公開日:

デジタル革命や働き方改革によって世の中の流れは急速に変化し、働き方や組織の在り方に対する企業の柔軟な対応が求められています。そんな中、ホラクラシー組織と呼ばれる組織形態への注目度が高まってきています。
この記事では、ホラクラシー組織とは何か、注目された背景やメリット・デメリット、導入する際の注意点などについてFAQ形式で解説します。
Q. ホラクラシー組織とは?
ホラクラシー組織とは、個々の役割を明確にして仕事を体系化することで組織を管理する形態のことです。
グループやメンバーに裁量権が分散され、上下関係ではなく横の連携で成り立っている自律的な組織であり、それぞれが個別に業務を管理・遂行することが特徴です。
Q. ホラクラシー組織が注目された背景は?
ホラクラシー組織が注目された背景は、主に2つあります。
ひとつは、急速に変化する現代社会において従来の組織管理形態ではそのスピードに対応するのが難しいという課題があったという背景です。
もうひとつは、メンバーの自律性やモチベーションを引き出す上で、彼らに裁量が与えられていない上下関係を基軸とした組織形態に限界を感じる企業があったということが挙げられます。
Q. ヒエラルキー型組織やティール型組織との違いは?
ここでは、ホラクラシー組織と同じくある組織形態を表すものである、ヒエラルキー型組織やティール型組織について、ホラクラシー組織との違いを説明します。
ヒエラルキー型組織との違い
ヒエラルキー型組織は、ホラクラシー組織と真逆の性質を持つ組織形態といえます。裁量権が分散され、横の連携で成立しているホラクラシー組織に対し、ヒエラルキー型組織は中央集権型かつ階層型です。
また、ホラクラシー組織はメンバー間で等しく情報を共有しますが、ヒエラルキー型組織は決裁者の下に情報が集まりやすい仕組みになっているという点でも異なります。
ティール型組織との違い
ホラクラシー組織と混同されがちなのが、ティール型組織です。ティール型組織は、ホラクラシー組織と同じく管理職やリーダーが存在せず、各メンバーが裁量権を持っています。
両者の違いは抽象度であり、ティール型組織には確固たるビジネスモデルがありません。一般的に、ティール型組織のひとつがホラクラシー組織だとされています。
Q. ホラクラシー組織のメリット・デメリットは?
ここでは、ホラクラシー組織のメリット・デメリットを解説します。
メリット
ホラクラシー組織がもたらす可能性のある主なメリットは、次の通りです。
- マネジメント工数の削減によって、組織の生産性が高まる
- 上下関係がないことによる、社内政治などのストレスが軽減する
- メンバーの裁量権が広がることで、主体性を引き出す機会が増える
- メンバーが能力を発揮できる環境が整い、モチベーションが向上する
- メンバー間のコミュニケーションが活発化し、多様性のある意見が誘発される
- タスクに応じて柔軟に人員配置ができるなど、臨機応変に組織を運営できる
デメリット
逆に、ホラクラシー組織がもたらす可能性のある主なデメリットは、次の通りです。
- メンバー全員に情報が与えられるため、機密情報などの管理が難しい
- 個別管理はせずセルフマネジメントに委ねるため、メンバーの行動を把握するのが難しい
- リーダーが存在しないため、組織全体を統括してコントロールするのが難しい
- ホラクラシー組織の独特な組織形態を経験したことのない新しいメンバーは、組織に馴染むまでに相応の時間を要する
Q. ホラクラシー組織を導入する際の注意点は?
最後に、ホラクラシー組織を導入する際の主な注意点を解説します。
まずは小さく始め、徐々に導入範囲を広げていく
ホラクラシー組織を導入するに当たっては、混乱を防ぐためにすべてを一気に変えない方が得策でしょう。まずはチーム単位などで小さく始め、徐々に導入範囲を広げていくことをお勧めします。
特に、ヒエラルキー型組織からホラクラシー組織に変更する場合、考え方を大きく変える必要があるため注意が必要です。
自社の風土がホラクラシー組織に適しているか見極める
ヒエラルキー型組織では、上司の指示を待つだけのメンバーがいても業務は回りますが、ホラクラシー組織ではメンバーの一人ひとりが能動的に動く必要があります。
そのため、セルフマネジメントのできる集団でなければ適用するのは難しい可能性があります。自社がホラクラシー組織に適した風土があるかどうか、見極めることが重要です。
メンバーに等しく情報を開示する
ヒエラルキー型組織の場合は役職に応じて得られる情報量に差がありますが、ホラクラシー組織ではメンバーに等しく情報を開示する必要があります。なぜなら、メンバーそれぞれが決裁権を持っており、その判断基準となる情報すべてにアクセスする必要があるからです。
ただしその際には、情報漏洩に対する対策や一人ひとりのメンバーの自覚も必要となりますので、随時注意喚起や施策を行っていきましょう。
今回はホラクラシー組織について解説しました。エンワールドは、企業のグローバル人材に関する採用課題をあらゆる方面からサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。