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外資系企業への転職を検討している方のなかには、外資系企業と日本企業の残業や働き方への考え方の違いに疑問を持つ方も多く見られます。
「外資系企業は仕事とプライベートが明確に分けられている」「残業が少ない分、仕事では高い成果が求められる」外資系企業に対して、このようなイメージを持つ方もいるかもしれません。
この記事では、外資系企業と日本企業の残業に対する考え方の違いや、ワークライフバランスの相違点について詳しく解説します。両者の労働文化の違いを理解し、理想的な働き方の参考にしてください。
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外資系企業と日本企業|残業に対する考え方の違い
外資系企業と日本企業では、残業の捉え方が異なります。
まずは、外資系企業と日本企業の残業に対する考え方の違いについて詳しく解説します。
外資系企業における残業
外資系企業は、従業員のワークライフバランスを尊重する傾向が強く、残業量は個人を評価するひとつの指標として考えられています。
残業が多いと「業務の進め方を改善すべき」と判断される場合もあり、上司から働き方の改善や提案をされることもありますが、だからといって残業量の多さが必ずしも低評価につながるわけではありません。
根本の考えとしては残業を推奨していないものの、外資系企業で成果を上げるには、必要に応じて残業しなければならない場合もあります。そのため、自身の役職やその時折の業務内容に応じて、適切な労働時間を自己管理することが何よりも重要とされています。
限られた時間内で最大限の成果を出し、臨機応変に対応できる人材が、外資系企業では高く評価されるのです。
日本企業における残業
働き方改革の推進により、近年では日本企業の多くが従業員の残業時間を削減するための取り組みを積極的に行っています。事実、日本企業の残業時間は年々大幅な減少傾向にあります。
しかし、これまでの「長時間労働は美徳」とする風潮が完全に消えたとはいえません。なかには定時で帰りにくい環境の企業も依然としてあるようです。
法律や企業規定が整備されたことより、ワークライフバランスを重視した働き方を実現できる企業が増えた一方、長時間残業の文化が根付いた日本企業を根本的に変革するには、今なお多くの課題が残っているのが現状です。
外資系企業と日本企業|平均残業時間の違い
ここからは、エンワールドが独自で集めたデータをもとに、外資系企業と日本企業の平均残業時間の違いについて解説します。
参照:「外資越境転職」外資系・日系企業のお仕事事情調査|エンワールド・ジャパン
1日の労働時間で比較
両者の残業時間を比較する前に、まずは外資系企業と日本企業の1日の労働時間の違いを比較してみます。
日本企業従業員400人、外資系企業従業員346人に「仕事をしている日の1日の労働時間」についてアンケートを取ったところ、回答は以下のとおりでした。
両者に大きな差は見られず、1日の平均労働時間は7〜9時間に集中していることがわかります。
詳細を見てみると、7〜8時間では両者の差は1ポイントにとどまっていますが、8〜9時間・9〜10時間では、日本企業の労働時間が2ポイント多いことが確認できます。
以上の結果から、両者に顕著な差はないものの、日本企業のほうが外資系企業よりも1日の労働時間がやや長い傾向にあると考えられます。
1ヵ月の残業時間で比較
「1ヵ月の残業時間」についてのアンケート結果は、以下のとおりでした。
残業時間に関しても、外資系企業と日本企業で大きな差はないようです。
また「外資系企業は日本企業よりも残業が少ない」というイメージを持つ方も多いと思いますが、「残業はしていない」と回答した方の割合は、外資系企業が14%であるのに対し、日本企業は17%と、意外にも日本企業の方が高い割合を占めることが明らかになりました。
上記の結果から、外資系企業だから残業が少ない、日本企業だから多い、とは一概に断言できないことが明らかになりました。
ただし、5時間以上の残業についての回答を見てみると、「15時間以上20時間未満」で外資系企業が1ポイント上回っているのを除いて、多くの項目で日本企業の方が微々たる差で外資系企業の残業時間を上回っていることがわかります。
