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豊かな文化や歴史、自然を持つヨーロッパに憧れを抱き、住んでみたいと考える方も多いでしょう
ヨーロッパへ移住するには、ビザや永住権を取得する必要があります。また、実際の生活を想定し、移住のメリットやデメリットを十分に理解しておくとともに、自分に適した移住先も決定しなければなりません。
本記事では、ヨーロッパに移住する方法や移住のメリット・デメリット、移住におすすめの国まで詳しく解説します。ヨーロッパ移住に関心がある方は、ぜひ参考にしてください。
ヨーロッパへ移住する方法
ヨーロッパへ移住するには、ビザか永住権のどちらかを取得する必要があります。詳細な手続きは国によって異なりますが、ここでは一般的な流れを説明します。
ビザを取得する
ヨーロッパの国々に滞在するには、滞在目的や期間に応じたビザの取得が必要です。長期滞在可能なビザの種類として、学生ビザや就労ビザ、投資家ビザなどがあります。
ビザの申請には、パスポートや滞在目的を証明する書類、経済力の証明などが必要です。また、多くの国では健康保険への加入も求められます。
これらの条件を満たしたうえで、各国の在外公館やオンラインシステムを通じて申請を行うのが一般的です。
永住権を取得する
ヨーロッパへ移住するもうひとつの方法は、永住権の取得です。永住権を取得すると在留期間の制限なく滞在でき、ビザ更新が不要になります。また、就労条件の緩和や社会的信用の向上といったメリットもあります。
永住権取得に際しては、通常、数年間の合法的な滞在が必要です。その他、現地言語能力の証明や経済的自立を示す書類の提出も求められます。
これらの条件を満たし、担当機関に申請書類を提出することで、永住権の審査が進められます。
ヨーロッパへ移住できるビザの種類

ヨーロッパへの移住できるビザは主に5種類に分けられます。ここでは、学生ビザ、ワーキング・ホリデービザを除き、それぞれのビザの概要を説明します。
就労ビザ
就労ビザは、ヨーロッパで正式に働くためのビザです。
取得には通常、現地企業からの雇用契約が必要です。また、申請者には高い専門性や技能が求められることが多く、就労する国の労働市場に貢献できる人材であることが期待されます。
起業家ビザ
起業家ビザは、ヨーロッパで新たな事業をはじめる方向けのビザです。
通常、詳細な事業計画書の提出が求められ、その事業が現地経済にもたらす利益や雇用創出の機会なども審査基準となります。
投資家ビザ
投資家ビザは、大規模な資本投資を条件に取得できるビザです。
投資の形態は、不動産購入や国債購入、企業への直接投資などが含まれます。必要な投資額は国や地域によって異なりますが、一般的に高額です。
リタイアメントビザ
リタイアメントビザは、退職後にヨーロッパで生活したい方向けのビザです。
基本的に就労を前提としないビザのため、取得に際しては十分な年金収入や資産の証明が求められます。また、医療保険への加入も条件となることが一般的です。
配偶者ビザ
配偶者ビザは、ヨーロッパの国籍を持つ方との結婚を通じて取得できるビザです。通常、婚姻関係を証明するための書類が必要となります。
国によっては、パートナービザやフィアンセビザなど、類似のビザ制度も存在します。
ヨーロッパで永住権を取得する方法
ここでは、ヨーロッパで永住権を取得する3つの主な方法について、その概要を説明します。
長期滞在ビザを継続する
切り替えや更新によって長期滞在ビザを継続し、一定期間その国に滞在することで、永住権の申請資格を得られる場合があります。
長期滞在ビザの継続とは、例えば以下のような状態を指します。
- 学生ビザやワーキング・ホリデービザで入国後、就労ビザへ切り替えて数年滞在している
- 就労ビザで入国し、何度か更新している
ただし、滞在年数だけでなく、一定の語学力や経済力の証明なども申請要件となることが一般的です。
配偶者ビザを活用する
多くの国では、配偶者ビザで一定期間滞在したあと、永住権申請の資格が得られます。この場合も、語学力や安定した収入、婚姻の継続を証明する書類が必要です。
なお、永住権取得後に離婚した場合でも、通常は永住権が維持されます。
EUブルーカードを活用する
EUブルーカードは、高度な技能や資格を持つ非EU諸国の人材を対象としたビザ制度です。
EUブルーカードを保持することで、多くのEU加盟国では、通常よりも短い滞在期間で永住権申請の資格を得られます。例えば、ドイツでは通常5年の滞在が必要ですが、EUブルーカード保持者は33ヵ月(高度なドイツ語能力がある場合は21ヵ月)で永住権申請が可能です。
ただし、EUブルーカードは、現地国の知識や技能を高め、人材不足を補うことを目的にしているため、高等教育の学位や一定以上の年収などの厳しい条件を満たす必要があります。
ヨーロッパ移住のメリット
ヨーロッパへの移住によって得られる、代表的な3つのメリットを解説します。
多様な文化体験ができる
ヨーロッパ移住の大きな魅力は、多様な文化に触れられる点です。各国が近接しており、移動しやすいため、滞在国だけでなく周辺国の文化や歴史体験が可能です。
また、多国籍の友人の輪が広がり、異なる価値観や文化の違いを学ぶことも期待できます。このような経験は、自分の視野を広げ、新たな発見や学びを得る貴重な機会となります。
語学力が向上する
ヨーロッパに移住すると、現地語や英語を日常的に使用する環境で生活することになります。そのため、学習意欲があれば、語学力を効率的に向上させることも可能です。
