【人事用語FAQ】限定正社員とは

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【人事用語FAQ】限定正社員とは

優秀な社員の獲得や離職防止、社員のモチベーションアップを目的に注目度が高まる「限定正社員」。しかし、具体的にはどのようなものなのかわからないという声も聞かれます。

この記事では、限定正社員とは何か、その目的、メリット・デメリットについてFAQ形式で解説します。

Q. 限定正社員とは

「限定正社員」とはジョブ型正社員ともいわれるもので、「勤務地」、「職務(仕事内容)」、「労働時間」が限定された形で働く正社員のことです。この条件1つを限定することもあれば、複数かけ合わせて限定することもできます。

 

Q. 限定正社員の種類と特徴とは

限定正社員は主に3種類です。それぞれの種類と特徴について説明します。

 

勤務地限定正社員

勤務する地域を限定して働く正社員のことです。限定される勤務地の範囲は企業によって異なりますが、「1つの事業所に限る」、「居住地から通勤可能な事業場に限る」、「限定地域の事業所に限る」といったケースがあります。転勤や長距離通勤ができない従業員や、地域に根づく技能を継承・蓄積する人材を獲得・確保する際に有効です。

 

職務限定正社員

職種・職務を営業職やシステム開発などに限定して働く正社員のことです。担当する仕事範囲が明確なので、生産性の向上や、専門性の高いプロフェッショナル人材の育成を目指すことが可能です。

 

勤務時間限定正社員

働く時間や時間帯を制限して働く正社員のことで、所定労働時間が正社員に比べて短いケースや、時間外労働や休日労働を免除するケースがあります。

育児や介護、体調などが理由で長時間働けない従業員や、副業や趣味など自社での仕事以外のことに時間を割きながら働きたい従業員のニーズに対応できます。

 

Q. 限定正社員の目的は?

企業が限定正社員を導入する目的は、次のようなものです。

 

優秀な人材の確保

限定正社員制度があれば、通常の正社員勤務条件では採用できなかった人材の採用や、体調や家庭の事情などが理由による優秀な正社員の離職防止にも繋がります。

 

多様な働き方を尊重する企業であることを社会に発信する

限定正社員制度の導入は、企業が従業員一人ひとりの多様な働き方を尊重するという、社会へのアピールポイントになります。優秀な社員の新規獲得や、企業の柔軟な考え方を知りより好感を持つことができた従業員のモチベーションアップも期待できます。

 

非正規から正規雇用への転換

非正規から正規雇用への無期転換ルールに当てはまる人の雇用の際に、これまでと同じ条件下で勤務できるよう限定正社員として雇用するケースもあります。

無期転換ルールとは、平成2541日の改正労働契約法施行で規定されたもので、同一の使用者(企業)との間で、有期労働契約が更新されて通算5年を超えたときに、労働者の申込みによって無期労働契約に転換されるルールを指します。

 

Q. 限定正社員導入のメリット・デメリットは?

主なメリットやデメリットは次の通りです。

 

メリット

多様で優秀な人材を獲得・活用できる

通常条件では雇用が難しい優秀な人材への門戸が広がり、多様な人材を獲得・活用することができます。

 

従業員のワークライフバランスを実現できる

従業員が多様な働き方を選択できるようになり、介護や育児など家庭の事情や、体調面が理由の離職を防ぐことにも効果的です。ワークライフバランスが整った職場環境では、従業員のモチベーションアップも期待できます。

 

地域密着の事業を展開できる

勤務地限定正社員の登用により、その地域に密着したサービス提供など、地元ニーズを理解した上での事業展開の可能性が広がります。

 

デメリット

待遇のバランスが難しい

残業や転勤を伴わない限定正社員と正社員の待遇が変わらない場合、正社員の不満を招く可能性があります。逆に、待遇差がありすぎると、正社員とほぼ変わらない条件で働く限定正社員からの不満が出かねません。正社員も限定正社員も納得して働ける環境を整えることが大切です。

Q. 限定正社員の割合は?

限定正社員の割合は、企業の方針によって異なります。

東京大学社会科学研究所ワーク・ライフ・バランス推進研究プロジェクトが行った 「短時間勤務制度の運用に関する実態調査」という企業アンケート調査によると、従業員総数に占める「限定正社員」の割合は18.5%。限定正社員の内訳は、「職種限定正社員」が 約5割、「一般職社員(勤務時間限定正社員)」が約3割、「勤務地限定社員」が約2割となっています。

 

Q. 限定正社員導入時の注意点は?

限定正社員制度を円滑に導入するためには、従業員が抱える問題やニーズを理解した上で制度の検討を行うことが大切です。

また、限定正社員として労働契約を結ぶ際は、勤務開始後のトラブル回避のためにも、限定する具体的な内容と待遇を記した就業規則を明示し、従業員の理解を深めるようにも気をつけましょう。

限定正社員への転換制度を設けておくことで、優秀な人材の流出を防ぐことも可能となります。

 

今回は限定正社員について解説しました。エンワールドは、企業のグローバル人材に関する採用課題をあらゆる方面からサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。

 

 

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