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退職日が決まったら、準備をしておきたいことの一つが「退職時の挨拶」です。退職日や最終出社日は、業務の引き継ぎなどで多忙になりがちです。そのため、お世話になった方々に適切に挨拶をするには事前に準備しておくことが重要です。
この記事では、退職時の挨拶でのマナーやポイントに加えて、例文を紹介しますので、退職を予定されている方はぜひ参考にしてください。
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退職時の挨拶で押さえておきたい基本のマナー
退職時の挨拶においては、さまざまなマナーを押さえておく必要があります。上司の許可を得ること、明確な退職日を伝えること、感謝の意を表すことなど、基本的なポイントをしっかりと理解しておきましょう。退職の挨拶に関する基本的なマナーについてや、メールでの挨拶に関するマナーも踏まえて解説します。
挨拶回りは上司の許可をもらってから始める
退職届を提出した直後に挨拶回りを始めるのは控えめにしましょう。まずは上司と今後の進め方について話し合うことが重要です。上司の許可を得る前に挨拶回りを始めてしまうと、退職自体が先送りになった場合などに混乱を招く可能性があります。
特に取引先への挨拶回りは、業務進行に支障が出る場合も考えられるため、いつ挨拶をするか上司と相談のうえ決めなければなりません。
退職日を明確に伝える
退職に関する挨拶回りの際に退職日を明確に伝えることは、円滑な業務引継ぎのために不可欠です。そのため、退職日を明確に伝えることとあわせて、引き継ぎの内容・スケジュールを決めておくことも重要です。
また、取引先への挨拶時も、明確な退職日を伝えることで「次の担当者にいつ代わるか」を把握しやすくなります。可能であれば退職日とあわせて、次の担当者がいつ挨拶に伺うかも伝えるようにしましょう。
お世話になったことへの感謝を伝える
退職時の挨拶は単なる報告だけでなく、お世話になったことへの感謝を伝えるよう意識することが大切です。たとえ事実であったとしても、相手にマイナスな印象を与えるような情報を伝えることは避け、前向きな姿勢で挨拶をすることが無難といえます。
取引先の挨拶時に退職理由を聞かれた場合も同様です。詳細は控えめにし、ポジティブな表現を心がけましょう。
事情によってはメールでの挨拶もOK
対面での挨拶が難しい場合であれば、メールでの挨拶も適切な選択肢の一つです。ただし、従業員やクライアントが多い場合など、個別に挨拶することが難しい理由がない限りは対面での挨拶を心がけましょう。
なお、クライアントに対してメールで退職の挨拶をする際は、事前に上司と相談をして、内容と送信先を決めることが大切です。
退職が決まったときの挨拶のタイミングと順番
退職の挨拶は、適切なタイミングと順番を意識することが大切です。ここでは、退職の挨拶を始めるべきタイミングや順番について解説します。
何日前から退職の挨拶を始める?
状況によって異なりますが、社内での退職の挨拶は退職日の3日前から当日を目安に始めることをおすすめします。
また、社外に退職の挨拶をする際は、業務の引き継ぎや今後のスケジュールなども考慮し、1〜2週間前に済ませておきましょう。ただし、退職が決まった後に独断で社外への挨拶に伺うのではなく、上司と相談のうえで日程や文言を決めることが大切です。
社内への挨拶回りの順番
社内で退職の挨拶をする順番には、明確なルールはありませんが、直属の上司に挨拶をし、そのうえで部署内で挨拶回りをすることが一般的です。
ただし、自身の退職が決まった後は引き継ぎなどで部署内が慌ただしくなる可能性があります。その場合は、同じ部署よりも先に他の部署へ挨拶に行きましょう。
個別の挨拶回りのタイミング
個別で挨拶回りをする際は、退職日もしくは退職日が近いタイミングの、業務が落ち着いた時間帯がよいといえます。業務が落ち着いた時間帯に声をかけることでと、相手への配慮が伝わりやすくなります。
挨拶をする時間に関しては、部署ごとの業務によって状況が異なるため、スケジュールや相手の状況をみて、挨拶に行くタイミングを見極めることが重要です。
なお、直属の上司に関しては、朝の段階で「本日、退職日となりますが、よろしくお願いいたします」と簡単に挨拶をしておきましょう。その際に個別に挨拶へ回る時間帯を相談しておくことをおすすめします。
メールで退職の挨拶をする際のポイントと例文

