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ビジネスシーンにおいて、敬意を込めて使われることが多いファーストペンギンという言葉。リスクがあるとわかっていても飛び込んでいく行動力を持つファーストペンギンは、競争やビジネス環境の変化が激しい状況にある昨今、企業にとっても重要な存在といえるでしょう。
この記事では、ファーストペンギンとは何か、そのメリット・デメリット、企業におけるファーストペンギンの育成方法などについてFAQ形式で解説します。
ファーストペンギンとは?
ファーストペンギンとは、リスクを承知で未開拓の市場に挑んだり、新しい価値観や新しい技術の開発にベンチャー精神を持って行動する個人や企業のことを表す言葉です。
語源となっているのはペンギンの習性です。
常に集団で行動するペンギンには、リーダーやボスは存在せず、最初に動いた1羽に追従するという習性があります。
ファーストペンギンとは、例えば天敵がいるかもしれない海へ餌を求めて果敢に真っ先に飛び込む一羽のことで、大きなリスクはあるものの、追従する他のペンギンより確実に餌にありつけるメリットを得られる可能性があります。
ビジネスにおいても、他に先駆けて行動することで、より大きな先行者利益を得ることができるかもしれません。不安定で変化が激しく不確実性が高い現代社会では企業にも常にチャレンジが求められ、ファーストペンギンを採用・育成する重要性が高まっています。
ファーストペンギンのメリット・デメリットは?
ファーストペンギンが企業に与える可能性のある主なメリットとデメリットには次のような点があげられます。
メリット
- 新市場開拓による先行者利益を得られる
- 新しいことへの挑戦が注目を集め企業の宣伝効果もある
デメリット
- 参考にできる前例もなく事業失敗や多大な損害など高いリスクを伴う
- すべてゼロベースからの検討となり経営計画が立てづらく経営者の負担が大きい
ファーストペンギンの代表例は?
ここでは、ファーストペンギンと呼ばれる代表的な人物を紹介します。
スティーブ・ジョブズ
アメリカの実業家であるスティーブ・ジョブズは、Appleの共同設立者としても有名です。
個人がコンピューターをもつことなど想像すらできなかった時代に、「Mac」「iPhone」「iPad」などの製品を生み出すことで人々の生活を一変させ、Appleをシリコンバレーを代表する世界的な企業へと成長させました。
三木谷浩史
日本を代表する実業家である三木谷浩史は、楽天株式会社の創業者で、現在も同企業の代表取締役会長兼社長を務めています。
日本において「インターネットでモノを購入する」ことが主流でなかった時代に、楽天市場をローンチし創業からわずか8年で楽天を時価総額1兆円に急成長させ、ネットモールで圧倒的な地位を構築しました。
ファーストペンギンを育成するには?
ここでは、従業員をファーストペンギンとして育成するためのポイントをいくつか解説します。
人事評価に「決断」や「挑戦」の項目を加える
リスクを承知の上で行動にうつせる人材を育成するには、求める人物像や人事評価項目に「決断力」や「挑戦」という項目を加え、評価していくことが大切です。合わせて透明性の高い人事評価を行うことで、従業員が「自分の思い切った行動が評価されている」と実感できるようにしましょう。
フラットな組織を作る
従業員が意思決定権を持ち、責任を持って新たな挑戦への決断を行えるよう、フラットな組織作りも大切です。
心理的安全性を保つ
リスクを伴う挑戦だとしても安心して行動できる、心理的安全性を確保した組織作りも大事です。
多様な意見を受け入れる
価値観の異なる多様な意見を受け入れる組織作りも、自ら行動を起こし決断していけるファーストペンギン育成には必要です。
セカンドペンギンとは?
ビジネスにおけるセカンドペンギンとは、新規事業を開拓したファーストペンギンの様子をみて、リスクが小さいこと、市場の規模感、利益率の高さなどを確認してから市場に参入していく人物のことです。
セカンドペンギンが市場に参入することで、その後大勢の行動を促すことになり、ファーストペンギンが開拓した市場の拡大、成長、成熟に繋がります。
ファーストペンギンに比べセカンドペンギンが得られる先行者利益は少ないかもしれませんが、まだ開拓が十分にされていない市場において、ファーストペンギンから学びながら効率的に事業展開ができるメリットがあります。
今回はファーストペンギンについて解説しました。エンワールドは、企業のグローバル人材に関する採用課題をあらゆる方面からサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。