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グローバル化やジョブ型雇用へのシフトが進む中、これまで欧米で利用されていたジョブ・ディスクリプションというものが注目されつつあります。
この記事では、ジョブ・ディスクリプションの定義や目的、メリット、作成方法などについてFAQ形式で解説します。
|Q. ジョブ・ディスクリプションの定義とは
ジョブ・ディスクリプション(job description)とは、日本語で職務記述書と訳されるもので、職務内容が詳しく記述された文書を指します。どのような業務を、どの範囲まで行うかということまで詳細かつ具体的に説明されているのが特徴です。
|Q. ジョブ・ディスクリプションを作成する目的とは
ジョブ・ディスクリプションは、欧米の企業を中心に取り入れられていますが、その目的の一つ目は、従業員一人ひとりの業務分掌を明確に規定して、曖昧さを回避することにあります。本来やるべき仕事がはっきりすると、無駄な対立や重複などがなくなり、個人もしくは企業全体の業績向上が期待できます。
また、ジョブ・ディスクリプションに記載された職務を達成できたのかという観点で、より客観的でわかりやすい人事評価を行うためという目的もあります。
|Q. ジョブ・ディスクリプションは誰が作成するもの?
ジョブ・ディスクリプションは、主に企業が業務そのものを詳細に定義した上で作成するものです。
|Q. ジョブ・ディスクリプション活用のメリットとは
ここでは、ジョブ・ディスクリプションを活用する際の主なメリットについてご説明します。
採用のミスマッチ防止に役立つ
人材募集のタイミングで、業務内容や期待されている成果について具体的に企業と求職者が共通認識を持つことができることから、採用のミスマッチを防ぐのに役立つとされています。
組織全体の生産性向上が期待できる
組織内の業務分掌を明確に定めることになるため、業務の被りや抜け漏れがなくなり組織全体の生産性向上が期待できます。
従業員が評価と人事に納得感を得やすい
ジョブ・ディスクリプションには個人の業務を詳細に定義するだけでなく、評価基準も明確に設定するため、従業員は、通常の人事評価はもちろん、その後の異動・昇進・降格などといった人事に対しても納得感を得やすくなるといわれています。
|Q. ジョブ・ディスクリプションの作成方法とは
ジョブ・ディスクリプションの作成は、下記のステップで行うのが一般的です。
- 従業員へのインタビューやアンケート調査を実施し、現状を正確に把握する
- 把握した実態を元に、業務内容を定義する
- 経営層にも参加してもらい、複数の視点でレビューを行う
ジョブ・ディスクリプションは、企業が個人に求める業務内容や期待成果を明文化するもので、これを元に人事評価を行う重要な文書です。
よって、経営層や現場の管理職はもちろん、関連部署等にもレビューを依頼し、抜け漏れや認識の齟齬が起こらないよう精度を高めましょう。
|Q. ジョブ・ディスクリプションの記入例(書き方)とは
ここでは、ジョブ・ディスクリプションの記入例をご紹介します。
ポジション名 | 法人営業/大手法人担当グループ/マネージャー |
部署、グループの詳細 |
法人営業部の大手法人担当グループは、業界構造や当社商品・サービスに精通し、顧客の最適な課題解決法を提案するグループ マーケティング部や開発部、制作部と連携しながら、売上を最大化することがミッション そのため、それぞれがエキスパートとして自らを高めながらも、チームでの協働が求められる環境 |
責任や権限の範囲 |
法人営業部・大手法人担当グループのマネージャーの役割は配下メンバーの活動を支援し、成果を最大化すること 市場動向の潮流を読み、売上予算の策定や戦略策定を行う グループの現状分析、課題抽出、施策の実施という一連のサイクルによって組織をマネジメントする 組織の責任者として関連部門と連携し、顧客と組織の課題解決に務める 必要に応じて、商品やサービスの改善提案を事業企画グループや経営層に提言する |
具体的な職務内容 |
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レポートライン |
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必要とされるスキル、資格 |
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歓迎されるスキル、資格 |
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給与、待遇 |
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目標、評価方法 |
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勤務地、勤務形態 |
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この記入例をもとに、前述した3つのステップを通して自社に合った形にカスタマイズして活用していきましょう。
今回は、ジョブ・ディスクリプションについて解説しました。エンワールドは、企業のグローバル人材に関する採用課題をあらゆる方面からサポートいたします。