語学力が身につくことで、現地での就職や生活がよりスムーズになり、国際的なコミュニケーション能力も培われます。
教育の機会が広がる
ヨーロッパの多くの国では教育制度が充実しており、アメリカやオーストラリアなどの英語圏の大学と比較すると、学費も比較的安価です。留学生も利用できる奨学金制度が整備されている場合もあり、学びの機会が広く開かれています。
特に子どもを持つ家庭にとっては、質の高い教育を受けられる環境が整っていることは大きなメリットといえます。
ヨーロッパ移住のデメリット
ヨーロッパ移住には魅力的なメリットがある一方で、いくつかの課題もあります。具体的には、以下の3つが挙げられます。
生活コストが上昇する
ヨーロッパ移住では、生活コストの増加が避けられません。移住時には引越し費用が発生し、現地では住居費や光熱費などが日本より高額になるのが一般的です。
また、特に大都市では、日本より物価が高い傾向が見られます。さらに、現地通貨での収入がない場合、為替の変動によっても生活費が大きく変わる可能性があります。
安全面で不安がある
一般的に、ヨーロッパは日本と比べて治安が悪く、犯罪に巻き込まれるリスクが高まります。特に、スリや置き引きなどの軽犯罪が頻発しているため、注意が必要です。
医療面でも、言葉の問題や制度の違いにより、病院を気軽に受診しにくくなることが想定されます。
生活に不便を感じる
日本の効率的なサービスや生活スタイルに慣れている方にとっては、ヨーロッパの日常生活は不便を感じやすくなる可能性があります。
例えば、コンビニのような24時間営業の店が少なく、日曜日は多くの店が休業するなど、買い物の利便性は日本より落ちる国が多いです。また、行政手続きに時間がかかったり、サービス業の対応が日本ほど丁寧でなかったりということも珍しくありません。
このような日本との生活様式の違いに、大きなストレスを感じることもありえます。
ヨーロッパ移住におすすめの国7選
ここでは、移住先におすすめのヨーロッパの7つの国について、それぞれの国の特徴や移住のメリットを説明します。
オランダ
オランダは、英語が広く通用し、国際的な環境が整っている国です。永住権を取得すると、オランダ国民とほぼ同じ扱いを受けられるようになります。雇用されることはもちろん、起業もできるため、ヨーロッパで国際的なキャリアを形成したい方におすすめです。
また、移動手段として自転車や公共交通機関が発達しており、生活しやすい環境が整っています。
ポルトガル
ポルトガルは、温暖な気候と美しい街並みが魅力的な国です。物価が比較的安く、生活費がほかのヨーロッパ諸国に比べて安く抑えられます。
また、治安が比較的よく、のんびりとした雰囲気のなかで生活できます。ただし、都市部以外では英語があまり通じないため、ポルトガル語の習得が必要になる点には注意が必要です。
ラトビア
ラトビアは、バルト三国の中心に位置し、自然豊かで治安のよい国です。ヨーロッパのなかでも比較的物価が安く、生活コストを抑えられます。また、EU加盟国であるため、他のEU諸国への往来が容易です。
投資家や起業家向けのビザが比較的取得しやすい国ですが、ラトビア語やロシア語を必要とされる場面が多く、就労の難易度は低いとはいえません。
チェコ
チェコは、宝石箱にたとえられるほど美しい街並みが有名な国です。中央ヨーロッパに位置しているためEU諸国と行き来がしやすく、気軽にヨーロッパ旅行を楽しめます。また、治安のよさや、ビールの本場の国としても知られています。
物価が比較的安価のため生活しやすいですが、その分賃金も低めのため、就労の際は注意が必要です。
ルーマニア
ルーマニアは、東ヨーロッパに位置し、豊かな自然と歴史的な建造物が魅力の国です。物価が非常に安価で、特に家賃の価格が手頃です。
また、医療サービスへのアクセスのしやすさでも知られています。産業分野ではIT関連が急速に発展しており、技術者の需要が高まっています。
マルタ共和国
マルタは、地中海に浮かぶ小さな島国で、年間を通じて温暖な気候が特徴です。美しいビーチや歴史的な建造物、地中海料理など、観光資源も豊富にあります。
英語が広く話されているため、言語の壁が低いのが大きな魅力です。また、税制が優遇されており、特に起業家にとって恵まれた環境が整っています。
ギリシャ
ギリシャは、古代文明の発祥地として知られ、豊かな歴史と文化を持つ国です。エーゲ海の美しい島々や温暖な気候、新鮮な野菜と魚介を用いた地中海料理など、生活の質の高さが魅力です。
近年、EU域外の投資家向けのゴールデン・ビザ制度を導入し、不動産投資を通じての5年間の滞在が可能になりました。
まとめ:ヨーロッパ移住に関心がある方は、日系グローバル企業や外資系企業への転職もおすすめ
本記事では、ヨーロッパ移住の方法やメリット・デメリット、移住におすすめの国などを紹介しました。
ヨーロッパ移住には、多様な文化体験や語学力の向上などの魅力がある一方で、生活コストの上昇や安全面で不安を感じる可能性もあります。また、移住を実現するためには、適切なビザの取得や永住権の獲得も必要不可欠です。
ヨーロッパ移住や海外での就労に関心がある方は、はじめのステップとして外資系企業や日系グローバル企業への転職を検討してはいかがでしょうか。グローバルなビジネス環境で働くことで、将来的にヨーロッパ移住への足がかりとなる可能性があります。
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