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大学生やビジネスパーソンのなかには、これから海外への転職や就職を考えている方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、この記事では国ごとの就職活動事情や、海外へ転職するのに必要なスキル、手段などを説明します。これらを実践して、ぜひ満足のいく転職を実現させてください。
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海外と日本の就職活動の主な違い
海外で就職活動をしようとした場合、日本での就職とは勝手が異なる部分があります。ここでは、それを詳しく解説します。

就職活動でのルール
まず就職活動ルールそのものの違いについて紹介します。
☑就職活動をするタイミング
日本の場合採用は新卒・第二新卒・中途に大きく分けられており、4月に学校を卒業した新卒者がすぐに企業に入社するケースが多くみられます。一方、海外では新卒を一括採用する考えは一般的ではありません。条件にあう人材は一年中募集していることが多いです。
☑面接
日本では入社前に履歴書を提出し、スーツ姿で面接を受けますが、海外の場合は服装マナーが決まっていないことが多いです。とくにインターンの採用については、面接自体が行われないケースもあります。面接では自分がこの仕事に向いていると思う理由や、今後のキャリアプランなどが問われます。
なお、英文履歴書(レジュメ)は日本とは異なり学歴や職歴は新しいものから書きます。
求められる人材
日本では、新卒採用の場合はチームワークや挑戦する気持ち、素直さなどが重視され、中途採用ほど専門知識は求められません。一方、海外では中途入社者にはもちろん、新卒者にも即戦力を求めています。そのため、スキルのない新卒者は、インターンなどで業務に直結するスキルを積み上げてから入社します。
アメリカの就職事情
シリコンバレーやウォール街をはじめビジネスで知られた場所が多いアメリカは、世界の最先端で自由に働けるだけでなく、報酬面でも期待がもてる国だといえます。
アメリカの新卒採用
即戦力を求める傾向があるため、大学の成績を示すGPA(Grade Point Average:成績評価値)やインターンシップの実績などが重視されます。
アメリカの転職
通年募集が行われていますが、近年就労ビザ(H-1Bビザ)の取得が難しくなる傾向が続いていて、海外籍の転職難易度は高めといえます。また世界から注目されている国のひとつでもあるため、仕事の募集倍率も高いと考えて良いでしょう。そのためとくに高いスキルと専門知識が求められるといってよいでしょう。
ドイツの就職事情
自動車産業や製薬会社などをはじめ世界有数の企業が多くあるドイツでは、業務分担がはっきりしていて、バケーションや定時退社などが定着しているため、生産性を高めて働ける国のひとつといわれています。
ドイツの新卒採用
専門知識が重視される傾向にあります。そのため、現地の高校生の場合は働きながら専門学校などで学び(Ausbildung)その後就職するケースが多いです。大学生の場合もインターンシップからの就職が基本です。大学では授業とインターンシップが半々となるようスケジュールが組まれることが多いです。
ドイツの転職
現地では小学校の時点で就職の方向性を決め、そこから専門教育が行われます。そのためプロパー社員の能力が高く、異業種への転職は一般的ではないといってよいでしょう。よって、ドイツで転職を希望する場合はとくに専門スキルを高め実績を作りましょう。また、現地企業で働く以上、ドイツ語も必要となるでしょう。
スペインの就活事情
有名な観光地が多く情熱の国としても知られるスペインは非常に高く、公立病院であれば家族を含め医療費が無料です。スペインは自分の意見や家族とのつながりを重視しながら働ける地域といえるでしょう。
スペインの新卒採用
スペインでの就職は、労働許可を出してくれる企業もありますが、スペインではごくまれであることからも、日本の大学を卒業しただけでは難しいかもしれません。学生ビザがあれば比較的長期のインターンシップが可能なので、まずはそこで実績を作りましょう。
スペインの転職
経済状況がやや不調なため、採用はそれほど盛んではありません。日本語とスペイン語に加え専門スキルがあるなど、アピールポイントを明らかにした転職活動が求められるでしょう。また、転職先の企業のサポートがないと基本的にビザが取得できません。採用が決まってからは、就労ビザに関する事前の打ち合わせも必要となってくるでしょう。
香港の就職事情
自由貿易と低い税率などで世界中の企業が参入している香港では、駐在員や外資系企業の求人も多く、競争率は高いものの高待遇が期待できる国のひとつです。時代の最先端を追い求めたい方や複数の文化を体感したい方にはうってつけの場所といえるでしょう。
香港の新卒採用
即戦力が求められるため、新卒のメリットは少ないといえます。自分でできることをアピールしながら採用してくれる場所を探しましょう。
香港の転職
香港は、世界でも数少ない一国二制度を採用している国のひとつであり、資本主義制度と社会主義制度が共存する経済事情の下で、実に多様なビジネスが成り立っているといえます。
そのため、こういった条件さえ満たしていればどこの企業でも就職できる、という一般論があまり通用しない国とってよいでしょう。
また、日本に比べて副業や兼業に対する受容性も高い傾向にあり、事情が許せば複数の企業をかけもちして働いたり、自分でサイドビジネスを起こしたりすることも可能です。
ベトナムの就職事情
