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経営者として成功するには、ただビジネスの知識や経験を持っているだけでは不十分です。決断力や先見性、そしてその他の多くのスキルをバランスよく身につける必要があります。
この記事では、経営者に必要な10のスキルを紹介し、それらを効率的に習得・向上させる方法を詳しく解説します。経営者を目指す方はもちろん、すでに経営の現場で活躍している方も、ぜひ参考にしてください。
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経営者がすべきこととは
まずは、経営者がすべき3つのことについて解説します。
活動方針の明確化
経営者が最初に取り組むべきことの一つは、活動方針、すなわち「パーパス」を明確にすることです。
パーパスとは、経営者が持つ信念や思想に基づいた指針であり、企業の存在意義そのものを示します。パーパスを定めることで、経営者は次のような利点を得られます。
- 意思決定の迅速化
- 従業員のエンゲージメントやモチベーションの向上
- ステークホルダーの支持獲得
- イノベーションが生まれやすい環境の創出
パーパスは、一度設定したら基本的に変更することはありません。そのため、経営者は十分な検討を重ねたうえでの決断が求められます。
事業計画の立案
次に、経営者としての重要な役割の一つに、事業計画の立案があります。数年先を見据えたビジネスの展開を計画し、具体的な目標を設定することが肝要です。
事業計画を立案する際は、以下の3点に考慮する必要があります。
- 年ごとの目標
- 売上、経費、利益などの数値目標
- 顧客からの評価など数値化できない目標
例えば、3年後にIT関連の事業を3つ展開することを目標に掲げるとします。この場合、1年目には1つ目の事業を、2年目には2つ目の事業を開始するなど、逆算して計画を立てることが効果的です。
経営における資源の有効化
経営者としてのもう一つの重要な役割は、経営の成功に不可欠な「ヒト・モノ・カネ」といった資源の有効活用です。
「ヒト」は人材を指し、経営資源の中で最も重要とされています。商品やサービスを提供し、利益を生み出すために人材は不可欠です。
「モノ」は、設備や製品を意味します。人材がこれらのモノを活用して生産し、販売することで利益を得ます。また、業務を遂行するために必要なデバイスや機器も含まれます。
「カネ」は、経営資金を指し、事業の運営や拡大に必要不可欠な要素です。金融機関からの融資やクラウドファンディングなど、適切な資金調達方法を選ぶことが重要です。
さらに近年では「ヒト・モノ・カネ」に加え、情報・時間・知的財産も経営資源として認識されています。
特に、技術や顧客情報は企業の成功に直結する重要な要素です。また、時間や知的財産も、成長と競争優位性に大きく影響を与えるものです。
経営者に必要な10のスキル
経営者として成功を収めるためには、次に挙げる10のスキルを身につけることが重要です。
ビジョン構築力
経営者は従業員とは違い、指示を受けて動く存在ではありません。企業の行くべき方向性を定め、自らの手でビジョンを描き出し、実現するために必要な手段を見出す力が求められます。
このスキルこそが、経営者にとって最も重要なものの一つです。また、ビジョンを従業員に伝え、理解させる能力も必要不可欠です。
先見性
時代の流れを読み取る力、いわゆる先見性は、優れた経営者やリーダーに不可欠な要素です。特に現代は、技術革新やITの進展、働き方改革、そして不安定な世界情勢といった、これまでにない激動の時代です。
こうした変化の中で企業を維持し、成長させるためには、先を読む力が必要になります。短期的な視野だけでなく、数十年先の未来を見据え、変化に対応しながら先手を打つことで、企業は持続的な発展を遂げられます。
論理的思考
現代のビジネス環境において、論理的思考(ロジカルシンキング)は経営者だけでなく、すべてのビジネスパーソンにとって重要なスキルです。グローバル化が進む中、競争が激化し、複雑な変数が絡み合う市場環境を冷静に分析し、理論的に整理して結論を導く力が求められます。
特に経営者にとっては、自社が置かれている状況をさまざまな角度から分析し、最適な判断を下すことが必要です。そのため、経営者には高度な論理的思考が不可欠といえます。