メールで退職の挨拶をする際は、一斉送信や挨拶の目的をおさえたうえで行うことが大切です。ここでは、退職メールに関するポイントを、例文とあわせて紹介します。
退職時に送る挨拶メールのポイント
退職時に挨拶のメールを送る際は、以下に挙げることを意識しましょう。
社内の同僚への一斉送信はシンプルかつ明確にする
社内の同僚宛の退職メールは、BCCで一斉送信することが一般的です。一斉送信の場合、内容はできるだけシンプルなものにしましょう。
宛名には「お世話になった皆様へ」と入れても問題ありませんが、あえて宛名を記載しないことで「自分に向けて書いてくれている」という印象を与えられます。
なお、上司やお世話になった方に送る際は、一斉送信メールと合わせて個別メールも併用することをおすすめします。個別メールには、具体的なエピソードを交えて「相手に何かしてもらったことが、自分にどう好影響だったか」を伝えられると、よりよい印象につながります。
社外への挨拶は安心してもらう目的で行う
退職に関する社外宛のメールは後任者を紹介し取引先に安心感を与えると同時に、後日あらためて挨拶に伺う旨も一緒に伝える役割があります。
社外へ挨拶メールを送る際は、冒頭の宛名以外にも本文中に相手の名前をもう一度入れ、その方との関係やエピソードを簡単に記載すると、よりよい印象を与えることができます。
もし距離や日程の関係で直接挨拶に伺えない場合は、メールでの挨拶になったことに関する謝罪の一文を添えましょう。
【パターン別】退職の挨拶メールの例文
退職の挨拶メールを送る際は、送信先ごとのパターンを作っておくことが大切です。主な退職メールの例文を、パターン別に紹介します。
社内向け|同僚宛
件名:退職のご挨拶 ●●●●(自分の名前) 〇〇部の〇〇です。 このたび、一身上の都合により、本日をもって退社することとなりました。 本来であれば直接ご挨拶をすべきところ、メールでのご挨拶にて失礼いたします。 在職中は、大変お世話になりました。 新規プロジェクトでは、〇〇事業部全員が一つにまとまって大きな成果を上げられたことは 私にとって最高の思い出であり、仕事に対する自信を高めてくれました。 このような経験をみなさんと一緒に味わえたことをとてもうれしく思います。 この会社で培った経験を、今後の人生に活かしていきたいと思います。 退職後の連絡先は下記の通りです。 メール:***@abc.co.jp 電話:090-1234-***** 最後になりますが、○○さん並びに皆様のさらなるご健勝とご活躍のほど、心からお祈り申し上げます。 |
同僚に対してメールで退職の挨拶をする際は、できるだけ前向きな理由を記載するようにしましょう。自分が退職するからといって、これからも在籍し続ける同僚が後ろ向きになるような内容は記載しないほうが賢明です。
社内向け|上司宛
件名:退職のご挨拶 ○○部 ●●●●(自分の名前) ○○部○○課 ○○様 お疲れ様です。○○部の○○です。 一身上の都合により本日をもちまして退職することになりました。 本来、ご挨拶に伺うべきところメールでのご報告となってしまいまして、大変申し訳ありません。 入社以来、さまざまな業務を担当するなかで、○○部長には大変多くのことを学ばせていただき、大変感謝しています。 私がお客様とのやり取りに苦心する中、いつも温かい叱咤激励をいただいたことを今でも覚えています。 至らぬ点も多々あったかと思いますが、ご指導いただきありがとうございました。 今後も○○部長にお教えいただいたことを活かして、新たな活動の場で活かし、精進していきたいと思います。 退職後の連絡先は下記の通りです。 メール:***@abc.co.jp 電話:090-1234-***** 末筆ではございますが、○○部長の一層のご健勝とご活躍をお祈りいたしております。 |
上司に対する退職メールには、感謝の気持ちを添えるようにしましょう。お世話になったことへの感謝を前面に記載し、マイナスイメージにつながる内容は避けることが大切です。
また、退職後もやり取りをする場合は、転職先での経験や成長なども含め、簡潔に近況を伝えることで、断続的なコミュニケーションを図ることができます。
社外向け