社会主義国家ながら日本をはじめ世界の企業が進出しているベトナムは、東南アジアのなかでも有数の経済成長率をほこる国のひとつです。日本との関係もよく、ビザなしで渡航できるため行き来もしやすい国の一つです。
ベトナムの新卒採用
日本と同様、卒業後に就職活動を行います。外資系企業で高収入を目指す学生が多く、英語能力は必須とされています。
ベトナムの転職
観光業などが盛んな一方、一般企業の駐在員の求人をはじめ駐在員の家族のお世話をする保育士の仕事にもニーズがあります。日本人が関わっている企業やサービスは比較的就職しやすい傾向があり、日本語と英語の両方ができればより有利に就職できるとされています。
海外での就職に必要とされるスキル
ここではどの国で就職する場合も共通して求められるビジネススキルについて紹介します。

☑語学力
海外で働く際は現地の社員やクライアントなどと基本的なコミュニケーションが取れることが大前提となります。日本と同じく英語が一般的には通じない国もありますので、現地の言語はある程度読み書きできるようにしておきましょう。また、英語はどこの国に就職する場合でも必要といえます。海外求人に応募するなら、目安としてTOEIC700点以上の英語力が望まれるでしょう。
☑実務経験
いくつかの国の事例で紹介したとおり、海外ではポテンシャル採用ではなく、即戦力として活躍できる人材を求める傾向にあります。そのため、実務経験は必ずと言っていいほど求められ、それ相応の実績があれば転職を成功させられるでしょう。一方で、よい条件の求人は、世界中から注目が集まっています。履歴書(resume:レジュメ)やビジネスレターなどに、採用に繋がるアピールを記載し自信をもって採用試験に臨みましょう。また自分を推薦してくれる後ろ盾(reference)が必要なケースもあるようです。
海外で就職する方法
海外で就職活動をする際の準備について、具体的に何をすればよいか紹介します。
☑求人情報をチェックする
本気で就職をしたいと思ったら、まずは自分の条件にあう求人を探すことから始めましょう。海外で働くための方法はおもに3つあります。
- 希望する国にある現地の企業に応募し採用される
- 海外の現地法人がある日本企業に就職し、海外駐在員になる
- 日本企業の現地法人自体が募集している求人に現地採用として応募し採用される
求人を探す際は、希望する国で行われている募集のほか、日本国内の募集もみておくとよいでしょう。
☑説明会や相談会に行く
多くの企業が集まる説明会(キャリアフォーラム)などでは、一度に複数の企業の情報が集められます。大手企業も参加している場合があるため、優良企業と直接話せる絶好の機会といえるでしょう。希望する企業が事前予約を受け付けている場合は、必ず予約をしておきましょう。また、場合によっては、説明会の場で採用面接が行われる場合があります。念のため履歴書などを準備しておくとよいでしょう。
☑履歴書を書く
海外企業に提出する履歴書(レジュメ)はいくつかの形式があります。氏名や連絡先などの基本情報のあとに技能・スキル、職歴、学歴を記載する形式が一般的ですが、企業の募集内容や自分の強みによって使い分けても構いません。ただし、海外勤務の募集であっても、日本企業であれば日本式の履歴書でよいこともあります。事前に応募要件を確認するようにしましょう。
☑面接の予約をする
応募書類から興味を持ってもらえた場合には、現地の採用担当者から面接の連絡を受けます。もし日本企業へ応募した場合、面接も日本で行われるため大きな問題はないでしょう。ただし、海外への就職の場合、なかには人事担当者や採用責任者が本国で勤務している場合もあります。その場合、昨今では電話やオンライン面接が多様されています。
☑面接を受ける
海外企業の就職面接でよく聞かれるのは「あなたを採用すると自分たち企業にとってどのようなメリットがあるのか?」という点です。同じスキルを持っている海外籍の人物と現地人が同時に応募してきた場合、ビザの手配などが不要な現地人の方が採用に有利といえます。そのため、自分のほうがより魅力的だと感じてもらえるように、自身の棚卸しを行って答えをよく考えておくことが大切となるでしょう。
自分の専門分野をはじめ強みや弱み、海外で働きたいと考えている理由やどのようなキャリアプランを考えているか、給料はいくら欲しいかなど、想定される内容に対しては回答を用意しておきましょう。
☑採用後の手続きをする
無事採用が決まっても、すぐ渡航できるというわけではありません。採用決定から現地で働き始めるまでの期間は、3~4ヵ月ほどかかるのが一般的です。まず最初に、ビザの申請が必要となりますが、就労ビザを受け取る手続きには時間がかかります。また、就職先の企業から、海外籍である自分を招致したいという旨を説明してもらう必要もあります。
さらに日本国内では海外転出届の提出や住民税、社会保険、年金の手続きが必要です。加えて現地では在留届の提出など、引っ越しのための行政手続きも行います。ビザ以外の手続きは自分で調べながら対応する必要があるでしょう。同時に海外で住む住居を決めて契約をして、引っ越し荷物を運ぶなど生活の基盤を整える準備も必要です。計画的に少しずつ進めましょう。
まとめ
ここまで、海外での就職に必要とされるスキルや就職までの具体的手順について解説しました。海外と日本の就職活動方法は大きく異なります。インターネットなどを活用し、十分に情報収集をしたうえで転職活動を行うことが重要となりますが、まずは日本の外資系企業で英語を使って仕事をする経験を積むことも良いでしょう。
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