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ビジネスシーンにおけるエグゼクティブとは、CEOやCOOなど、企業や組織において経営の中核を担う重要な役職のことです。組織全体の方向性を決定し、企業を成功へと導く役割を担っているエグゼクティブには、高度な経営能力が求められます。
エグゼクティブ人材の転職市場では、そもそも非公開求人のみの扱いであったり、企業との価値観のマッチングがより重視されたりなどの特徴があります。そのため、転職を成功させるには一般的な転職とは異なるアプローチが必要です。
本記事では、エグゼクティブの意味や該当する役職、転職市場の特徴、転職成功のポイントまで詳しく解説します。転職を考えている管理職の方や、転職による管理職へのキャリアアップをお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
エグゼクティブとは「経営の中核を担う上級管理職」
エグゼクティブ(Executive)は、英語で「実行力がある」「執行部の」という意味を持つ言葉です。ビジネスシーンにおける「エグゼクティブ」は、社長や会長、役員などの経営の中核を担う立場の方々を指して使われます。
エグゼクティブは、企業における経営戦略の立案や意思決定など、経営目標の達成に向けて組織全体を導く重要な存在です。そのため、単なる役職名だけではなく、職責に見合った高度な経営能力やリーダーシップを備えていることが求められます。
企業の成長と成功に直接的な影響を与える存在として大きな責任を持つとともに、期待も寄せられている立場だといえます。
エグゼクティブに該当する役職
エグゼクティブに該当する役職は企業の規模や業種によって異なる場合もありますが、ここでは主要な5つの役職を紹介します。
CEO(最高経営責任者)
CEOは、Chief Executive Officerの略称で、企業の最高責任者を指します。
CEOは企業全体の経営戦略や事業方針を策定し、その実行に責任を持ちます。企業の将来的なビジョンを描き、その実現に向けて重要な意思決定を行うのが主な役割です。また、取締役会や株主に対する説明責任も担っています。
関連記事:CEOとCOO・代表取締役の違いは?求められる資質やキャリアパスを解説
COO(最高執行責任者)
COOは、Chief Operating Officerの略称で、企業の日々の業務執行を統括する役職です。
CEOが企業の全体的な方向性を決定するのに対し、COOはその方針に基づいて実際の業務執行を統括します。各部門の調整や効率化、業績の管理など、より実務的な指揮をとるのが主な役割です。多くの場合、CEOの右腕として機能し、企業の円滑な運営を支えています。
関連記事:COOとは?業務内容や他役職との違い、転職に関する知識を紹介
CFO(最高財務責任者)
CFOは、Chief Financial Officerの略称で、企業の財務や経理戦略を担当する役職です。
資金調達や運用、投資判断、経理業務など、企業における資金の流れ全般を適切に管理・把握し、経営陣に適切な助言を行います。企業の社会的責任として会計の透明性が重視されるにつれて、CFOの責任もより重くなってきています。
CIO(最高情報責任者)
CIOは、Chief Information Officerの略称で、企業の情報戦略を担当する役職です。
主な役割は、企業のITシステムの整備やデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進などです。CIOは、企業の経営理念に合わせた情報化戦略を立案し、実行する役割を担っています。急速に進化するITへの深い知識と、その知識を経営に応用する力が求められています。
CTO(最高技術責任者)
CTOは、Chief Technical Officerの略称で、企業の技術戦略を担当する役職です。
研究開発の方向性の決定や新技術の導入、技術革新の推進などに責任を負います。CTOは企業の競争力を高めるための技術戦略を立案し、実行するのが主な業務です。その専門性を活かし、エンジニアや研究職の採用に携わる場合もあります。
エグゼクティブ人材に求められる3つのスキル
エグゼクティブ人材には、高度な経営能力が求められます。ここでは、高度な経営能力の例として、ハーバード大学教授のロバート・カッツによって提唱された管理者に必要な3つの能力を紹介します。
テクニカル・スキル(業務遂行能力)
テクニカル・スキルは、業務遂行能力とも呼ばれ、特定の職務を遂行するうえで必要となる専門知識や業務処理能力を指します。例えば、会計担当者にとっての経理知識やシステムエンジニアにとってのプログラミング技術がこれに該当します。
以前は若手管理職に重視されていたスキルでしたが、最近では上位管理職にも高度な業務知識が必須と考えられるようになりました。エグゼクティブには、常に最新のトレンドや技術に精通し、それらをビジネスに活用できる能力が求められます。
