現在、税務関係の仕事をしており、キャリアアップのために米国税理士の資格取得を検討している人もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、米国税理士の資格取得を検討している人向けに、米国税理士の資格・試験内容・勉強方法などを紹介します。米国税理士について理解し、資格取得を検討しキャリアアップを目指す際に役立てて下さい。
米国税理士とは
まずはじめに、米国税理士の仕事内容や活躍できる分野、日本の税理士・米国公認会計士との違いについて解説します。
仕事の内容と活躍できる分野
米国税理士とは、英語でEnrolled Agent(EA)と呼ばれ、アメリカ合衆国内国歳入庁(IRS)実施の国家試験に合格し、国家資格を取得した人を指します。この資格を取得することにより、アメリカ本国への税務の申告業務が行えるようになります。
日本では給与収入などは源泉徴収されますが、アメリカでは個人で申告を行う必要があるため、税理士の需要が日本より高いといってよいでしょう。
また、アメリカ国籍を持つ人は海外に住んでいたとしてもアメリカに税務申告の義務があります。そのため、米国税理士の資格があれば、日本の監査法人などで在日アメリカ人の税務業務に携わったり、アメリカで税理士として開業したりするだけでなく、世界中のさまざまな国で幅広く活躍することが期待できるでしょう。
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日本の税理士との違い
米国税理士は、グローバルな活躍が期待されるアメリカの国家資格です。また、日本の税理士試験の合格率が10〜20%で推移しているのに対し、米国税理士の方は60〜70%で推移しています。単純比較はできませんが、数値を見る限りでは、日本の税理士よりも米国税理士の方が難易度は低いと言ってよいでしょう。
加えて、日本の税理士試験には学歴や職歴などの条件がありますが、米国税理士は18歳以上なら誰でも受験することができます。
米国公認会計士との違い
米国税理士と米国公認会計士との違いは、試験をどこが運営しているかという点にあります。米国税理士は、アメリカ合衆国内国歳入庁(IRS)が認定する国家試験のため、合格すればアメリカ全土で業務を行えます。これに対して、米国公認会計士は、アメリカの各州が認定する試験のため、合格した州でしか業務を行えないという点が異なります。
米国税理士になるメリット
ここでは、米国税理士になるメリットを解説します。
☑ 在日アメリカ人の税務業務ができる
前述のとおり、仕事の関係などで日本に住むアメリカ人は、アメリカに対して税務申告を行う必要があります。
そのため、日本の税理士事務所・監査法人・日本に進出しているアメリカ企業などでも、米国税理士は有用な資格と言えるでしょう。
☑ 英語力を証明できる
米国税理士試験は英語で受験するため、税務業務についての知識を英語で理解していること、つまり一定の英語力があることが証明できるでしょう。さらに、英語を使っての実務経験があれば、読む・聞く・書く・話す、すべての英語力が高いレベルにあることの証明となるでしょう。
☑ アメリカ全土で働ける
米国税理士はアメリカの国家資格のため、合格すればアメリカ全土で働くことができます。この点が、試験に合格した州でしか働けない米国公認会計士との違いとなるでしょう。
ある程度の英語力があり、アメリカで働きたい場合、米国税理士の資格を取得することをおすすめします。
☑ 外資系企業への転職時に強みとなる
米国税理士はグローバルな国際資格であり、国際的な税務知識・英語力などのスキルがあることを証明できる資格であるため、外資系企業の経理部門などへの転職の際には強みのひとつとしてアピールできるでしょう。
また、米国税理士は、まだあまり知られていない資格のため持っている人も少なく、他の志望者との差別化もできるでしょう。
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米国税理士試験の概要
繰り返しになりますが、米国税理士試験は、アメリカ合衆国内国歳入庁(IRS)が主催・実施する国家試験です。ここでは、その概要を解説します。
試験の難易度
前述の通り、その合格率の差から、米国税理士試験の難易度は日本の税理士試験より低いと考えてよいでしょう。出題される問題も四肢択一であるため、よりハードルも低く感じられるかもしれません。
試験点数は非公開で、合否は偏差値で判断されます。試験後に試験の難易度によって、合格ラインの偏差値が決定されます。ただし、試験は英語で行われるため、あくまで目安でありますが、TOEIC600点程度の英語力が必要だとされています。
受験資格
米国税理士試験の受験資格は、次のようになっています。
- 国籍や学歴などの制限なし
- 18歳以上なら誰でも受験可能
- 受験時にはパスポートが必要
日本人でも受験でき、アメリカに行かなくとも東京で受験できます。
試験内容
試験内容の詳細について解説します。
試験科目
米国税理士試験は、次の全3科目です。
- PartⅠ:Individuals(個人の税務申告全般:連邦個人所得税法など)
- PartⅡ:Businesses(法人の税務申告全般:事業関連の連邦税法、パートナーシップなど)
- PartⅢ:Representation, Practice and Procedures(代理業務・諸手続など)
試験時間
各科目の試験時間は3.5時間で、コンピュータ試験のため合格したかどうかはその場でわかります。
試験方式
1科目につき四肢択一問題が100問出題され、記述式はありません。
試験期間
年4回受験できますが、3〜4月は試験がありません。
科目合格制
科目合格制を採用しており、1科目ごとに受験可能です。科目ごとに2年間の有効期限が設定されているため、2年以内に全科目を合格する必要があります。
必要な英語力
米国税理士試験の受験に必要な英語力は、あくまで目安ではありますがTOEIC600点程度といわれています。高校レベルの基本的な単語力・文法力・聞き取れる能力が必要とされる水準だと考えて良いでしょう。ベーシックな試験の問題文が読めて、出題範囲の専門用語がわかれば解答できるでしょう。
おすすめの勉強方法:それぞれのメリット・デメリット
米国税理士の勉強方法には、「通信教育」「アメリカ製のWeb教材」「日本語の教材」と主に3つの勉強法があり、基本的には暗記中心の勉強となります。ここでは、それらの勉強法におけるメリット・デメリットを紹介します。
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☑ 通信教育で勉強する
通信教育で勉強するメリットとデメリットは、以下のとおりです。
メリット
- 短期間で効率よく勉強できる
- テキストが日本語・英語併記でわかりやすい
デメリット
- 受講費は10〜15万円が相場であり、他と比べると割高
☑ アメリカ製のWeb教材で勉強する
アメリカ製のWeb教材で勉強するメリットとデメリットは、以下のとおりです。
メリット
- Web上にテキスト・動画・問題集など、すべての教材が揃っており便利
- 翻訳費などが上乗せされていない分、他と比べてリーズナブル
- 英語の勉強にもなる
デメリット
- 英語のみのため、英語に不安がある場合は不向き
☑ 日本語の教材で勉強する
日本語の教材で勉強するメリットとデメリットは、以下のとおりです。
メリット
- 英語が得意でなくとも、日本語で学べる
デメリット
- 日本語の書籍が少なく、よい教材を探すのに手間がかかる可能性がある
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まとめ
米国税理士は、アメリカ全土で税務業務が行える国家資格で、アメリカでのニーズも高い職業です。受験資格は特になく、18歳以上なら誰でも受験でき、さらに日本国内での受験が可能です。一方、出題は英語で行われるため、TOEIC600点程度の英語力は必要となってくるでしょう。
米国税理士の資格があれば、外資系企業への転職の際にも強みのひとつとしてアピールすることができるため、海外や外資系企業で働きたい方は取得しておくとよいでしょう。
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