高まります。転職エージェントでは、海外駐在員が転職活動を行う際のさまざまなサポートが受けられるため、活用しない手はありません。

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