【人事用語FAQ】ラポールとは

公開日:

【人事用語FAQ】ラポールとは

ビジネスにおけるコミュニケーションを円滑にするスキルの一つとして「ラポール」という概念が注目されています。
この記事では、ラポールとは何か、その効果や具体的な手法、注意点などについてFAQ形式で解説します。

ラポールとは?

ラポールとは、フランス語で「橋を架ける」という意味を持つ心理学用語のひとつで、主にセラピストとクライアントの心が通じ合い、互いに信頼しあい、相手を受け入れている状態を指す言葉です。近年ではカウンセリングの場面だけでなく、ビジネスにおいても親密で信頼しあえる関係を築くためのコミュニケーションスキルの一つとして、ラポールの形成が重視されるようになりました。

ラポールが重要視されるビジネスの場面には、次のようなケースがあります。

営業活動

営業担当者にとって顧客とラポールを形成することは重要なプロセスです。顧客と信頼関係を構築することが商品やサービスの購入や契約に繋がり、さらに信頼関係が深まることで、リピートの可能性も高まります。

職場の人間関係

上司と部下、同僚との間でラポールが形成されれば、職場内のコミュニケーションが良好となり、定職率や生産性の向上にも繋がります。

人材育成

従業員の育成や能力開発についても、1on1ミーティングなどで上司と部下のラポール形成がなされていることが高い効果に繋がります。また、研修の場面でも講師と受講者のラポール形成が効果に影響をもたらします。

ビジネスにおけるラポールの効果は?

ビジネスにおけるラポールの主な効果は以下の5つです。

  • 円滑なコミュニケーションが可能になる
  • 相手から信頼感を得られる
  • 自分の言葉に説得力が増す
  • 営業活動などで成果につながりやすくなる
  • 職場における心理的安全性が高まる

ラポール形成の手法は?

ラポールを形成するためには、いくつかの手法があります。ここでは、代表的な手法やその特徴を紹介します。

ミラーリング

鏡に写したように相手のしぐさや手足の位置、呼吸までを合わせることで気持ちを通わせラポールの形成を図る手法です。

例えば、口角が上がっているか、手を揃えているか、呼吸は深いかなど相手をよく見て合わせてみるとよいでしょう。
ただし、ミラーリングを相手に気づかれると引かれる可能性があるので、やりすぎないよう注意しましょう。

ペーシング

話すスピードや声のトーン、あいづちやうなずきの頻度・タイミングなど、相手のペースにマッチさせることによって、話しやすく自分を理解してくれている人であると共感を得やすくする手法です。

マッチング

ペーシングと似ていますが、相手の話すテンポや声の強弱、トーンの高低など、特に聴覚で感じる情報を合わせることで、相手に話しやすさや心地よさを感じさせる手法です。

キャリブレーション

相手の感情を予想して言葉を選んだり、声のトーンを調整したりしながら、相手に共感や理解を感じさせる手法です。

例えば、相手の表情や態度から腑に落ちていない様子を感じたら、質問がないか尋ねたり要点を再度端的に伝えたりと工夫します。

バックトラッキング

相手が言った言葉をそのまま返すことによって、相手の話しをしっかり聞いていることを示し、相手に安心感や信頼感を与える手法で、別名「オウム返し」とも呼ばれます。
自分の言葉を使うと違う意味合いで捉えられて共感を得られない可能性があるため、相手の言葉をそのまま使うよう意識するのがポイントです。

組織内でラポールを築くためには?

ここでは、組織内でラポールを築くために企業が採用している手法を紹介します。

定期的に気軽に相談できる1on1ミーティングを設ける

コロナ禍以降、リモート勤務の増加により上司と部下のコミュニケーションが不足している場合は、定期的な1on1ミーティングを設けると効果的です。これによって上司は部下の業務進捗を把握でき、部下は会議や打ち合わせ以外で上司に気軽に相談できる機会が得られます。

任意参加のランチタイム用Web会議システムを用意する

また、Web会議が主体となり相手の感情が読み取りにくい、チャットやメールの連絡が主となり文字のコミュニケーションでは相手に冷たく伝わってしまうなどの問題もあるでしょう。
そのような場合は、気軽なコミュニケーションの頻度を増やすため、任意参加のランチタイム用Web会議システムを用意する方法もあります。

ラポール形成の注意点は?

最後に、ラポールを形成し信頼関係を構築するために、注意しておきたいポイントを紹介します。

  • 相手に対する敬意を表せているか
  • 相手に好意を抱いているという印象を与えられているか
  • ミラーリングやマッチングを行う際、不自然にわざとらしく相手を真似ていないか
  • 相手を否定してしまっていないか
  • 自分と違う考え方を認め、受け入れようとしているか
  • テクニックに走り、短時間で関係性を築こうとしていないか

ラポールの本質にのっとり、相手には好意と敬意を持って接し、時間をかけて相手との信頼関係
を築いていくようにしましょう。

今回はラポールについて解説しました。エンワールドは、企業のグローバル人材に関する採用課
題をあらゆる方面からサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。

 

その他のおすすめ記事情報

自社に合った優秀な人材を採用するために「面接」で大切なこと

自社に合った優秀な人材を採用するために「面接」で大切なこと

企業の成長や発展のために自社で活躍してくれる優秀な人材を獲得するためには、採用面接...

【人事用語FAQ】心理的安全性とは

【人事用語FAQ】心理的安全性とは

2015年にGoogleが「チームのパフォーマンスを向上させるためには心理的安全性...

【人事用語FAQ】リファレンスチェックとは

【人事用語FAQ】リファレンスチェックとは

外資系企業の中途採用でよく実施される「リファレンスチェック」。 人材の採用を判断す...

一覧へ戻る

グローバル人材に関する採用課題を解決します

外資系・日系グローバル企業のハイクラス転職ならエンワールド