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近年、内部監査の重要性を認識する企業が増加しており、「公認内部監査人(CIA)」資格の需要が高まっています。この記事では、「公認内部監査人(CIA)」とは何かや、資格を取得するメリット、試験概要まで詳しく解説します。資格取得を目指している人は是非参考にしてみてください。
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「公認内部監査人(CIA)」とは?

公認内部監査人(CIA)とは、「Certified Internal Auditor」の略称で、内部監査人の能力を証明する、唯一の国際的な資格です。CIA資格認定試験は、世界の約190の国・地域で実施されており、資格認定を行うのは内部監査人協会(IIA)です。
近年、内部監査の重要性が認識され始め、内部監査人のスキルにも注目が集まっており、CIA資格保有者の需要も増えています。上場企業の中には、自社の内部監査の正当性をアピールするため、内部監査がCIA取得者によって実施されていることを有価証券報告書内で開示する企業もあるほどです。
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内部監査とは?
ここでは、内部監査の仕事内容や基本的な仕事の流れについて詳しく説明していきます。
内部監査人の仕事内容
内部監査は企業内部で実施されますが、他の部署からは独立した立場でおこないます。
内部監査の主な目的は、会計報告に不正や誤りがなく、企業経営や業務実行が合理的で適切におこなわれているかを確認することです。この他、内部監査人は、企業経営が法令や定款を守って正しく行われているかもチェックします。
内部監査で監査する内容は組織によりさまざまで、それぞれ独自のルールがあります。業務プロセスの改善や、リスクマネジメントの意味合いも大きく、IT監査など担当する各部門についての専門知識も必要とされることもあるようです。
内部監査の仕事の流れ
次に、内部監査の仕事の流れを説明します。
1)監査計画
監査対象や範囲を決め、監査計画を立案します。社内の全部門を網羅するよう注意し、重点項目や監査手法を取り決めます。現場担当者や責任者が同席できるよう、スケジュール調整をおこないます。
2)予備調査
本調査の1〜2ヶ月前に、予備調査を実施します。対象部門に事前通知し、書類やデータの準備を依頼します。
3)本調査
監査要点資料を元に本調査を行います。調査内容は部署によりさまざまです。管理部門であれば業務遂行はマニュアル通りになっているか、営業部門であれば旅費や交通費は適切に処理されているかなど、その性質に合わせて調べます。
4) 評価・調書の作成
調査結果を調書にまとめ、内容を評価し、問題点があれば改善策を考案します。
5) 監査報告
監査結果を、経営者と部門の責任者に報告します。
6) フォローアップ
本監査終了後、一定期間後にフォローアップをします。問題点の改善や対応状況を確認し、必要なら業務指導やコンサルティングをします。
内部監査人の重要性
企業が内部監査人に求めることは、単に不正や不祥事を未然に発見することに留まりません。
自社内における非効率的な部分をいち早く発見し、今より成長するための種やヒントを見つけ、構造改革や新規事業開拓につなげる役目も期待されています。このように、いわばコンサルタントのような役割も担っているため、内部監査人の重要性は高まっているのでしょう。
また、経営に影響を与える重要なポジションであるため、内部監査人は、財務・会計・IT・営業など、ビジネス全般に関わる広範な知識を体系的に取得しておく必要があります。さらに、自社が抱える問題や経営環境、業務内容などを経営層と同程度のレベルで把握している必要もあります。
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「公認内部監査人(CIA)」資格取得のメリット
ここでは、「公認内部監査人(CIA)」資格取得のメリットについて解説します。

広範囲のビジネス知識が身につく
内部監査業務を遂行するためには、組織の各部門の業務を把握している必要があります。また、経営全般の健全性や、実施内容が有効かどうかを判断する能力も求められます。
そのため、内部監査人になるためのスキルを積み上げる中で、資金調達やIT・会計など、広範な知識が身につくでしょう。CIA資格を保有しているということは、ビジネスに必要な幅広い知識を習得していることの証明ともいえるのではないでしょうか。
転職の際に強みとなる
企業内会計士、税理士への転職を考える方にとって、CIA資格は強みのひとつとなるでしょう。
また、CIAは米国発祥の国際資格であり、世界190カ国で有効な資格なため、これを保有していることは国内企業のみならず、外資系企業でも高く評価されることが多いです。
