【人事用語FAQ】キャリアパスとは

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【人事用語FAQ】キャリアパスとは

先行きが不透明で常に変化の中にある現代では、従業員がモチベーションを維持して働けるよう、企業が個人のキャリア形成をアシストすることも重要です。

この記事では、「キャリアパス」の重要性、メリットやデメリット、目標設定の仕方などをFAQ形式で解説します。

Q. キャリアパスとは 

キャリアパスとは、「キャリア=職業上の経歴」と「パス=道」を組み合わせた言葉です。具体的には、従業員が在籍している企業内で、目標とするポストや職務に就くために必要なキャリアを積んでいくための道筋のことをいいます。 

また、企業がその道筋を社員に対して明確に示したものを、キャリアパス制度と言います。 

ちなみに、キャリアプランとは、転職や独立を前提とした人生計画のことです。 

 

Q. キャリアパス制度はなぜ必要? 

昨今、一つの企業に定年まで勤める終身雇用制度は崩壊しつつあり、転職することがごく自然なことになってきました。優秀な人材の離職を防ぐために、会社内でのキャリアアップを明確にすることで在籍し続けるメリットを生み出すことが、企業に求められています。 

従業員はキャリアパスを描くことで、自分のスキルの現状を把握でき、いつごろどんなキャリアアップができるかについても知ることができます。従業員は目的意識を持てるので、モチベーションを高く保つことができるでしょう。その結果、離職へ慎重になることも期待できます。 

 

Q. キャリアパスの設定が企業にもたらすものとは? 

従業員のキャリアパスが明確になり、どのような目標を持ち、そのためにいつどのような力を身につけていけば良いのかを描ければ、企業も従業員が描いたキャリアパスを進んでいけるよう、社内の人材育成の体制を整えられます。いつどのような研修が必要か、社員の評価や昇格・昇給時期・条件などの整備など、企業が取り組むべきことが具体的になるでしょう。 

また、社員と企業の目指す指標に大きなずれがないかもチェックできるので、互いのミスマッチ防止にも繋がります。 

 

 

Q. 企業・個人がキャリアパスを描くメリット・デメリットとは? 

企業や個人には、一般的に次のようなメリット・デメリットがあります。 

  

企業のメリット・デメリット 

メリットとしては、先ほど説明したように効率的な人材育成ができる他に、社員が成長できる企業であることを示せるので、採用活動における企業のアピールポイントになることや、人事評価の透明化につながることが期待できます。 

一方で、役職の枠が空いていないなどで、従業員が描いたキャリアパスに沿ってステップアップできない場合、従業員の満足度は大きく下がってしまう可能性があります。  

  

個人のメリット・デメリット 

目指す道が明確になることで、日々の業務へのモチベーションを高く保てるようになったり、最終的なゴールに到達のために、何を学び、経験しなければならないのかをより明確にでき行動に移せるようになることは、大きなメリットです。 

一方で、詳細なキャリアパスを設計したために、キャリアの選択肢が狭まったり、偶然訪れたチャンスを逃してしまったりするリスクなどが考えられます。外的要因で目指してきたキャリアが閉ざされてしまった場合の立て直しも難しくなるかもしれません。 

 

Q. キャリアパスの目標設定方法とは? 

従業員に、有益なキャリアパスを描いてもらうためのポイントを説明します。 

 

自分の理想だけを書かない 

理想ばかり書くのではなく、会社の将来の予測、自分の能力と活かし方、そこまでの道のりを踏まえたキャリアプランを描くように導きましょう。 

 

伸ばしたい能力を具体的にする 

目標のキャリアを達成するまでに、従業員が自主的にどんな努力をしていくのか、3・5・7・10年後にどのように業務に取り組み、能力を伸ばしていくのかを具体化してもらいましょう。 

 

どんな人になりたいかを明確に 

希望の仕事や役職ではなく、個人としてどのように成長したいのかの目標を設定することが大切です。 

どのようなことができる人になりたいのか、周囲の人からどのように思われる人になりたいかについて考え、従業員それぞれが目指す将来像を作ってもらいましょう。 

 

 

Q. キャリアパス制度の導入手順とは? 

キャリアパス制度を構築する手順の一例を紹介します。 

ステップ1:等級制度の作成 

職種ごとに階層と業務内容を示し、各階層に求める能力やスキル、資格などを明確にします。役職名のない段階や同じ役職でも、経験年数や取得資格などによって細かく等級を設定できると、従業員のモチベーションを保てやすくなります。 

 

ステップ2:研修制度の作成 

社員がキャリアパスに沿って次の階層に上がれるよう、職種や階層に応じて適切なタイミング、内容の研修を企画します。 

 

ステップ3:評価制度を整える 

企業における評価は一般的に、社員の能力やスキルなどによる「能力評価」、社員の成果による「業績評価」、社員のやる気や勤務態度などによる「情意評価」の3種類があります。 

3種類の評価を元に、階層に応じて社員を評価するための、より具体的な項目を設定した評価制度を整えます。 

 

 

今回はキャリアパスについて解説しました。エンワールドは、企業のグローバル人材に関する採用課題をあらゆる方面からサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。

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