高いレベルのヒューマンスキル
人の上に立つ立場にある経営者には、高度なヒューマンスキルも求められます。ヒューマンスキルとは、ビジネス上の対人関係を良好に保つために必要な以下の能力です。
- コミュニケーション能力
- ヒアリング力
- 交渉力
- リーダーシップ
- コーチング力
- ファシリテーション力
これらのスキルがあれば、社内外を問わず良好な関係を築き、自社の発展に寄与できます。
俯瞰的な視点
経営者には、常に広い視野を持ち、企業全体を俯瞰する力が求められます。従業員が自分の役割に集中するのに対し、経営者は企業全体を大きな視点で捉えなければなりません。
広い視野を持つことで、従業員には見えない問題や課題が浮かび上がることがあり、適切な解決策を見出せます。
決断力
経営者には迅速かつ的確な決断力も求められます。方針が決まらなければ、従業員は行動を起こすことができません。迅速な決断には、論理的思考や先見性、そして広い視野が必要です。
また、グローバル化が進む現代においては、迅速な意思決定が競争力を維持するために不可欠であり、特に外資系企業や日系グローバル企業ではその傾向が顕著です。スピード感のある意思決定こそが、経営者として生き残ることにつながるといえます。
変化への対応力
現代社会では、ITの進展やグローバル化、働き方改革の推進など、ビジネス環境が劇的に変化しています。そのため、企業が安定した運営を続け、持続可能な成長を実現するには、変化を予測し、積極的に対応していくことが重要です。
変化に対する対応力には、主に「未来を見通す力」と「自己変革能力」の2つが求められます。
未来を見通す力とは、将来に起こりうる変化を予測し、前もって行動する能力です。積極的に情報を集め、常に将来を見据えて行動し、変化に備えることが重要です。
自己変革能力とは、過去の成功体験や現在の手法に固執することなく、時代の変化に合わせて柔軟に自らを変革できる力を指します。
知識・教養力
経営者になるためには、以下に関する知識が不可欠です。
- 経営戦略の知識:企業が進むべき方向性を定め、目標を達成するための計画を立案するうえで必要な知識
- 会計の知識:企業の財務状態を正確に把握し、健全な経営を維持するために必要な知識
- 組織・人材マネジメントの知識:従業員の能力を最大限に引き出し、組織全体を目標に向けて効果的にまとめるために必要な知識
- マーケティングの知識:顧客のニーズを正確に把握し、商品やサービスを効果的に訴求するために必要な知識
- 法律の知識:法令遵守を徹底し、企業を守るための基盤として必要な知識
企業の規模によっては、各分野に特化した専門家が配置されている場合もあります。しかし、経営者自らがこれらの知識を持つことで、単なる名ばかりの存在ではなく、実際に企業運営において積極的な影響力を発揮できるといえます。
また、経営者には幅広い教養を持つことも求められます。例えば、歴史や文学、芸術といった分野への理解は、経営判断をより深め、信頼性を高める要素となります。
専門的な技術・知見
経営者は組織全体を理解する立場にあるため、現場で必要とされる技術や知識を積極的に学び続けることが重要です。現場を理解することにより、より正確な経営判断が可能となり、従業員との信頼関係も築きやすくなります。
経営に関する知識がどれだけ豊富であっても、現場への理解が欠けていると問題の発見や適切な意思決定が難しくなり、従業員からの信頼も得にくくなるといえます。
前向きなマインド
前向きな姿勢は、経営者にとって欠かせない資質の一つであり、キャリアを通じて培っていくべきものです。
経営者は、企業経営において数々の困難に直面します。前向きな姿勢を持つことで、どんな逆境も楽観的に捉え、問題を乗り越えていく力を発揮できます。
経営者に適したスキルアップの方法10選

ここでは、経営者に求められるスキルを磨くうえで実践したい、10の方法を紹介します。
コミュニケーションを大切にする
経営者に必要な「ヒューマンスキル」の中心に位置するのがコミュニケーション能力です。ヒューマンスキルがなければ、ヒアリングやコーチング、ファシリテーションも十分に機能しません。
そのため、日常的に従業員とのコミュニケーションを図るために、従業員食堂で食事をともにする経営者もいます。どのような方法であれ、相手の立場に立って尊重しながら意思疎通を図ることが大切です。
継続的な自己変革を意識する