また、コンプライアンスを重視する企業においては、CIA資格取得者を優遇する求人事例も多くなってきているようです。
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「公認内部監査人(CIA)」資格試験の詳細
次に受験資格や試験内容など、CIA試験の詳細を紹介します。
「公認内部監査人(CIA)」資格試験の近年の合格率は、各科目35~40%、最終合格率10~15%となっていますので、詳細を確認してしっかりと対策をおこないましょう。
受験資格
受験資格について紹介します。
☑︎ 教育要件
受験に必要な教育要件は以下のとおりです。
・4年制大学を卒業している
4年制大学を卒業していない場合、下記のどちらかの要件を満たせば認定の対象になります。
・短大・高専卒で5年以上の内部監査実務経験がある
・7年以上の内部監査実務経験がある
☑︎ 推薦
CIA資格保有者には高い倫理観と、専門職としての適格性が求められます。このため、受験にあたり、親族以外の客観的立場にある第三者による推薦が必要となります。
推薦人は、勤務先の上司や所属校の教授以外でも認められ、CIA認定機関のIIA(the Institute of Internal Auditors:内部監査人協会)の「倫理綱要」を理解し、受験者が「CIA(公認内部監査人)という資格に求められる人物像として適格な人物である」ことが推薦できればよいとされています。
試験以外の資格認定要件(実務経験)
CIA資格取得のためには、試験に合格するほか、所定の実務経験が必要となります。所定の実務経験とは内部監査、または監査や評価業務に関する2年以上の実務経験を指し、具体的に認められる業務経験は以下のとおりです。
・外部監査
・監査役監査
・品質のアシュアランス
・リスク・マネジメント
・コンプライアンス
また、受験者が会計・法律・ファイナンス・経営に関する修士を取得している場合、実務経験の1年分に充当されます。
試験内容/合格基準
ここでは、CIA試験内容と合格基準について説明します。
試験内容
試験内容は以下の通りです。
試験科目 | 問題数 | 試験時間 | |
Part I | 内部監査の基礎 | 125問 | 2時間30分 |
Part II | 内部監査の実務 | 100問 | 2時間 |
Part III | 内部監査に関連する知識 | 100問 | 2時間 |
合格基準
試験の合格基準は以下のとおりです。まず、Part1、Part2、Part3の各パートの正答数を250から750までのポイントに換算します。そして、その換算ポイントが600以上であれば合格となります。
受験料
IIA会員であるかどうかで料金が変わります。また、学生と教員には優遇価格が適用されます。
IIA(個人会員 | IIA(個人会員以外) | |
初回受験登録料(再登録料) | 13,000円 | 27,000円 |
Part I | 35,000円 | 51,000円 |
Part II | 31,000円 | 47,000円 |
Part III | 31,000円 | 47,000円 |
試験合格の有効期限
CIA試験は、3つのパートに分かれていて、別々に受験することが可能ですが、最初の試験の申込み登録後、4年以内に全ての試験に合格しなければなりません。また、試験登録申込み後、180日以内に試験を受けなければ申し込みに無効となります。
受験した試験が不合格だった場合、再受験可能な日程も細かく定められているので、受験にあたり、有効期限を確認しておくようにしましょう。
更新について
CIA試験合格後、資格の保持には更新手続きが必要となります。更新するためには、所定の活動をして活動内容を報告するとともに、更新手数料を支払う必要があります。
資格の有効期間
公認内部監査人(CIA)の有効期間は3年間です。
更新手数料
更新手数料は以下の通りです。
・IIA個人会員:3,564円
・IIA個人会員以外:15,000円
期限までに更新手続きがされなかった場合は資格停止となります。資格停止後、復帰するためには所定の活動を実施したことを報告するとともに、復帰手数料を支払う必要があります。
復帰手数料
復帰手数料は以下の通りです。料金には更新料と復帰手数料が含まれます。
・IIA個人会員:10,500円
・IIA個人会員以外:35,000円
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まとめ
公認内部監査人(CIA)は、企業の不正や不祥事を発見するだけでなく、経営の根幹に関わる重要な役割を担っており、その重要性やニーズが年々高まっているようです。
公認内部監査人(CIA)の資格を取得すれば、外資系や日系グローバル企業への転職時に、強みとしてアピールできるでしょう。また、キャリアアップを検討中なら、人材紹介会社を通した転職を視野に入れてもよいのではないでしょうか。エンワールドは、転職希望者に向けて業界ごとの特徴を踏まえた、きめ細かいコンサルティングを提供しています。