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「バイリンガル」という言葉を聞いたことはあるけれど、具体的にどのような人を指すのか、よくわからないという方もいるかもしれません。
そのような方のために、今回はバイリンガルについて網羅的にまとめました。バイリンガルになることのメリットや、バイリンガルに近づくための方法についてご紹介します。
バイリンガルの定義と種類
ここでは、バイリンガルという言葉の意味、バイリンガルとマルチリンガルの違い、そしてバイリンガルの種類について説明します。
バイリンガルの言葉の意味
バイリンガルとは、2つの異なる言語を流暢に話し、読み書きを行える人のことです。バイリンガルは、幼少期の環境で複数の言語を自然に習得するイメージが強いですが、大人になってからの学習を通して複数の言語を操るスキルを身につけることも可能です。
また、バイリンガルは言語をどの程度流暢に話せるか、どのくらいの頻度で使用するかといった明確な定義はありません。言語の習熟度によって言葉を使い分けることはなく、あくまで複数の言語を使える人全般を指します。
バイリンガルとマルチリンガルの違い
バイリンガルとマルチリンガルの違いは、使いこなせる言語の数にあります。
バイリンガルとは、2つの異なる言語を流暢に使いこなせる人のことを指します。一方でマルチリンガルは、3つ以上の言語を流暢に使える人のことを言います。
バイリンガルの種類
バイリンガルの種類には主に2つあり、「同時性バイリンガル」と「後続性バイリンガル」に分けられます。
同時性バイリンガル
幼少期から2つの言語を同時に習得したバイリンガルを同時性バイリンガルと呼ばれます。同時性バイリンガルは、特定の家庭環境や居住する地域の影響を受けて自然に身につくことが多いです。
父親が主に日本語を話し、母親が主に英語で話す家庭で育った場合、子供は自然と両言語に触れる機会が増え、日本語と英語の両言語を理解できるバイリンガルになることが多いです。このような形で2つの言語を身につけた人は同時性バイリンガルと呼ばれます。
後続性バイリンガル
母語を習得した後に第2言語を学び始め、言語を習得した人を後続性バイリンガルと言います。
後続性バイリンガルは、学校の授業や特定の仕事で新しい言語を学ぶことが一般的です。幼少期に学習をしていないため、第2言語が流暢でない場合が多いですが、後続性バイリンガルは、第1言語と比べて第2言語が流暢に話すことに挑戦するケースが多いです。しかし継続的な学習により、流暢さが改善される可能性が高まります。要するに、バイリンガルは後天的に身につけられるスキルであるということです。
バイリンガルを目指すメリット
ここからはバイリンガルを目指すメリットについて解説します。メリットは多岐にわたりますが、今回は仕事やキャリアに関係する内容を中心にご紹介します。
海外で活躍できる人材になれる
バイリンガルを目指すことで、国や文化を超えて世界規模での活躍を目指せます。言語の壁を越えて複数の国の人々と円滑にコミュニケーションを取る能力は、グローバル化が進む社会において重宝される可能性が高いためです。複数の言語を使いこなすことができるスキルがあれば、グローバル企業や国際的なプロジェクトでの活躍が期待されます。
さらに、語学力を活かすことで海外での駐在やグローバル企業への転職などのチャンスを得やすくなります。多くの企業は、異文化コミュニケーション能力を備えた人材を高く評価しているため、同じ職種であっても、異なる文化圏で成果を上げることができれば、結果としてキャリアアップや給与の向上につながる可能性があります。
日本以外の文化圏に詳しくなれる
第2言語を習得することで、現地の言語を話す人々との交流の機会が増え、多様な価値観や風習に触れる機会も増える可能性が高まります。こうした交流を通じて、その国の文化について深く理解できるようになるでしょう。
異文化交流は、自分自身に新たな気付きや価値観をもたらすとも言われています。異なる背景を持つ人々の文化や行動への理解を通して、多様な考え方が身に付くでしょう。
キャリアの幅が広がる
