入社後活躍支援ブログ:第十二回

入社後活躍支援ブログ
2022.11.28
入社後活躍支援ブログ:第十二回

こんにちは。エンワールド 営業統括部長/ヴァイスプレジデントのクリスです。



長期的なキャリアについて考えることは、特に若い方にとって、最も難しさを感じることの一つです。平均的な25歳の方々に長期的なキャリアについて尋ねたら、その半数は「分からない」と答え、残りの半数は「〇〇 (CEO/弁護士/医師/または最近人気のある起業家など)になりたい」と答えるでしょう。どちらに該当する場合でも、皆さんに役立つ、長期的なキャリアを築くためのロードマップの立て方をご紹介します。

1. 夢を追うのではなく、自分の才能を生かす   

仕事で何らかの成功を収めた人のほとんどは、今携わっている仕事をすることになるとはキャリアの早い段階で想像していなかったでしょう。私がこれまでお会いした何百人ものCEO、CFO、リージョナル・ディレクターの多くは、大学で経営学ではなく歴史、英文学、その他一般教養教育科目を専攻していました。彼らはおそらく、自分は大学教授、芸術家、ミュージシャンになると思っていたのでしょう。業界で大物になるというプランは、当初は立ててはいなかったと思います。 

では、一体どのようにして成功したのでしょうか?

実は皆、似たような経験をしていたことが分かりました。大学卒業後に彼らが就いた最初の仕事は、将来より良い仕事へ転職する足がかりとなる会社や職種での仕事でした。しばらくすると、一部の人はその仕事に向いていて、もっと突きつめたいと考えるようになりました。他の人はその仕事に向いていないことを自覚し、別の会社に転職するか、別の職務へ社内異動しました。そして、最終的には全員が自分に向いている好きな仕事を見つけ、その経験を生かし、その分野の専門家として成長していきました。

自分の才能を見出す道のりは、人によって様々です。中には最初の仕事で専門分野を決められる幸運な人もいます。一方、自らの才能を見つけるのに何年も掛かる人もいます。ただ、最終的に成功したすべての人は、自分に向いている仕事を見つけ、その仕事を中心に残りのキャリアを築いているのです。     

若いときは「夢を決してあきらめるな」とよく言われます。若者を鼓舞するための助言ですが、実際に自らが選んだ「夢の仕事」で成功するための才能や経験がない人々に誤った希望を持たせることも多々あります。私は幼い頃、インディ・ジョーンズの映画を3本見て、トレジャーハンターになることを夢見ていました。 ただ、トレジャーハンターとして成功するために求められる言語能力、体力、またハリソン・フォードのような自然な魅力が備わっていないことにすぐに気づきました。そのため、残念ながら私はその夢を諦めなくてはなりませんでした。この例は極端ですが、「夢の仕事」はまさに「夢」であることを示しています。実際に達成できる人が少ない空想を追いかけるよりも、自らの強みを最大限に活かす機会を追及する方が、成功する可能性は高まります。 

2. 模範となる人を見つける  

 自分が焦点を当てたい分野を絞り込んだら、その分野で成功を収めている人を見つけ、その人から学びましょう。ビジネスの世界では、実際に成功した人から学ぶことを「ベスト・プラクティス」と言います。人それぞれ、自分のやり方があるかもしれません。しかし、下手なプライドで、自分の夢を壊さないようにしましょう。根拠なき自信は美徳ではありません。 同じ道を歩んだ人に導きやアドバイスを求め、先輩の知恵から恩恵を得ましょう。 

社内にはいないかもしれません。多くの場合、知り合いの知り合い程度の利害関係のない繋がりの人が、あなたの状況を冷静に判断できる最適な人と言えます。模範となる人にメンターとなるよう協力を求めてください。軽薄な質問でその人を閉口させずに、メンターとして受け入れることで、最終的にその人が知っていることを自らも知れるようになるでしょう。そうすることで、その人より少ない労力で、同等、またはそれ以上の成功を収められる可能性が生まれます。   

忠実な人ばかりで自分を取り囲んでいると、失敗する運命に追い込まれます。成功するためには、反対意見を言うような賢い人と付き合うようにしましょう。  

   

3. 読書をする  

 自分の強みを理解し、メンターを見つけることは長期的なキャリア戦略を立てる上でかなり有益です。しかし、自己学習にも多くの時間を費やす必要があります。YouTube、Facebook、Instagram、Wikipediaなど、すぐに得られる満足感を優先する時代になり、知性を磨く為にただ座って本を読むことがこれまで以上に難しくなっています。 ビル・ゲイツ、ウォーレン・バフェット、ジェフ・ベゾスなど、世界で最も偉大なリーダーの中には、週に1冊の本を読んでいる人もいます。選んだ分野が何であれ、本には知恵があり、時には他の人が書いた言葉から最も強力なインスピレーションを得られることがあります。 

読書が好きではない人のために一言:オーディオブックはジョギングや毎日の通勤中に本を聴くことができるので、最良の味方になるでしょう。いずれの場合も、本の知識を吸収するために十分な時間を取るようにしましょう。  

  

4. 粘り強くなる  

 何よりも、皆さんのキャリアの道のりには障害物がつきものであることを理解しておいてください。そんな中で、とにかく成功しなければなりません。倒れたら立ち上がりましょう。誰かがあなたの顔に唾を吐いても、微笑み、前に進んでください。何ヶ月も取り組んだプロジェクトが上司に却下されたら、ショットグラス一杯のテキーラを飲んで、立ち直りましょう。 

数年前、大手銀行の債務回収代行をしていた転職希望者と面接をしたことがあります。 この男性は金融危機の最盛期に3年間、コールセンターで、請求書への支払いが出来ず借金を踏み倒している人を追いかけ、資金回収する業務に携わっていました。きっとこの回収業務は世界で最も厳しく大変な仕事の一つのはずです。その仕事を3年間継続できた理由を聞くと、答えは単純なものでした。「失敗するたびにそれを学習の機会と捉えた」と言うのです。単に考え方を変えたことで、この人はやり抜くことができ、人格の土台を築けたのだと思います。誰もが自分の仕事に、この方と同じぐらい献身的に取り組むことができれば、世界ははるかに良くなるでしょう。   

計画を立て、その計画にこだわることは、長期的なキャリアを築く上で極めて重要です。上記の 4 つの柱は、長期的なキャリア構築する道のりにおいて必要な枠組みとなるでしょう。   

■第十一回:「一年の振り返り」はこちら

小林クリス
ヴァイスプレジデント

2005年より、エンワールド・ジャパンで人材紹介事業に携わり、外資系企業マーケットでグローバル人材の転職をサポート。2017年に退社し、米国に本社がある人材紹介会社のロバート・ハーフ・インターナショナル社に入社。2020年にエンワールドの人材紹介事業部にヴァイスプレジデントとして復職。現在、東京本社の職種別営業部門、日系企業担当部門、エグゼクティブサーチ事業部、派遣・契約社員紹介事業部、名古屋・大阪支店の営業部門の全5部門を統括。米国カリフォルニア州出身。ワシントンDCにあるジョージタウン大学で日本語と経済学の学士号を取得。

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