両者の残業時間の違いは僅差ではあるものの、今後法整備や働き方改革のさらなる進展によって、両者の差はさらに縮まる可能性が高いと予測できます。
外資系企業と日本企業|ワークライフバランスの違い
次は、外資系企業と日本企業のワークライフバランスの違いを、「働きやすさ」と「休暇制度の取得のしやすさ」の観点から比較してみます。
働きやすさで比較
「現在のお勤め先に働きやすさを感じていますか」という質問に対するアンケート結果は、以下のとおりです。
働きやすさを「感じている」「どちらかといえば感じている」と回答した方の割合は、外資系企業が70%、日本企業が61%という結果でした。
上述したとおり、外資系企業と日本企業では、1ヵ月あたりの平均労働時間・残業時間に大きな差は見られません。しかし「働きやすさ」については外資系企業が日本企業を9ポイント上回っており、同じ労働時間でも労働環境に対する満足度が大きく異なることがわかります。
この理由を深堀するために「働きやすさを感じる項目」についての回答を見てみると、以下のような結果が明らかになりました。
両者ともに「自分のやり方で仕事を進められる」「労働時間が適正・融通が利く」が、上位にランクインしたものの、いずれも外資系企業が日本企業を10ポイント近く上回る結果となりました。
このことから、外資系企業は業務の進め方や時間の使い方など、仕事に関する多様な項目が個人の裁量に委ねられていることから、日本企業よりも従業員が働きやすさを実感できる環境を築けているのではないかと想定できます。
休暇制度の取得のしやすさで比較
「長期休暇や連続休暇を実際に取得できるか」という質問に対するアンケート結果は、以下のとおりです。
外資系企業は、日本企業よりも長期休暇や連続休暇を取得しやすい傾向にあり、30〜40代の休暇取得状況の差が顕著にでています。
「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と回答した方の合計値は、外資系企業は30代が81%、日本企業は68%と、外資系企業のほうが13ポイント高いことがわかりました。同様に、40代の合計値を比較してみると、外資系企業は83%と、日本企業の65%を18ポイントも上回る結果となりました。
30〜40代の休暇取得状況においてこのような差が生じる理由については、外資系企業と日本企業の中堅層の働き方の違いが大きく影響していることが予測されます。
外資系企業では基本的に働き方は個人の裁量に委ねられているため、役職を問わずに計画的に休みを取得しやすい環境が整っています。
しかし、日本企業は中堅層になって役職に就くと、職場を長期間離れることが容易ではありません。従来の業務に加え、マネジメント業務や部下のトラブル対応などの対応事項が増え、上位職の業務が属人化することにより長期的な休みを取得しづらくなってしまうのです。
このような理由から、日本企業の中堅層の働き方は徐々に改善傾向にあるものの、現状では外資系企業のほうがワークライフバランスを実現しやすいといえます。
外資系企業の働き方における考え方
多くの外資系企業は働き方の自由度が高い分、自己管理能力やマネジメント能力などを重視する傾向にあります。ここでは、外資系企業の労働における考え方を詳しく解説します。
労働時間はセルフコントロールする
外資系企業は労働時間の長さではなく、成果や効率を重視する傾向が強いです。そのため、労働時間の管理は役職を問わず、多くの場合個人に任されています。
成果が出なければ労働時間が長期化することもありますが、成果さえ出せば長期休暇取得も可能です。
労働時間をセルフコントロールし、ワークライフバランスを個人に委ねるのが、一般的な外資系企業の考え方とされています。
上級職ほど成果を求められる
外資系企業の役職者は、自身の業務とマネジメント業務を遂行する、いわゆるプレイングマネージャーといわれる働き方を求められることが多いです。
したがって、外資系企業では役職が上がったとしてもマネジメント業務のみに専念できるわけではなく、上級職ほど企業側から高い成果を求められる傾向にあります。
