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「アメリカで暮らしたい」と考えたときに、アメリカでは休日がどのくらいあるのか気になる方もいるのではないでしょうか。
アメリカは日本と比較して国が定める祝日が少なく、有給休暇の法整備がなされていないなどの違いがあります。
この記事では、アメリカの休日や祝日、有給休暇について解説していくので、ぜひ参考にしてください。
アメリカの年間休日|連邦政府が定める祝日は12日
連邦政府が定める祝日 |
日付 |
概要 |
元日 |
1月1日 |
新年を祝うための祝日 |
マーティン・ルーサー・キング牧師の日 |
1月第3月曜日 |
公民権運動に尽力しノーベル平和賞を受賞したキング牧師の生誕記念日 |
大統領の日 |
2月第3月曜日 |
初代アメリカ大統領ジョージ・ワシントンの生誕記念日 |
戦没将兵追悼記念日 |
5月最終月曜日 |
戦争で戦死した人を追悼するために設定された祝日 |
ジューンティーンス |
6月19日 |
奴隷制の廃止を祝う祝日 |
独立記念日 |
7月4日 |
イギリスからの独立を記念する祝日 |
レイバー・デー |
9月第1月曜日 |
労働者や労働者の功績をたたえる祝日 |
コロンブス・デー |
10月第2月曜日 |
コロンブスが北アメリカ大陸を発見したことを祝う祝日 |
退役軍人の日 |
11月11日 |
アメリカに貢献した復員軍人をたたえる祝日 |
感謝祭 |
11月第4木曜日 |
自身の周りにある、あらゆることに感謝する祝日 |
クリスマス |
12月25日 |
キリストの生誕を祝福するキリスト教徒の祭日 |
大統領就任式の日 |
1月20日 |
4年に1度行われる大統領選挙の翌年に大統領就任式が開催され、祝日となる日 |
アメリカの連邦政府が定める「連邦祝日」は合計で12日あります。
年間休日数は住んでいる場所や企業などによって異なりますが、土日と連邦祝日を休みとした場合、2025年における年間休日数は115日になります。2025年の土日は合計で104日あり、「大統領就任式」と「マーティン・ルーサー・キング牧師の日」が重なって連邦祝日数が11日となったためです。
連邦祝日はどのような日なのか、以下で詳しく解説していきます。
【1月1日】元日
新年を祝う元日は、英語では「New Year’s Day」と表記します。
新年へのカウントダウンがメインイベントで、年が変わる瞬間に打ち上げ花火で祝うことが多いです。
日本とは異なり、アメリカには正月という風習がなく、2日からお店の営業や仕事が始まるのが一般的です。元日はクリスマスの片付けなどをして、ゆっくり過ごす方もいます。
【1月第3月曜日】マーティン・ルーサー・キング牧師の日
マーティン・ルーサー・キング牧師の日(Martin Luther King Jr. Day)は、キング牧師生誕を記念する祝日です。
キング牧師は、公民権運動に尽力して1964年にノーベル平和賞を受賞したアメリカの英雄的な人物です。
マーティン・ルーサー・キング牧師の日は連邦祝日ですが、実際に休日にしているのは企業全体の約40%で、多くの企業は稼働しています。
【2月第3月曜日】大統領の日
初代アメリカ大統領ジョージ・ワシントンの生誕を記念する大統領の日は、英語で「Presidents' Day」や「Washington’s Birthday」と表記します。
約35%の企業が休日で、それ以外の企業では通常どおり営業しているため、休日の雰囲気は薄いかもしれません。
大統領の日にあわせて「プレジデントデーセール」を開催する企業もあり、買い物を楽しむ方もいます。
【5月最終月曜日】戦没将兵追悼記念日
戦没将兵追悼記念日(Memorial Day)は、戦争で亡くなった方をたたえるための日です。
星条旗の半旗を掲げ、墓地に花輪や祈りを捧げて戦争や軍役で亡くなった方々を追悼するのが一般的です。大統領か副大統領の演説がある他、地域によってはイベントやパレード、祭典などが行われます。
休日となる企業が多いですが、ショッピングモールやレストランは営業しています。
【6月19日】ジューンティーンス
奴隷解放記念日であるジューンティーンス(Juneteenth)は、奴隷身分であった人々が開放されたことを祝う祝日です。
2021年にバイデン元大統領がジューンティーンスを連邦の祝日とする法案に署名し、新たな祝日となりました。
各地でコンサートやパレード、音楽祭などが開催される一方で、ジューンティーンスを祝日と認めていない州もあります。
【7月4日】独立記念日