バイリンガルになることにより、携わる仕事の選択肢が大きく広がる可能性が高まります。バイリンガルだからこそ活躍できる分野が数多くあります。具体的には、翻訳や通訳、外資系企業での業務、さらには貿易関連の仕事などが挙げられます。
つまり、バイリンガルを目指すことで、キャリアパスの多様化につなげられるのです。
また、異なる文化や言語への理解を深めることで、国際的なビジネス環境でも活躍できる人材として、他の候補者との差別化が図れるでしょう。
年収アップが期待できる
バイリンガルの平均年収は、一般的な会社員の平均年収より高い傾向にあります。国によっては複数の言語を使える人材が少ないため、採用市場での価値が高まるからです。海外進出を目指す企業の増加やインバウンドの拡大といった背景が、バイリンガルの価値をさらに高めています。
例えば、英語力が高いほど年収が上昇しやすい傾向があります。日常会話レベルを超え、ビジネス会話レベルの英語力を身につけることで、より高く評価されやすくなります。同じバイリンガルでも、言語スキルが高ければ高いほど多くの企業が求める貴重なスキルとして評価され、結果として高収入のキャリアにつながりやすくなります。
社会人からバイリンガルになるための方法
仕事を始めてからバイリンガルを目指すことは十分に可能です。社会に出てからの言語学習は、幼少期に比べて習得が早い場合もあります。
これは社会人の場合、「仕事に活かしたい」などの具体的な目標があることで高いモチベーションで学習に取り組むことができるからです。
バイリンガルを目指すための具体的な方法はいくつかの具体的な方法があります。英語学習の場合、代表的なのは英会話教室に通うことです。教室に直接足を運ぶ形式のほか、最近ではオンライン学習の形式で授業に参加できる英会話教室もあります。
自主学習は本や参考書を活用するだけでなく、アプリケーションや動画サイトを利用する方法もあります。
より実践的な言語スキルを習得することを目指す場合、海外旅行を通じて現地の言語に直接触れることがおすすめです。あるいは日本で開催される異文化交流イベントに参加するのも良いでしょう。単なる言語学習に留まらず、他国の文化や背景を学ぶ機会を取り入れるのをおすすめします。
社会人からバイリンガルになった成功事例
ここからは、バイリンガルになってキャリアアップに成功したある人の事例をご紹介します。
営業部のAさんは、入社5年目の時、海外企業との大規模なプロジェクトのプレゼンを任されました。日常的に英語を使用する機会がなかったAさんでしたが、クライアントとのコミュニケーションを円滑に行いたく、独自に英語学習を始めることにしました。
Aさんはオンライン英会話や英語学習アプリを駆使して英語学習を始めました。 毎日少しずつでも英語に触れる時間を作り、英語で書かれた記事を読んだり、英語の動画を見る習慣を続けました。
プロジェクトを進める中で、ある日Aさんは上司からプレゼンを依頼されます。日頃のコミュニケーションを評価されての抜擢でした。
日々の英語学習が生きて、プレゼンを見事に成功させました。クライアントから高い評価を得ました。
プロジェクトが無事終了した後、Aさんはその実績が評価されて海外事業部への異動を打診されました。
この事例から、社会人になってからでもバイリンガルを目指せるということです。自分に適した学習法を見つけて着実に継続することで、言語スキルは確実に向上するでしょう。
バイリンガルを目指してキャリアの幅を広げよう
ビジネスの場で異なる言語を扱える人材は非常に価値が高いとされています。グローバルな市場での交渉やコミュニケーションの円滑化に貢献できる言語スキルは、多文化環境での業務を遂行するための強力な武器となります。
現在、多くの企業は世界中で国境を越えて事業を展開しています。そのため、複数の言語を駆使できるバイリンガル人材は、多くの企業で重宝されるでしょう。
もしキャリアの幅を広げたいとお考えの場合、ぜひ言語学習に挑戦してみてください。日常生活の中で使う機会を増やし、学習を継続することによって、必ず成果を実感できることでしょう。言語習得は決して容易ではありませんが、その努力は将来的なキャリアの選択肢を広げ、より充実した人生を送るための自己実現を支える重要な要素となるでしょう。