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プロフェッショナルエンジニア(PE)は、エンジニアとして高い技術力を保有していることを証明できる国際的な資格です。有資格者は各国で高く評価されており、グローバルに活躍したいエンジニアのキャリア構築に非常に役立つ資格といえるでしょう。
ただし、プロフェッショナルエンジニア(PE)を取得するには高度な知識と語学力が求められるため、合格を目指すには入念な下準備が必要です。
本記事では、プロフェッショナルエンジニア(PE)の難易度や最新の試験概要について詳しく解説します。プロフェッショナルエンジニア(PE)の資格取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
プロフェッショナルエンジニア(PE)とは
まずは、プロフェッショナルエンジニア(PE)の基本知識について理解を深めていきましょう。
プロフェッショナルエンジニア(PE)の概要
プロフェッショナルエンジニア(PE:Professional Engineer)とは「公共の安全・健康・福祉に奉仕する」ことを目的に、アメリカ各州が設けているエンジニアの公的資格です。
エンジニアの能力を客観的に評価するために、各州が共通してNCEES(全米試験協議会)が実施する試験を採用しています。
プロフェッショナルエンジニア(PE)の有資格者は、エンジニアのなかでも重責な仕事を任されることが頻繁にあります。アメリカにおいては、以下に挙げるような業務はプロフェッショナルエンジニア(PE)の資格を持っていなければ携わることができません。
- 建築物や公共事業の図面・仕様書作成
- 自治体や企業のコンサルティング
- 公共工事の監督
- 法定での鑑定証言
日本においては、内閣府認定の特定非営利活動法人JPEC(日本PE・FE試験協議会)がプロフェッショナルエンジニア(PE)試験を行っています。
プロフェッショナルエンジニア(PE)取得者の主な就職先・キャリアパス
プロフェッショナルエンジニア(PE)の資格が活かせる主な就職先には、次のようなものがあります。
- プラントエンジニアリング企業
- 重機械工業企業
- 原子力関係の電機企業
- ゼネコン
- 鉄鋼メーカー
- 化学メーカー
- 機械メーカー
- 研究所
また、プロフェッショナルエンジニア(PE)の有資格者は、企業内でもマネジメントや経営などに関わる重要なポジションに就くことが多いのも特徴です。
企業で一定期間経験を積んだあとは独立の道を選ぶエンジニアも多く、資格を取得することでさらなるキャリアアップを目指せるでしょう。
プロフェッショナルエンジニア(PE)を取得するメリット
プロフェッショナルエンジニア(PE)を取得するメリットは、以下のとおりです。
国際エンジニアとして活躍できる
世界的にも高い認知度を誇るプロフェッショナルエンジニア(PE)は、取得することでグローバルに活躍できるエンジニアであることを客観的に証明できます。
アメリカ各州やヨーロッパにおいてはプロフェッショナルエンジニア(PE)の有資格者を高く評価する傾向が強く、なかでもアメリカにおいてはプロフェッショナルエンジニア(PE)を業務独占資格として位置付けられています。
語学力の高さをアピールできる
プロフェッショナルエンジニア(PE)試験は、受験場所を問わず一律英語で実施されるため、資格を取得することで自身の英語力の高さを周囲にアピールできます。
エンジニアならではの専門性の高い英語が用いられることも多く、一定の語学力だけでなく、専門性の高い英語の知識を保有していることも証明できるでしょう。
就職・転職で有利に働く可能性がある
海外のみならず、日本においてもプロフェッショナルエンジニア(PE)は高く評価される資格です。エンジニアとして高い資質を備えていることを示せるため、資格取得後は効率的なキャリアアップが目指せます。
特に就職・転職活動時には、有資格者であることが周囲との大きな差別化につながります。プロフェッショナルエンジニア(PE)の有資格者の割合は決して多くないので、資格を取得することで自身の市場価値が高まり、転職先の選択肢も広がるでしょう。
プロフェッショナルエンジニア(PE)試験の難易度
日本国内で行われるプロフェッショナルエンジニア(PE)試験は、FE試験とPE試験の2段階構成で実施されています。
- FE試験:一次試験
- PE試験:二次試験
これを踏まえたうえで、ここからはプロフェッショナルエンジニア(PE)試験の難易度について詳しく見ていきましょう。
難易度はFE試験・PE試験で異なる
プロフェッショナルエンジニア(PE)試験の難易度は、FE試験とPE試験で異なります。以下の表では、近年のFE試験・PE試験の受験者数、合格者数、合格率をまとめました。
【FE試験】
実施年 | 2023年 | 2022年 | 2021年 |