独立記念日は、イギリスからの独立を記念する祝日です。英語では「Independence Day」や「4th of July」と表記します。
アメリカで最も盛り上がるイベントの一つで、夜には各地で盛大に花火が打ち上げられます。
家族や友人とバーベキューを楽しんだり、自宅でパーティーを開いたりして盛り上がる方が多いです。
【9月第1月曜日】レイバー・デー
レイバー・デー(Labor Day)は、労働者の日であり、日本でいうところの勤労感謝の日にあたります。
ほとんどの企業や学校は休日になり、公園などでピクニックやバーベキューをしたり、旅行をしたりする方が多いです。
9月第1月曜日にあたるレイバー・デーは3連休となるため、道路や空港が混雑しやすい傾向にあります。地域によってはパレードをするところもあり、賑やかな祝日です。
【10月第2月曜日】コロンブス・デー
コロンブス・デー(Columbus Day)は、コロンブスが北アメリカ大陸を発見し、到着したことを記念した祝日です。
連邦職員や銀行が休業になる場合が多い一方で、大半の企業は通常どおり営業しており、平日のような扱いです。
コロンブスが先住民を侵略した歴史をふまえて、祝日とすること自体に反対する声もあります。
【11月11日】退役軍人の日
退役軍人の日(Veterans Day)は、復員軍人をたたえるための祝日です。アメリカでは軍人は英雄とされ、退役軍人を見かけた際にはお礼をいうように学校から教わります。
政府機関や銀行が休業になる場合が多い一方で、企業や学校は休みにならないところが大半です。
午前11時になると黙祷が2分間行われ、さまざまな場所で軍人をたたえるイベントやパレード、式典が行われます。
【11月第4木曜日】感謝祭
感謝祭(Thanksgiving Day)はあらゆることに感謝する祝日です。
ヨーロッパからアメリカ新大陸に渡ったキリスト教徒たちが、荒野を開拓して初めて収穫を得たことを神へ感謝した記念日であり、建国の礎となった働きをたたえます。
七面鳥やパンプキンパイといった伝統的な料理を用意し、家族で過ごすのが一般的です。当日は多くの企業が休業し、お店も早く閉まります。
感謝祭の日にニューヨークで行われる「メイシーズ・サンクスギヴィング・デイ・パレード」は有名で、大いに盛り上がります。
【12月25日】クリスマス
クリスマス(Christmas Day)はキリストの生誕を祝福するキリスト教徒の祭日です。アメリカでは一大イベントであり、一年で最も盛り上がるイベントの一つといえます。
日本では「恋人と過ごす日」という印象がありますが、アメリカでは家族と過ごすのが一般的です。日本の正月に近いイベントで、家族でパーティーを楽しむ方もいます。
【1月20日】大統領就任式の日(4年に1度)
大統領就任式の日(Inauguration Day)は、大統領就任を記念する祝日です。大統領選挙が行われるのは4年に1度なので、大統領選挙の翌年1月20日が4年に1度のペースで祝日となります。
2025年のトランプ大統領の就任式では、ワシントンDC地域で勤務する連邦職員は法定休日となりました。
アメリカの祝日は主に「連邦祝日」と「州政府が定める祝日」の2種類
アメリカの祝日は主に、連邦政府が定める「連邦祝日」と「州政府が定める祝日」の2種類です。
州ごとに立法権があるアメリカは、州独自の祝日を定めている場合があります。例えばカリフォルニア州では、3月31日をシーザー・チャベス(公民権運動の指導者)の誕生を祝う「シーザー・チャベスの日」(Cesar Chavez Day)に制定しています。
逆に連邦政府が祝日と定めていても、州法上では祝日としていない場合もあります。例えば2月第3月曜日の大統領の日は、フロリダ州では州法上の祝日ではありません。
連邦祝日や州政府が定める祝日以外にも、都市ごとに独自の祝日を定め、行政部門が休みになる場合もあります。
アメリカは州ごとに強い自治権があるため、住んでいる場所によって休日の日数も大きく異なります。
アメリカと日本の休みの違い3つ
アメリカと日本の休みの違いを3つ紹介していきます。
アメリカより日本のほうが祝日が多い
日本の「国民の祝日」は1年で16日あり、アメリカよりも祝日が4〜5日多いです。日本の「国民の祝日」は以下のとおりです。
- 元日:1月1日
- 成人の日:1月の第2月曜日
- 建国記念の日:2月11日
- 天皇誕生日:2月23日
- 春分の日:春分日
- 昭和の日:4月29日
- 憲法記念日:5月3日
- みどりの日:5月4日
- こどもの日:5月5日
- 海の日:7月の第3月曜日
- 山の日 :8月11日
