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外資系企業や日系グローバル企業へ転職したいと考える人にとって、気になってくるのが日本企業との違いではないでしょうか。
この記事では、外資系企業や日系グローバル企業の中でも特にアメリカで働きたい人に向けて「残業はどのくらいあるのか」「休日はどのくらいあるのか」をはじめ、報酬や福利厚生についてご紹介します。
アメリカで働く場合の残業や休日はどれくらい?
アメリカで働く労働者は、どのくらい仕事をして、どのくらい休んでいるのでしょうか。日本人とアメリカ人の年間労働時間は大きく差があるといいます。それを残業時間や休日数にすると、どのくらいの違いがあるのでしょうか。
ここでは、アメリカで働く場合の労働時間についてご紹介します。
アメリカ人は残業しない?
「アメリカ人は残業をしない」という話を聞いたことがある方もいるかと思いますが、実際にはアメリカ人が全員残業をしないというわけではないようです。
会社や個人、もしくは担当する仕事によって変わるというのが、アメリカにおける残業の実態です。日本にある外資系企業でも残業が存在していることからも、アメリカ人にとって残業が特別ではないことが窺えます。
アメリカ人の給与体系は、ふたつに分けることができます。ひとつは、エグゼンプトと呼ばれる勤務者です。彼らは所定勤務時間などの規定が適用されないため、残業代が加算されません。もうひとつは、ノン・エグゼンプトと呼ばれる勤務者です。こちらは所定勤務時間などに時間管理の規定が適用され、残業代が加算・支給されます。
一般的にマネージャー以上の管理職、専門職が「エグゼンプト」となり、それ以外の一般職が「ノン・エグゼンプト」となります。
日本とアメリカの年間労働時間の違い
経済協力開発機構(OECD)の加盟国35カ国において、年間の労働時間(2020年調べ)が最も長い国はコロンビアで年間2,172時間、最も短い国はドイツで1,332時間となっています。
このデータにおける日本の年間労働時間は1,598時間です。一方アメリカの年間労働時間は1,767時間と、意外にも日本より長時間働いていることがわかります。
しかしOECDが調査した年間労働時間は、サービス残業といった公にできない数値が含まれていません。また、男性と女性の労働時間が混在しており、時短でパート・アルバイトをしている女性も含まれています。日本はパート・アルバイトで働く女性が多いため、労働時間の平均値を下げる要因となっている可能性があります。
☑アメリカでの勤務時間
厚生労働省の「諸外国の労働時間制度の概要」によると、アメリカでの勤務時間は1日あたり8時間、週5日勤務が一般的です。また、日本と同様、就業時間は8:00~17:00、9:00~18:00で、定時を越えての勤務は残業(Over Time)となり残業代が加算されます。
ただし、この働き方は一般職のノン・エグゼンプト(所定勤務時間などの時間管理の規定が適用される勤務者)のみとなります。マネージャー以上の管理職や専門職の方はエグゼンプト(時間管理の規定が適用されない勤務者)とみなされるため、残業代は加算されません。
☑フレキシブルな働き方もあり
日本でも最近重視されるようになったライフ・ワーク・バランスですが、アメリカではその取り組みがより進んでいます。
たとえば、日本では始業時間と終業時間が決められていたり、1週間のうち土曜と日曜が休みと決められていたりする会社がほとんどですが、アメリカではもっとフレキシブルに働ける会社も多く存在します。1日あたり8時間、1週間で40時間勤務さえしていれば、後は自由に時間設定ができるケースもあるのです。
日本と比べて休日は多い?
