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ビジネスの場で「ステークホルダー」という言葉を耳にする機会があっても、その意味や使い方を正確に把握している方は多くないのではないでしょうか?
この記事では、ステークホルダーとは何かやその必要性、さらに使用例や事例についてFAQ形式で解説します。
Q. ステークホルダーの意味とは?
ステークホルダーとは、英語のstakeholderに由来する言葉で、企業活動によって直接、または間接的に影響を受ける利害関係者すべてを意味します。例えば、経営者や従業員、株主、クライアント、顧客、地域社会、行政機関など、その対象はありとあらゆる範囲にわたります。
Q. ステークホルダーとストックホルダー、シェアホルダーとの違いは?
ステークホルダーと似た言葉に、ストックホルダーとシェアホルダーがあります。どちらも株主のことを意味しますが、一般的にストックホルダーは株主一般のことを指し、シェアホルダーは大株主のことを指すことが多くあります。
全ての利害関係者を表すステークホルダーに対しては、ストックホルダーとシェアホルダーのどちらもその一部ということになります。
Q. ステークホルダーはなぜ必要?
近年は、企業は単に自らの利益を追求したり、クライアントや顧客など一部の関係者の利益に限定したりすることなく、あらゆるステークホルダーの利益に配慮すべきという考え方が広がっています。
例えば、社会の関心が高まっている「企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)」においては、企業は社会的な存在であり、環境問題や人権問題への活動の実施や後援、寄付活動、ボランティア活動も含めた社会貢献など、社会全般に対して責任を果たすことが求められています。
他にも、全てのステークホルダーの利益を確保するために、企業の組織ぐるみの不祥事を防ぎクリーンな事業活動を推進するコーポレートガバナンス(企業統治)の強化を行う企業も増えています。
ステークホルダーを意識した上記のような活動を行うことで、ビジネスが拡大したり、環境保全にもつながったりするケースもあります。また、ステークホルダーに対し具体的にどのような取り組みをしているのかは、企業を評価する上での重要な指針の一つともなっています。
Q. ステークホルダーの使用例は?
ステークホルダーは、大変広い範囲を対象とする言葉ですが、使用されるシチュエーションによって指すものが異なる場合があります。
文章や会話で使われる場合は、「ステークホルダーは全ての利害関係者を指している」と決めつけず、シチュエーションや文脈を踏まえた上で何を意味しているのかを理解しましょう。
ここでは、ステークホルダーの使用例をいくつか紹介します。
株主を指す場合
「株主総会でステークホルダーの承認を得られるよう資料を準備しておこう」
このように株主のことをステークホルダーと表すこともありますが、前述のように株主だけを対象にする際はストックホルダーを用いる方が理解しやすいです。
顧客やクライアント、地域住民を指す場合
「新サービスは、ステークホルダーを意識し開発しました。」
「ステークホルダーとの関係構築には、コミュニケーションが重要です」
これらの場合、使用されたシチュエーションや前後関係によって、ステークホルダーが顧客、クライアント、地域住民を指すかが変わります。
Q. ステークホルダーの事例は?
ステークホルダーとのより良い関係性を構築するために、さまざまな努力を行っている企業があります。
ここでは、その事例を2つ紹介します。
事例1. ステークホルダーとの対話を重視した例
ある大手商社グループは、各ステークホルダーとの対話を重視した施策を実施しています。
具体的には、消費者に対し「公式ウェブサイトでの情報提供」や「問い合わせ窓口の設置」、「品質管理やサプライヤー・サステナビリティ調査」を実施したり、また、地域社会に対し「ボランティア活動」や「周辺地域住民との定期的なコミュニケーションをとる」といった例が挙げられます。
その他、株主や政府機関、従業員に対しても対話を重視した施策を行ってます。
事例2. ステークホルダーとの具体的な関わり方を提示した例
あるゲームソフト販売・開発会社、出版社は、各ステークホルダーに対し具体的な関わり方を提示しています。
例えば、消費者に対し「商品やサービス、クオリティ、価格についての適正な情報を開示」を、株主に対して「財務諸表の作成や経営に関する重要事項の適時開示」を行っています。
また、クライアントに対しても、「私的目的の金品授受や過剰な接待禁止」、「贈賄禁止」、「強制労働や児童労働、その他隷属的な労働排除」を提示しており、その他、従業員や社会にも具体的な関わり方を提示する施策を行っています。
今回はステークホルダーについて解説しました。エンワールドは、企業のグローバル人材に関する採用課題をあらゆる方面からサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。