- 敬老の日:9月の第3月曜日
- 秋分の日:秋分日
- スポーツの日:10月の第2月曜日
- 文化の日:11月3日
- 勤労感謝の日:11月23日
アメリカの連邦政府が定める祝日は11〜12日なので、社会全体が休みとなる機会は日本よりも少ない傾向があります。
祝日だからといって企業が休みになるとは限らない
連邦祝日に政府機関や銀行は休業しますが、一般企業や学校は個々の判断に委ねられており、祝日だからといって必ず休みになるとは限りません。
連邦祝日における民間企業の稼働状況は以下のとおりです。
休日 |
休業する企業の割合 |
元日 |
約95% |
マーティン・ルーサー・キング牧師の日 |
約40% |
大統領の日 |
約35% |
戦没将兵追悼記念日 |
約95% |
ジューンティーンス |
データなし |
独立記念日 |
約95% |
レイバー・デー |
約95% |
コロンブス・デー |
約15% |
退役軍人の日 |
約20% |
感謝祭 |
約95% |
クリスマス |
約95% |
特にマーティン・ルーサー・キング牧師の日や大統領の日、コロンブス・デー、退役軍人の日は大半の企業が稼働しており、休業とする企業のほうが少数であることがわかります。
有給休暇の法整備がされていない
日本と異なり、アメリカの企業には従業員に有給休暇を与える法的な義務はありません。アメリカでは、企業が提供する福利厚生の一つとして有給休暇が設定されています。
独立行政法人労働政策研究・研修機構の「データブック国際労働比較2024」によると、2010から2023年のアメリカ企業における有給休暇の平均付与日数は各年8日間(※)です(民間部門)。
アメリカ企業への就職を考えているのであれば、有給制度の有無や有給休暇の日数は必ず確認しておきましょう。
※参考:データブック国際労働比較2024|独立行政法人労働政策研究・研修機構 (JILPT)
アメリカの長期休み|夏季や感謝祭から元旦に休む人が多い
日本のゴールデンウイークのようなまとまった祝日は、アメリカにはありません。有給などを活用して、夏季やホリデーシーズンにまとまった休みをとる場合が多いです。
ホリデーシーズンとは、11月第4木曜日の感謝祭から年明けの1月初旬くらいまでの期間を指します。子供の休みやイベント、旅行の予定などにあわせて長期休みをとります。
アメリカでは仕事の分担が明確に決まっている場合が多く、スケジュール調整もしやすいため、有給休暇は比較的とりやすい環境です。

アメリカの休日に関してよくある質問
アメリカの休日に関して気になる疑問を解説していきます。
祝日に銀行は開いていますか?
連邦祝日は銀行や郵便局は開いていないことが多いため、祝日の前日までに用事を済ませておくことが大切です。レストランなど民間企業は営業しているところが多いですが、営業時間が短縮される場合があるため注意しましょう。
イースターは休みになりますか?
イースターは連邦祝日ではありませんが、州によってはイースター関連の祝日が制定されています。例えば、コネチカット州ではイースター2日前の金曜日が「聖金曜日」として休みになります。
イースターとは「復活祭」という意味を持つ、キリスト教圏でのお祭りです。何月何日と決められているわけではなく、春分後の満月から数えて最初の日曜日がイースターとなります。
家族や親戚、友人と過ごしたり、自宅で食事を楽しんだり、教会のミサに参加したりして過ごすのが一般的です。
メーデーは休みになりますか?
労働者の祭典であるメーデー(5月1日)は連邦祝日として制定されておらず、企業などの特別な定めがなければ基本的には休みになりません。
毎年9月の第1月曜日が「レイバー・デー」として連邦の祝日となっており、労働者の貢献を称える日になっています。
年末年始はいつまで休みになりますか?
アメリカには日本のようなお正月はなく、元日が終わったら2日からお店の営業や仕事が始まるのが一般的です。
祝日が土日に重なった場合、振替はありますか?
連邦祝日が土曜日に重なった場合は前日の金曜日が休日になり、日曜日と重なった場合は翌日の月曜日が振替休日になります。
まとめ:将来アメリカで暮らしたい方は、外資系・日系グローバル企業への転職もおすすめ
アメリカの連邦祝日は年間11〜12日ありますが、州によって独自の祝日を定めているところもあり、住む場所によって年間休日数は大きく異なります。
将来アメリカで暮らしたい方は、まずはアメリカ系の企業に転職して環境に慣れるのも一つの選択肢です。
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