現代のビジネス環境は急速に変化しており、経営者自身もその変化に対応し進化する必要があります。
企業がさらなる成長を遂げるためには、まずは経営者が現代のビジネス環境に適応し、絶え間なく変わり続けることが求められます。
過去の成功体験に固執しない
成功体験は重要ですが、固執することは企業の成長を阻害する可能性があります。大きな成功を収めたとしても、頼り続けるのではなく、変化に対応する姿勢を持つことが重要です。
過去の成功から学び、一度手放すことが、新たな成功への道を開くきっかけになります。
変化に敏感になる
これからの時代、成功する経営者としてビジネス世界で生き抜くためには、あらゆる変化に敏感になることが非常に重要です。
加えて、変化に敏感になり対応していくためには先見性も必要ですが、それ以上に多岐に渡る情報を集めることも重要になります。そうすることによって、業界を取り巻く環境や人々の生活様式の変化を感じ取り、時代が求めるものやサービスが見えてくるといえます。
周囲を納得させるテクニカルスキルを身につける
テクニカルスキルとは、特定分野での職務遂行に必要な専門知識や技術を指します。経営層に進むにつれてその必要性は減ることもありますが、経営者にとっても依然として重要な要素です。なぜなら、最低限のテクニカルスキルがなければ、現場の問題を正確に把握し、適切な対応を指示することは難しくなるからです。
また、経営者が現場のトラブルに直接対応できる能力を持っていれば、従業員からの信頼が高まり、強力なリーダーシップを発揮できます。
質の高いインプットと行動力を意識する
経営者が常に成長し続けるためには、優れた情報を取り入れ、実際の行動に移すことが重要になります。
まず、質の高いインプットを得ることが必要不可欠です。例えば、読書を通じて自分が強化したいスキルや知識に合わせた本を選ぶことがポイントです。
学んだことを実践に活かす行動力も、重要な要素です。新しい事業や社内プロジェクトに積極的に取り組むことで、経験を積み、実践的なスキルを磨けます。社内の制度改善やBCP(事業継続計画)の策定も、成功につながる要素の一つです。
経営者の先輩から学ぶ
経験豊富な先輩経営者との交流は、難局を乗り越えるための貴重な学びの場です。自身では気付きにくい盲点を指摘してもらうことで、新たな発見があります。
例えば、地元の商工会や経営者団体に参加し、先輩経営者とのつながりを広げるとよいでしょう。積極的に地域のコミュニティに属して互いに刺激し合い、成長する関係を築くことをおすすめします。
日頃から意思決定を行う癖をつける
日々の業務で意思決定を積み重ねることは、経営者の発想力や決断力を養うために不可欠です。
経営者が行う決断は、企業の成長や成功に大きな影響を与えます。そのため、業界の動向や競合他社の動きを的確に把握し、自社の製品・サービスの状況を踏まえた判断を行うことが求められます。
感情のコントロールを身につける
感情を適切にコントロールすることは、経営者としての成長だけでなく、従業員が働きやすい職場環境を築くためにも重要です。
経営者がネガティブな感情を露わにすると、社内の雰囲気が悪化し、従業員が萎縮してしまいます。これが続くと、コミュニケーション不足を招き、従業員のパフォーマンス低下や離職率の増加につながる恐れがあります。
ポジティブな姿勢を保つことで悪循環を断ち切り、従業員が安心して働ける職場環境を作り上げましょう。
プライベートの交友関係を広げる
仕事外でも多様なコミュニティに参加することで、経営者は幅広い視野を身につけられ、ビジネスに役立つ新しい視点を得られるようになります。
仕事の関係者だけに依存していると、得られる情報が限られる可能性があります。ビジネスとは関係のない外部のコミュニティに関わることで、新たなアイデアや視点を得るきっかけとなります。
まとめ
経営者に必要とされるスキルは多岐にわたりますが、適切な方法でこれらのスキルを磨くことにより、企業の発展と成功に大きな影響を与えられます。
ビジネススキルはもちろん、ヒューマンスキルや決断力、変化への柔軟な対応力も含め、さまざまな能力をバランス良く高めることが大切です。スキルの向上は一夜にして成し遂げられるものではありませんが、持続的な努力によって、成果が確実に現れるようになります。
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