件名:退職のご挨拶_株式会社○○○○○○ ●●●●(自分の名前) 株式会社△△ △△事業部 △△様 いつも大変お世話になっております。株式会社●●●の●●●●(自分の名前)です。 私事となり、大変恐縮ではありますが、一身上の都合により○月末で退職することになりました。 △△様にはさまざまなご支援、アドバイスをいただき、本当にありがとうございました。 本来でしたら直接ご挨拶へうかがうべきところですが、略儀ながら書中をもってお礼かたがたご挨拶とさせていただきます。 なお、今後は□□□が担当させていただくことになりました。 改めてご挨拶に伺いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 末筆ながら、貴社のご発展と△△様のますますのご活躍を心よりお祈り申し上げます。 何卒よろしくお願いいたします。 |
社外に退職メールを送る際は、退職日を必ず記載するようにしましょう。退職日の記載がないと、引き継ぎなどのスケジュールを設定しにくくなるためです。
また、社外へのメールには詳しい退職理由は記載しないようにしてください。もし退職理由がマイナスイメージにつながってしまった場合、今後の企業としての関わりに悪影響が出てしまう可能性があります。
上司や同僚の前で退職の挨拶(スピーチ)をする際のポイントと例文
退職当日は、上司や同僚の前で挨拶(スピーチ)を求められる場合があります。
何を話せばいいのかわからず悩んだり、思うような反応が得られなかったりする可能性もあります。
以下で解説するスピーチのマナーをしっかり押さえたうえで、事前にしっかり準備しておくことが大切です。
退職挨拶のスピーチで好印象を残すポイント
ここでは、退職挨拶のスピーチで好印象を残すために重要な、4つのポイントを紹介します。
こころに残るエピソードを語る
退職挨拶のスピーチは、自身のエピソードを交えながら心に残る内容を意識しましょう。お世話になった上司や同僚からもらった言葉や、それにまつわるエピソードを語ることで、感謝の気持ちがより伝わりやすくなります。
ネガティブな内容は避ける
たとえ退職理由がネガティブだったとしても、スピーチでは会社や社員の批判は避け、感謝の意を示すようにしましょう。ネガティブな内容によって在籍を続ける同僚のモチベーション低下につながる可能性があります。
退職理由は詳しく話さない
退職する理由である家庭の事情や、次の勤務先など、退職理由の詳細を伝える必要はありません。詳細を伝えることで上司や同僚が不快な思いになり、過度な心配を与えてしまう可能性があります。
短くまとめる
退職挨拶のスピーチは、できるだけ簡潔にまとめましょう。
伝えたいことがあったとしても、他の同僚や上司は通常通り仕事をしています。スピーチは、長くても3分程度にすることをおすすめします。
どうしても伝えたいことがある場合は、個別にメールや口頭で直接伝えることがよいといえます。
退職スピーチの例
本日はお忙しい中、このような会を開いていただきありがとうございます。 私事ではございますが、一身上の都合により、本日をもって退職させていただくこととなりました。 私は入社して、○○年になります。わからないことだらけの私を一から指導してくださった先輩、上司の方々(○○係長、○○課長)本当に、今までありがとうございました。 ここまでやってこられたのは皆さんのお陰です。皆さんと一緒に仕事ができたことは私の宝物です。 次の仕事でも、ここで学んだことを生かして頑張っていきたいと思っています。 私の業務は、今後○○さんに引き継いでもらうことになっています。よろしくお願いします。 今後は社員としてではなく○○会社の一ファンとして陰ながら応援していきます。 最後に皆さんの健康と益々のご活躍、そして会社のさらなる発展を心よりお祈りいたします。短い間でしたが本当にお世話になりありがとうございました。 |
円満退職するためには転職エージェントの活用もおすすめ
円満な退職を目指すのであれば、転職エージェントの活用をおすすめします。転職エージェントは、条件交渉や次の職場との調整をサポートしてくれるため、退職から転職先への移行がスムーズに進みます。
また、転職エージェントは希望に合った求人の紹介を通じた、転職活動をサポートします。
円満な退職を実現させるためにも、一度転職エージェントに相談することを検討してみましょう。
まとめ
この記事では、退職時の挨拶でのマナーやポイントを解説するとともに、いくつかの例文を紹介しました。好印象を残し、気持ちよく送り出してもらうためには、十分な準備をしておくことが重要です。
退職の挨拶は、社内・社外に関わらずお世話になった方への感謝の気持ちを伝えるという機会でもあります。退職後、どこかで一緒に仕事をする機会もゼロではありません。最後まで好印象を保ち、円満に退職して次のステップに進むことが大切です。
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