【人事用語FAQ】インセンティブとは

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【人事用語FAQ】インセンティブとは

従業員のモチベーションを効果的にアップするための施策の一つに、インセンティブがあります。有効な方法として多くの企業が導入をしていますが、インセンティブを設計する際には注意すべき点もいくつかあります。
この記事では、インセンティブとは何かやその種類、導入の流れ、インセンティブ制度の設計に際して押さえておきたい失敗例についてFAQ形式で解説します。

Q. インセンティブとは?

インセンティブ(Incentive)は、直訳すると「報奨」、「奨励」、「刺激」という意味を持ちます。

ビジネスで用いられる際には、企業が従業員や組織のモチベーションを維持・増幅させるために与える報奨金などの刺激のことを指します。

 

Q. インセンティブの種類は?

ビジネスシーンで用いられる主なインセンティブは、大きく次の2種類に分けられます。

 

報奨金など金銭的なインセンティブ

従業員の成績に応じて報奨金などを支払うインセンティブで、給与や賞与に目標を達成することで一律の報奨金が上乗せされるパターンや、業績が上がるほどより多くの報奨金が上乗せされるパターンがあります。

賞与の場合はインセンティブ支給までの期間が長めとなるため、より長期的にモチベーションを高く維持させたいプロジェクトなどの場合に向いています。

 

やる気アップを図る金銭以外のインセンティブ

金銭以外でやる気を起こさせるような動機づけのインセンティブには、次のようなパターンがあります。

  • 社長賞や月間MVPなどの「社内表彰」
  • 金銭の代わりに物品を支給する「物品報酬」
  • 優秀な従業員に旅行をプレゼントする「インセンティブ旅行」
  • 優秀な従業員に資格やビジネススキルを学べる講座や研修をプレゼントする「インセンティブ研修」

 

Q. インセンティブとボーナスの違いは?

インセンティブと混同されがちな待遇にボーナスがあげられます。

両者の違いは、何を基準として成果を決めるかにあります。

インセンティブは、従業員個人や組織の成果や業績が支給額や評価内容に反映されるのに対し、ボーナスの方は企業の業績によって支給される報酬金額が変わります。

 

Q. インセンティブ導入の流れは?

ここでは、効果的なインセンティブを導入できるよう、インセンティブ制度を設計する際のステップを解説します。

 

STEP1:インセンティブ制度導入の目的を明確にする

最初に「なぜインセンティブ制度を導入するのか」の目的を明確にしましょう。曖昧な理由で導入すると報酬の内容や評価基準も不明瞭となり、欲しい効果が得られなくなります。

 

STEP2:従業員ヒアリングでニーズやリスクを洗い出す

実際に機能するインセンティブを設計するために、従業員にヒアリングを行いニーズやリスクを洗い出します。

 

STEP3:インセンティブの内容を決める

従業員のニーズやリスクにも配慮しながら、目的を達成するためのインセンティブ制度の種類や内容、対象者、付与条件、評価基準について決定します。

 

STEP4:運用フローを決め体制を整える

制度をスムーズに運用できるよう、インセンティブを付与するタイミング、付与する方法、また、表彰をする場合はその時期などもあらかじめ決めておき、体制も整えます。

 

STEP5:従業員に周知し経過を観察・分析する

制度が決まったら内容や条件などを全従業員へ周知します。

運用開始後は、最適な制度に改善していくため効果を検証し従業員の声も集めましょう。

 

Q. インセンティブ導入の失敗例

従業員のモチベーションを上げるためにインセンティブ制度を導入したのに、逆にモチベーションがダウンしたり、不公平感から不満がたまった従業員が離職してしまったりするケースもあります。

そのようなリスクを防ぐために、よくある失敗例について知っておきましょう。

 

失敗例1. 一部の従業員しかインセンティブを受け取れない

特定の層しかインセンティブを受けられない設計になっていると、他の従業員のモチベーション低下につながってしまいます。

また、あまりに達成基準が難しいとやる気を起こすことができず効果が得られません。

インセンティブ制度がフェアな評価基準になっているか、全従業員にインセンティブのチャンスがあるか、また、達成可能な条件が設けられているかなど、確認をしましょう。

 

失敗例2. 競争が激化し社内の雰囲気や組織の結束力が悪化する

個人のインセンティブを達成するため従業員同士の競争が激化し、社内の雰囲気が悪くなったり組織の結束力が弱くなったりして、組織としての成長が阻害される可能性があります。

個人の業績評価だけに焦点をあてたインセンティブだけでなく、チームとして得られるインセンティブ制度の導入を検討することも大切です。

 

失敗例3. 社員の収入が不安定になりやすい

現金報酬のインセンティブ制度の場合、基本給が少なくインセンティブの額が大きいと従業員の収入が不安定になる可能性があります。

収入が不安定であることは、従業員にとって転職を考えるきっかけにもなるので金額の設定には注意が必要です。

 

 

今回はインセンティブについて解説しました。エンワールドは、企業のグローバル人材に関する採用課題をあらゆる方面からサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。

 

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