そのような環境下でワークライフバランスを重視した働き方を実現するには、現状に満足せず、常にスキルアップを図り続ける姿勢が重要視されます。
目標は必ず達成する
外資系企業の大半は、数字や成果を人事評価基準として採用しているため、目標を達成できない場合は給与や待遇に直に影響する可能性があります。
そのため、外資系企業で自身の評価を落とさずに活躍し続けるためには、目の前の目標の達成が求められ続けます。
仕事の評価基準は過程ではなく常に結果であるため、個人の完遂力が年収や待遇を大きく左右します。
生産性の高さを重視する
上述したように、外資系企業の多くは限られた時間内で高い成果を挙げられる従業員を評価する傾向にあります。
そのため、残業や休日出勤の多さなどが評価されることはほとんどありません。むしろ、残業時間が過度に多いと「生産性が悪い」と自身の低評価につながってしまうかもしれません。
終身雇用や年功序列など、日本企業のような安定性はあまりないですが、生産性を意識した働き方を実現できれば、成果に見合った給与や待遇を得られる可能性が高いです。
外資系企業への転職が向いている方
ここでは、外資系企業への転職が向いている方の特徴を5つ紹介します。
成果に基づく評価を求めている方
一般的に外資系企業では、成果や実力が評価に直結しやすいとされています。
多くの結果を出すことができれば早期のキャリアアップも実現できるため、成果に基づく評価を求めている方であれば、外資系企業でいち早く活躍できる可能性が高いです。
また、そのような環境下で働くことは、効率性を求めた働き方を追求することにもつながります。そのため、外資系企業は残業を減らして年収アップを図りたい方にとっても、働きやすい環境が整備されているといえます。
論理的思考力がある方
外資系企業は、発生した問題の原因と解決策を、簡潔でわかりやすく説明できる人材を求める傾向にあります。
また、仕事によっては多様な国籍の方と関わる機会も多くあるため、文化や価値観が違っても、常に相手の意見や考えを筋道立てて正しく発信、理解できる能力が重視されます。
したがって、目の前の問題を道理的に思案できる論理的思考力がある方であれば、外資系企業で重宝される人材として活躍できるでしょう。
多角的な視点を持てる方
多くの外資系企業では、多角的な視点を持って臨機応変に対応することが能力が求められます。
成果を重視する環境で迅速に結果を出すには、多種多様な価値観や考え方を理解する必要があるためです。
前職のやり方や日本企業の文化に固執するのではなく、広い視野を持って業務に取り組むことができれば、外資系企業での働き方に柔軟に対応できます。
自主性があり自己主張できる方
外資系企業では、物怖じせずに自己主張をしないと、周囲から「自分の意見がない」「仕事ができない」と評価される可能性があるため、自分の考えを明確に伝える能力が重視されます。
キャリアアップを目指したい場合も、その役職を目指す理由や意欲を周囲に的確に伝えることで、上司や経営陣からの好感を得やすいです。
自己管理能力がある方
外資系企業では自由度の高い働き方ができる一方、自己管理能力がないとタスク管理や時間管理を円滑に行えなくなってしまうため、仕事で成果を出すには常に自己管理を徹底する必要があります。
新たな仕事を担当する場合も、引き継いだ後は独自のやり方で業務を進めていくスタイルが基本なので、高い自己管理能力がある方であれば、外資系企業でストレスなく活躍できる可能性が高いです。
また、自身の業務をしっかりとコントロールできればワークライフバランスも整えやすいため、外資系企業で理想の働き方を実現しやすいといえます。
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今回紹介したように、外資系企業と日本企業は、いずれも労働時間や残業時間に顕著な差は見られません。しかし、勤務時間に変わりはなくても、働きやすさやワークライフバランスの観点では、外資系企業が日本企業よりも高く評価されていることがわかりました。
効率性を重視し、個人の裁量が多い外資系企業の環境であれば、残業時間をコントロールしながら早期のキャリアアップ・年収アップを目指すことも可能です。
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