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プラチナ企業は「働きがい」と「働きやすさ」の双方を高いレベルで実現している企業を指します。近年では労働環境の整ったホワイト企業だけでなく、ホワイト企業の要素も持ちながら、働きがいのある仕事ができるプラチナ企業が高い注目を集めています。
本記事では、プラチナ企業の定義や特徴の他、ホワイト企業やモーレツ企業との違いをわかりやすく解説します。プラチナ企業への理解を深めたい方は、ぜひ参考にしてください。
プラチナ企業の定義とは?
プラチナ企業とは「働きがい」と「働きやすさ」の2要素が高い企業を意味します。
柔軟な働き方ができる、充実した福利厚生が整っているなど、職場の労働環境が整備されているだけでなく、仕事を通じて大きなやりがいを得られる点がプラチナ企業の特徴です。
近年では多くの企業が社会的評価の高いプラチナ企業になるべく、労働環境の整備や業務内容の見直しを積極的に行なっています。
【一覧】プラチナ企業・ホワイト企業・モーレツ企業の違い
企業は大きく分けて「プラチナ企業」「ホワイト企業」「モーレツ企業」「ブラック企業」の4種類に分類できます。
以下の表では、「働きがい」「働きやすさ」の2つの指標をもとに、各企業の違いを一覧にしてまとめました。なお、各指標の評価方法は以下のとおりです。
- ◎:とても高い
- ◯:高い
- △:普通
- ×:低い
分類 | 働きがい | 働きやすさ |
プラチナ企業 | ◎ | ◎ |
ホワイト企業 | △ | 〇 |
モーレツ企業 | 〇 | △ |
ブラック企業 | × | × |
働き方改革が推進されて以降、ホワイト企業の要素を持つ企業は増加傾向にありましたが、上記のように、ホワイト企業は必ずしも働きがいを感じられる労働環境が整っているわけではありません。
そのため、上昇志向の高い人材のなかには、仕事にやりがいや成長の機会を求めて、ホワイト企業を離れる方も見られるようになりました。
一方で、働きがいこそ感じられるものの、労働時間の長期化や休日出勤などが頻発しがちなモーレツ企業は、従業員の心身への負担が大きいことから、どうしても人材が定着しにくい傾向にあります。
そこで注目を集めているのが、働きがいと働きやすさの双方を兼ね備えたプラチナ企業です。プラチナ企業は、整った労働環境のなかで自己成長を感じながらやりがいを持って仕事に邁進できる企業として、転職市場においても高く評価されています。
外資系企業に多いプラチナ企業、その特徴とは?
プラチナ企業の特性を持つ企業は、外資系企業に多く見られる傾向にあります。
ここからは、外資系企業にプラチナ企業が多いといわれる具体的な理由について、エンワールド・ジャパンが独自に行ったアンケートの結果をもとに、詳しく解説します。
参照:エンワールド「外資越境転職」外資系・日系企業のお仕事事情調査」
ジョブ型雇用を採用している企業が多い
日系企業従業員400人、外資系企業従業員346人に「現在のお仕事に、働きがいを感じていますか」というアンケートを取ったところ、回答は以下のとおりでした。

各年代において、「感じている」「どちらかといえば感じている」と回答した方の割合は、いずれも日系企業従業員よりも外資系企業従業員の方が多いことがわかりました。
また、「現在のお勤め先に働きやすさを感じていますか」という質問に対する回答は、以下のとおりです。

