【人事用語FAQ】CDPとは

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【人事用語FAQ】CDPとは

グローバル化やM&Aによる事業拡大・撤廃など、ビジネス環境が劇的に変化する昨今、従業員をどのように持続的に成長させていくかが企業の課題のひとつとなっており、CDPの重要性が高まっています。
この記事では、CDPとは何か、その重要性、導入する際の方法やポイントなどについてFAQ形式で解説します。

Q. CDPとは?

「CDP(career development program)」とは、企業が従業員の適性や希望を考慮した教育研修や配置を行うことで、従業員の能力開発やキャリア開発を長期に渡り計画的に行うプログラムのことです。

ちなみに、近年ではCDPという略語は人事領域以外でもさまざまな領域で使われており、例えば、マーケティング分野ではCustomer Data Platformという顧客情報を集めてマーケティングに活用するデータ基盤を指します。

Q. CDPの重要性は?

近年、深刻化している人手不足や新卒者の離職率上昇に対応するための施策のひとつとして、従業員のエンゲージメント向上や主体性の育成が期待できるCDPの重要性が増しています。また、CDPは企業にとって効果的な人材育成を行うためにも有効な方法として取り入れられています。

Q. CDPの効果は?

ここでは、CDPの効果として期待できる主なポイントについて解説します。

従業員エンゲージメントの向上

長期的に従業員のキャリア実現を支援することで、従業員のエンゲージメントの向上が期待できます。

従業員の主体性を育成

CDPでは従業員が主体的に自らのキャリア形成に関わることができるため、さまざまなチャンスを有効活用しながら自発的に行動できる、優秀な従業員が育成できる可能性が高まります。

離職率の低下

CDPでは、従業員にいつどのタイミングでどのような成長機会があるかを示せるため、従業員は会社における長期的で確実なキャリア形成に安心して、かつ、モチベーション高く取り組むことが可能となり、離職率の低下も見込めます。

人材の見える化

CDPの設計過程において、「従業員の現在のキャリアや能力はどの程度のものか」「今後従業員に必要なキャリアや能力とは」「どうすればキャリアや能力が育成できるか」など、自社の従業員のさまざまな問題や課題が可視化でき、解決策を模索することが可能となります。

Q. CDPの導入方法

ここでは、CDPを実際に導入する際の一般的な手順について紹介します。

STEP1:CDPの導入の目的を決める

企業の事情に合わせたCDP導入の目的を明確にします。

STEP2:CDPの運用方法を決める

人事部が中心となり、本人とその上司も巻き込んだ運用方法を決定します。

具体的には、教育研修や配置転換、昇進・昇格、出向などのプログラムの他、選抜メンバー用の研修など多岐にわたるプログラムを用意する必要があります。

CDPの導入を周知する

CDPを効果的に導入し運用するためには、社内に周知、認知され、利用されることが重要です。

CDPでは多くの場合、従業員本人とその上司が面談を通じてキャリアゴールを設定します。本人と上司がCDPの仕組みや目的をきちんと理解し、運用に積極的に協力してもらえるようにしましょう。

Q. CDPを効果的に導入するためのポイント

最後に、CDPを効果的に導入するための注意点やポイントを解説します。

多様性を受け入れ柔軟にサポートする

従業員のキャリア形成を支援していくためには、さまざまな考え方や働き方の多様性、ダイバー推進への理解や配慮を行いながら、柔軟にサポートすることが重要です。

従業員一人ひとりがキャリアビジョンを描ける研修機会を提供する

従業員一人ひとりが明確なキャリアビジョンを描くためには、気づきを与えるための研修制度や他部署交流などの場を提供することも大切です。

また、従業員が気軽に将来の目標について相談できるよう、キャリアアドバイザーとの面談機会を設けるなど、継続的なフォローも行いましょう。

1on1面談の活用

それぞれの従業員が上司と「将来のキャリアビジョン」や「目標としている仕事」などを話せる1on1面談を実施することも有効です。

1on1面談を計画的に実施することで、従業員が改めて自分の将来について考えるきっかけが創出でき、将来のビジョンも明確になる可能性が高まります。1on1面談の際には、上司は聞く側にまわり、本人が自分の考えを整理できるようにアドバイスすることが大切です。

人事制度の変更や新たな策定

キャリア支援のためには上司のサポートだけではなく、人事制度そのものを変更したり、新たに策定したりする必要も出てきます。例えば、次のような制度が考えられます。

  • 従業員本人のキャリアビジョンの希望や意見を聞けるような自己申告制度
  • 社内事情に詳しい者が従業員のキャリアプランについてアドバイスできるよう、キャリアアドバイザーの社内育成や資格が取得できる制度
  • 上司による優秀な人材の囲い込み人事を防ぐため、従業員自らが希望の部署への異動応募ができる社内公募制度

今回はCDPについて解説しました。エンワールドは、企業のグローバル人材に関する採用課題をあらゆる方面からサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。

 

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