【人事用語FAQ】ゆでガエル理論とは

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【人事用語FAQ】ゆでガエル理論とは

企業経営やビジネスシーンでよく語られる「ゆでガエル理論」は、環境に対応することは難しいことでありながらも、ビジネスの成功においては重要であることをカエルを用いて説いたものです。
この記事では、ゆでガエル理論とは何かやその具体例、ゆでガエル状態に陥らないための対策や脱却する方法などについてFAQ形式で解説します。

ゆでガエル理論とは?

ゆでガエル理論とは、「カエルをいきなり熱湯に入れると熱さに驚き逃げ出すが、常温の水に入れて温度を徐々に上げていくと、温度変化に気づかずに生命の危機を感じないまま最後には死んでしまう」という説に由来しています。

ビジネスシーンにおいては、企業や個人に置き換えることができ、環境の小さな変化に危機感を感じずマンネリ化して対処しないことへの警鐘をする意味あいを持ちます。

ゆでガエル理論の例は?

企業や組織がゆでガエル状態になっている例として次のようなケースがあげられます。

  • 事業の業績状態が悪化しても過去の栄光にすがり、抜本的な改革を行わず経営を続けている
  • 日々変化する社会のニーズを無視し従来のやり方を押し通している
  • 組織が徐々に弱体化していることに目を向けず気づいたら手遅れになっている
  • 新たな情報や知識のインプットを怠りマンネリ化した仕事を繰り返している

また、実際に起きた具体例も2つ紹介します。

会社の倒産に至った例

北米の総合エネルギー分野で発展していた某企業は、大規模事業の失敗で抱えていた負債を不正な会計処理で隠蔽していましたが、結果的に総額160億ドルを超える負債を抱えて倒産に至りました。

これは、ずさんなリスク管理や問題認識の甘さがゆでガエル状態を招いた代表的な事例です。

写真フィルム業界の急落

写真フィルム業界では、デジタル化の波を察知してはいたものの、多くの企業が既存のアナログ技術の延長線上の経営を続けてしまいました。その結果、一気にデジタル化が進んだ時には取り返しのつかない状況になっており、倒産や事業撤退が相次ぎました。

ゆでガエルになる原因は?

ここでは、企業がゆでガエル状態に陥ってしまう可能性のある主な原因を解説します。

過去の成功体験にこだわる

過去の成功体験にこだわると、変化が大切だと思いながらも新たな挑戦をすることに躊躇してしまいます。

安定志向すぎる

少なからずリスクを伴う新たな挑戦を避け、安定志向で現状維持ばかりに注力していると、変化のない状況に慣れてしまいます。

ネガティブ思考に陥る

景気が悪かったり世界情勢が悪化していたりとさまざまな要因でネガティブ思考に陥ると、無意識に変化を恐れて安定志向が強くなります。

コミュニケーション不足

企業や組織のコミュニケーションが不足していると、誰かが危機を察知しても他の人にそれが伝わらず適切な対応が取れないことがあります。

企業がゆでガエル状態から脱却するためには?

ここでは、ゆでガエル状態から脱却するための対処法について解説します。

全員の危機意識の向上と共有

ゆでガエル状態から脱却するには、経営者だけでなく従業員の「変わらなければ生き残ることができない」という危機意識の向上と共有を図ることが大切です。
たとえば、会社の財政状態が厳しい状況であれば財務諸表を公開するなど、会社経営をオープンにして従業員も経営状況を把握できる環境づくりも必要です。
また、仮に従業員が危機感を持った場合に、共有できるオープンな環境作りやコミュニケーションの活性化も必要です。一人では会社を動かすことは難しくても、同じ危機意識を共有するグループができれば、組織を動かして危機を乗り越えることが期待できます。

客観的に状況を把握する

ビジネスを取り巻く環境は常に変化しており、今までの経験や業績をもとに遂行していると顧客ニーズなどを読み誤ってしまう可能性があります。
そのためには、経営者や従業員が現状を客観的に把握し、現状維持か、改善が必要かを判断することが重要です。
外部の業者や専門家に依頼し客観的に状況を見てもらうことも有効です。

変革ビジョンの設定

ゆでガエル状態から抜け出すために全員が努力し取り組むには、明確な変革ビジョンを設定することも重要です。明確な目標を持つことによってモチベーションが向上すればプラス思考にもつながります。従業員一人ひとりが成長意識を持ち視野も広くなることで、環境の変化にも気づきやすくなることも期待できます。

ゆでガエル理論の対策は?

企業のあり方をすぐに変化させることは容易ではないため、ゆでガエル状態に陥らないよう日頃から時間をかけて対策しておく必要があります。
そのためには、

  • 危機感を早期に捉え共有できる状況や関係性を構築する
  • 絶えず客観的に状況を把握する
  • 変革ビジョンを浸透させる

などの取り組みが大事です。

また、根本的な対策として、従業員一人ひとりがやりがいを持って仕事に取り組めるよう、自社の従業員の特徴や強みを把握し人員配置を行ったり、教育、社内制度を通じた支援を行ったりと、従業員が定着し活躍できる組織を作ることも大切です。

今回はゆでガエル理論について解説しました。エンワールドは、企業のグローバル人材に関する採用課題をあらゆる方面からサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。

 

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