こちらについても、日系企業よりも外資系企業に勤める方々の方が、高い割合で働きやすさを感じていることがわかりました。
外資系企業に勤める方々が、自社に対してプラチナ企業の特徴である「働きがい」と「働きやすさ」を感じやすい理由として、外資系企業の多くがジョブ型雇用を採用しているということが挙げられます。
ジョブ型雇用とは、企業と個人が合意した職務内容に準じて、従業員の働き方を定める雇用形態を指します。ジョブ型雇用で採用された人材は、具体的な職務内容や責任、評価軸が明確に定義されていることから、仕事への成果を挙げやすく、働きやすさを実感しやすいのが特徴です。
この他、いずれの調査結果においても、日系企業と外資系企業の差が最も顕著に現われたのは40代の回答です。40代の回答内容を比較すると「働きがい」「働きやすさ」の双方で、外資系企業が日系企業を17ポイント上回っています。
このことから、外資系企業は日系企業よりもプラチナ企業の要素が強いだけでなく、外資系企業に勤める40代のミドルキャリア層は、全世代のなかでも特に外資系企業が持つプラチナ企業要素を実感しやすいということがわかります。
年収の上昇幅が大きい
現在の仕事に「働きがいがある」と感じている方を対象に、働きがいを感じるタイミングについて質問したところ、回答は以下のとおりでした。

外資系企業・日系企業問わず、最も回答数が多かったのは「給与が上がったとき」でした。この調査結果から、「年収の上昇幅が大きい企業ほど、社員が働きがいを実感しやすい」ということが伺えます。
また、同様の調査で年収に関するアンケートを行なったところ、外資系企業従業員と日系企業従業員では、40代、50代において年収の差が大きく生じることが明らかになりました。

年収1,000万円以上の割合は、40代で15ポイント差(外資系企業従業員30%、日系企業従業員15%)、50代では29ポイント差(外資系企業従業員40%、日系企業従業員11%)となっており、外資系企業に勤めるミドルキャリア層は、日系企業従業員よりも高所得者の割合が多いことがわかります。

また、年収の上がり幅に関する調査結果においても、40代の外資系企業従業員の16%が「100万円〜200万円未満」の年収増加を経験しており、日系企業の40代従業員よりも大幅な年収アップが見られることがわかりました。
これらの結果は、外資系企業の年収は20〜30代の若手時代には日系企業とさほど大きな差は見られないものの、キャリアを積むほど高年収を狙いやすくなるということを示唆しています。
このことから、外資系企業に勤めるミドルキャリア層は、プラチナ企業の特徴である「働きがい」をより感じやすい傾向にあるということが伺えます。
裁量の柔軟性が高い
「働きやすさ」を感じている方を対象に、働きやすさの理由について質問したところ、回答は以下のとおりでした。

「自分のやり方で仕事を進められる」、「労働時間が適正・融通が利く」が、外資系企業・日系企業ともに上位を占めており、特に外資系企業が高い割合を示しました。
このことから、外資系企業の仕事における裁量の柔軟性の高さが従業員の「働きやすさ」につながっており、それこそが「外資系企業=プラチナ企業」といわれる要因となっていると考えられます。
3.4. ワークライフバランスを実現しやすい
同調査で、勤務先の休暇制度について質問したところ、回答は以下のとおりでした。

日系企業・外資系企業問わず、どの年代も6割以上の方が「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と回答していますが、30代・40代においては、両企業で大きく差が生じることがわかりました。
30代では、外資系企業従業員の50%が「当てはまる」と回答し、日本企業従業員の33%を大きく上回る結果となりました。また、40代では外資系企業従業員の41%が「当てはまる」と回答しているのに対し、日本企業従業員が22%と、顕著な差が生じています。
長期休暇制度の取得のしやすさは、ワークライフバランスの実現性の高さに直結します。そのため、柔軟な休暇制度を活用できる外資系企業は、従業員が仕事と生活のバランスを調整しながら働ける環境が整っているといえます。
この点も、外資系企業にはプラチナ企業が多いといわれる要因のひとつといえるでしょう。
「働きがい」と「働きやすさ」の双方を満たすプラチナ企業は、近年新たな企業像として高い注目を集めています。
今回紹介したように、外資系企業の多くは従業員が仕事への成果を挙げやすく、働きやすさを実感できる労働環境が整っています。また、高年収を狙いやすいこと、ワークライフバランスを実現しやすいことなども、外資系企業ならではの特徴です。
これらの特徴はいずれもプラチナ企業の特徴と共通するものであり、それ故に外資系企業の多くはプラチナ企業の特性が強いといえるでしょう。
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