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組織やチーム間における衝突や意見の相違が起こった際に「コンフリクト」や「コンフリクトマネジメント」という言葉を聞いたことはあるものの、正確な意味がよくわからないという方もいるのではないでしょうか。
この記事では、コンフリクトやコンフリクトマネジメントとは何か、その原因と反応や具体的なマネジメントの方法、メリット・デメリットなどについてFAQ形式で解説します。
Q. コンフリクトとは?
「コンフリクト(conflict)」とは英語で「葛藤・衝突・紛争・矛盾」という意味を持つ言葉です。多くの場合、双方の意見や考えが対立したり、食い違ったりしている状態を指します。
Q. コンフリクトマネジメントとは?
「コンフリクトマネジメント」とは、組織内で意見や考え方の対立が起こった際に、積極的に事態の解決を図ろうとする取り組みを指します。
「コンフリクト」というとネガティブな印象を持つかもしれませんが、時として多様な意見は組織の活性化や新しい価値創造に繋がるケースもあります。そのため、これを積極的に活用しようとする企業も出てきています。
Q. コンフリクトの原因と反応は?
ここでは、コンフリクト自体への理解を深めるために、コンフリクトの原因と一般的な反応をご紹介します。
コンフリクトの原因
コンフリクトを引き起こす原因は、主に3つに分けることができます。
お互いの目的や前提条件の相違
品質を高めることとコストを抑えること、または安全を保つことと納期を守ることなど、お互いの目的や前提条件が異なると意見は対立する可能性があります。
お互いの認知や解釈の相違
意思決定をする際、理想に向かうのか現実に向き合うのかによって採択する選択肢が変わるケースがあるように、お互いの認知や解釈の違いによって意見は対立する可能性があります。
お互いが抱く感情の相違
優越感と劣等感、満足感と不満足感など、両者が抱いている感情が相反すると意見が対立する可能性があります。
コンフリクトの反応
コンフリクトによって生じる反応は、主に5つに分けることができます。
強制
相手が権力などを用いて、高圧的に問題を解決しようとする反応です。自分の意見は強制的に却下されるため、lose-winの関係になります。
受容
相手の意見や要求を能動的に受け容れて、自分の意見を飲み込む反応です。こちらも、自分の意見は通さないため、lose-winの関係になります。
妥協
両者の意見の妥協点を探る反応です。これは一見良さそうですが、お互いに不満足感が残ってしまうケースもあります。
回避
対立の表面化を避け、解決を先延ばしにする反応です。お互いの意見が見直されることはないため、結果としてlose-loseの関係になります。
協調
両者の意見を尊重して解決案を探る反応です。win-winの関係になる可能性が高く、コンフリクトマネジメントに適しています。
Q. コンフリクトマネジメントの方法は?
コンフリクトマネジメントを行う際には、次の5つのステップで取り組むとよいでしょう。
STEP1. 組織内のストレスや不安感が大きくならないよう迅速に対応する
STEP2. 対立している当事者と対話し、コンフリクトの原因を突き止める
STEP3. 仲介者を立て、両者のコンフリクトに対する反応を見極める
STEP4. 考えられる解決法を全て提示する
STEP5. 最も妥当で前向き、かつ両者が納得できるような解決案を選択する
Q. コンフリクトマネジメントのメリット・デメリットは?
最後に、コンフリクトマネジメントの主なメリット、デメリットを紹介します。
メリット
コンフリクトマネジメントのメリットのひとつとして挙げられるのが、立場の異なる相手に対する理解が深まるという点です。
目的や前提条件、価値観や感情の相違によって引き起こされる対立を放置するのではなく、お互いの立場や役割に対する理解を促すことで発展的な議論に繋げることができます。
また、社内の風通しが良くなるというメリットもあります。
発生したコンフリクトが解決されていくことで異なる意見でも発言しやすい環境が生まれ、従業員同士の意思疎通や組織間の確執解消が期待できます。
デメリット
多くのメリットをもたらすコンフリクトマネジメントですが、正しい知識がないとかえって対立を深刻化させてしまうなど逆効果になる可能性もあります。
コンフリクトマネジメントを効果的に行うためにも、研修やトレーニングを実施するなど、従業員の知識を深めたりスキルを磨いたりする場を積極的に設けましょう。
今回はコンフリクト/コンフリクトマネジメントについて解説しました。エンワールドは、企業のグローバル人材に関する採用課題をあらゆる方面からサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。