受験者数 | 94人 | 110人 | 121人 |
合格者数 | 66人 | 78人 | 84人 |
合格率 | 70.2% | 70.9% | 69.4% |
【PE試験】
実施年 | 2023年10月 | 2022年10月 | 2021年10月 |
受験者数 | 68人 | 63人 | 41人 |
合格者数 | 40人 | 42人 | 28人 |
合格率 | 58.8% | 66.7% | 68.3% |
参照:内閣府認証特定非営利活動法人 日本PE・FE試験協議会( JPEC )|過去の試験データ
表を見ると、FE試験の合格率は70%前後、PE試験の合格率は60%前後であり、FE試験よりもPE試験の方が難易度が高いことが分かります。
FE試験はエンジニアとしての基礎知識が試される問題が出題されるため、難易度そのものはそこまで高くないといえますが、問題数が多くスピーディーな解答が求められます。
一方、PE試験はより専門的な知識や実践的な問題解決能力が問われるため、合格するには相応の努力が必要です。
3〜6ヵ月程度の勉強時間が必要
FE試験とPE試験の両方に合格するには、最低でも3~6ヵ月程度の勉強時間が必要だといわれています。
合格者の多くは「週に最低10時間」「毎日必ず3時間」など、単発的に学ぶのではなく、日々継続的に勉強時間を確保することで資格を取得している場合がほとんどです。
働きながら資格取得を目指す方にとって、業務時間以外でまとまった勉強時間を確保するのは容易なことではないかもしれません。しかし、プロフェッショナルエンジニア(PE)を取得するには一定の覚悟が必要なので、計画的に勉強を進めるよう心がけましょう。

プロフェッショナルエンジニア(PE)|試験の詳細
ここからは、プロフェッショナルエンジニア(PE)試験の詳細について解説します。
アメリカ・日本どちらでも受験できる
プロフェッショナルエンジニア(PE)試験は日本でも実施されており、アメリカと日本どちらでも受験可能です。
ただし、上述したように日本で受験する場合も試験は英語で実施されるため、合格を目指すにはエンジニアの知識だけでなく一定の語学力を身につける必要もあります。
受験の流れは日本とアメリカで異なる
プロフェッショナルエンジニア(PE)試験の受験の流れは、日本とアメリカで異なります。詳細については、以下のとおりです。
【日本】
- 受験資格確認
- 願書を提出
- FE試験を受験
- PE試験を受験
- 合格後、アメリカのいずれかの州を選んでライセンス登録
【アメリカ】
- 各州資格登録局に受験申請
- FE試験を受験
- PE試験を受験
- 合格後、4年以上の実務経験を積む
- 州登録法のアンケートに回答し、登録証を発行する
いずれも詳しい内容は日本PE・FE試験協議会( JPEC )の公式サイトに記載があるので、ぜひそちらも参考にしてください。
参照:内閣府認証特定非営利活動法人 日本PE・FE試験協議会( JPEC )|取得の流れ
日本で受験する場合の試験概要
以下の表では、プロフェッショナルエンジニア(PE)試験を日本で受験する際の試験概要についてまとめました。これから受験を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
項目 | FE試験(一次試験) | PE試験(二次試験) |
実施時期 | 年間を通して任意の日 |
試験科目のうち5科目は年間を通して任意の日、他の科目は指定日のみ |
受験資格 |
|
|
試験形式 | CBT方式 | CBT方式 |
受験料 |
(※支払手数料は自己負担) |
(※一律で上記2項目の支払いが必要) |
試験地 | Pearson VUE テストセンター(東京、大阪) | Pearson VUE テストセンター(東京、大阪) |
参照:日本PE・FE試験協議会(JPEC)全米試験協議会(NCEES)|2025年FE試験(PE一次試験)受験要領
参照:日本PE・FE試験協議会(JPEC)全米試験協議会(NCEES)|2025年PE試験受験要領

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プロフェッショナルエンジニア(PE)は、エンジニアとしての高度な知識と技術を保有していることを客観的に証明できる公的資格です。
日本のみならず、国際的にも高く評価されている資格なので、取得すればグローバルに活躍できるエンジニアとして更なるキャリアアップを目指せるでしょう。ただし、プロフェッショナルエンジニア(PE)の取得難易度は比較的高いため、合格するには相応の覚悟が必要です。
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エンワールド編集部
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