日本の祝日は年によって変わることがありますが、2019年は19日、振替休日を含むと22日あります。一方、アメリカの祝日は10日程度です。日本と比べるとかなり少ないといえるでしょう。
しかし、アメリカではそのほかにも「State Holidays」と呼ばれる、州ごとに設定されている休日や、「Floating Holiday」と呼ばれる、従業員自らが休む日を会社にリクエストする休日が存在します。
年俸と福利厚生
アメリカでの給与体系は、月給制ではなく年俸制が一般的です。といっても、1年に1回、まとめて給料が振り込まれるというわけではありません。年俸を12等分したものが月給となり、月ごとに受け取ることができます。また、受け取り方も、月に1回か2週間に1回のどちらかを選択することが可能なところもあります。
ボーナスはありませんが、業績によってインセンティブが支給される企業もあります。ただし、業績が悪い年はインセンティブが支給されない場合もあるので注意が必要でしょう。
住宅手当や通勤交通費などの支給はないのが一般的です。福利厚生の中身は、健康保険や年金(401K:企業型確定拠出年金)、有給休暇などになります。病欠休暇を与える企業もあるようです。
アメリカの有給休暇
実はアメリカは、年次有給休暇を取得する権利が法律で保障されていない唯一の国です。しかし法律で決まっていなくとも、福利厚生のひとつとして有給休暇を採用している企業は多いので安心してください。
アメリカの有給休暇は、主に2種類あります。バケーション休暇と病欠休暇です。バケーション休暇が人気な時期は、一番長く休みが取れる6~8月の間です。日本人をはじめ、アジア各国出身者は、自国への帰省にバケーション休暇を使う方が多いようです。
有給休暇の取得率は
ただし、アメリカと言えども有給休暇がすべて使えるとは限りません。日本と同様に、たとえ有給休暇を付与されていても、消化できないケースもあるので気をつけましょう。
実際、アメリカの有給休暇取得率は平均して70%前後となっており、約3割は消化されていないことが窺えます。しかし、厚生労働省の最新(2020年)の調査によれば、日本の有給休暇取得率は56.6%となっておりますので、日本に比べると取得率は高いといえるでしょう。
アメリカでの働き方を検証
グローバルに事業を展開している企業が多いアメリカでは、多くの場合、多様性を尊重する働き方が必要とされます。そんな、アメリカでの働き方は日本と比べるとどのような違いがあるのかを説明します。
自分のペースで働いている
人種のサラダボウルと呼ばれるアメリカでは、多様性を認める文化が働き方にも影響しています。
個々の職務分掌が曖昧なケースも多く、結果として幅広い業務を担当することもある日本人は、周囲でサポートしあいながら仕事を進める傾向にあります。
一方、アメリカは個々の仕事内容が明確に定められており、自分の仕事だけに集中して結果を出すことが求められます。そのため、結果さえ出せば定時に帰ったり長期に休んだりしても問題ありません。
役割と責任範囲が明確に決められている
アメリカでは、個々に明確な役割と責任範囲を与えられ、その中で結果を出すように求められます。このような働き方はジョブ・ディスクリプション制と呼ばれています。2020年の調査によると、アメリカの労働生産性は世界3位を誇っています。その要因の一端は、このジョブ・ディスクリプション制にあるともいわれています。
ジョブ・ディスクリプションとは、労働者が通常業務を遂行する上で職務の目的や内容を詳細に記載する書類のことです。
ジョブ・ディスクリプションを利用すれば、欲しい人材の条件が明確になるため、適切な人材を確実に採用することができますし、結果として生産性の向上が図れるとされています。 また、職務範囲が明確化されていることにより自分の仕事に集中できるため、生産性向上に繋がるでしょう。また、定時に帰りやすく、長期休暇をとりやすいというメリットもあるようです。
以上から、お互いにサポートしあう日本的な働き方に慣れている方は、気をつける必要があるでしょう。日本で働いていたときのように、気軽に同僚に仕事を依頼しても、文書に書かれていない場合「それは私の仕事ではありません」と断られてしまう可能性があるからです。
ライフスタイルを大切にする
アメリカの企業は日本企業に比べ、ライフ・ワーク・バランスをより尊重している傾向にあります。そのため、通常どおり出社して定時で帰ろうと、早く出社してその分早く帰ろうと、個人のライフスタイルに合わせた働き方を自由に選択できる企業が多いようです。
また、バケーション休暇として長期休暇を取得できる文化も、日本と大きく違う部分といえるでしょう。
しかしながら、会社によって上記に当てはまらない場合もあります。応募の際には、ライフスタイルを重要視する社風であるかをしっかりと確認するようにしましょう。
まとめ
アメリカの企業と日本の企業では、残業や有給休暇などの働き方が大きく異なるケースが多いようです。よって、ライフスタイルを尊重した働き方をしたいなら、アメリカ企業を転職先候補にしてみてはいかがでしょうか。
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