ヒューマン・スキル(対人関係能力)
ヒューマン・スキルは、対人関係能力とも呼ばれ、職務遂行に必要な円滑な人間関係を構築するスキルを指します。具体的には、コミュニケーション力や交渉力、傾聴力、高いリーダーシップなどが挙げられます。
多様な立場の方々と関わりを持つエグゼクティブにとって、必須のスキルです。数値化が難しいため客観的な評価は容易ではありませんが、他者との関わりや人事評価でのフィードバックを通じて高められます。
コンセプチュアル・スキル(概念化能力)
コンセプチュアル・スキルは、概念化能力とも呼ばれ、知識や情報を体系的に組み合わせ、複雑な事象を概念化することで物事の本質を把握するスキルを指します。具体的には、論理的思考力や問題解決力、応用力などが挙げられます。
このスキルは、上位管理職になるほど必要性が高まる傾向があるスキルです。エグゼクティブには、組織全体を見渡し、長期的な視点で戦略を立てる能力が求められます。
エグゼクティブ人材の転職市場の特徴
エグゼクティブの転職市場には、一般的な転職市場とは異なる5つの特徴があります。
一般求人に比べると件数は少ない
エグゼクティブ向けの求人は、一般的な求人と比較して数が少ないのが特徴です。これは、エグゼクティブが経営の中核を担う重要なポジションであり、企業側も慎重に人材を選考するためです。
求人が少ない分、エグゼクティブ転職では競争が激しくなる傾向があります。限られた機会を逃さないよう、常に情報収集を怠らず、自身のスキルや経験を磨き続けることが重要です。
公開求人で募集されることは少ない(非公開求人)
エグゼクティブ人材の募集は、一般的な求人サイトで公開されることは稀です。多くの場合、エグゼクティブ専門の転職サイトや、企業や転職エージェントが持つ人脈を通じて採用が行われます。いわゆる、非公開求人と呼ばれるもののひとつです。
そのため、エグゼクティブ転職を考えている方は、専門のエージェントを活用したり、自身のネットワークを広げたりするのが効果的です。
転職者の年齢が高めである
エグゼクティブポジションには豊富な経験と実績が求められるため、転職者の年齢層は比較的高めです。管理責任者クラスの募集では30〜40代のミドル層の転職が多く、経営陣に関わる職務では50代の転職者が多い傾向にあります。
年齢だけで能力が判断されることはありませんが、蓄積された経験や知識が評価される市場だといえます。
好条件の求人が多い
エグゼクティブは企業経営において中核的な役割を担うため、給与や待遇面で好条件の求人が多くなっています。企業規模や業界によって異なりますが、職責の重さや求められる経験・能力に見合った年収や待遇が期待できます。
マッチングを重視する
エグゼクティブの採用では、スキルや経験だけでなく、企業との相性も重要視されます。これは、エグゼクティブが企業文化や価値観を理解したうえで経営に携わることが求められるためです。
エグゼクティブへの転職を考える際は、自身のキャリアプランと企業の方向性が合致しているかを見極めることが成功の鍵となります。
エグゼクティブ人材の転職を成功させるポイント
エグゼクティブ人材として転職を成功させるためには、以下の3つのポイントを押さえることが重要です。
ヘッドハンティング型転職エージェントを利用する
ヘッドハンティング型転職エージェントでは、一般的な転職エージェントとは異なり、ヘッドハンターが直接スカウトメールを送る形式を採用しています。ヘッドハンティング型転職エージェントには、厳選されたハイクラス求人が豊富に揃っているのが特徴です。
ヘッドハンターは多くの登録者のなかから企業の求める人材にマッチする方を選んでスカウトするため、自分に合ったよい案件のみを紹介してもらえる可能性が高くなります。
複数のエージェントを使って同じ案件に応募しない
企業は数多くの候補者のなかから最適な人材を見つけたいと考えているため、複数のエージェントに求人を出すことがあります。
しかし、転職希望者が複数のエージェントを通じて同じ求人に応募することは、企業側も転職エージェントも望みません。利用するエージェントを一社に限定する必要はありませんが、応募履歴は自身で管理し、複数のエージェントを通じて同じ案件に応募することがないようにしましょう。
焦らず長期目線で取り組む
エグゼクティブ人材向けの求人は一般的な求人と比べて数が少なく、競争も激しくなる傾向があります。また、企業側もマッチングを重視するため、適切な候補者の選定には時間をかけています。
そのため、エグゼクティブ人材の転職は焦らず、長期的な視点で取り組むことが大切です。自身のキャリアゴールに合致する求人が現れるまで転職活動を続けつつ、機会が訪れた際には迅速に対応できるよう準備を整えておく必要があります。
まとめ:管理職への転職をお考えの方は、ハイクラス、エグゼクティブ求人に強いエンワールド・ジャパンにご登録ください
本記事では、エグゼクティブの意味や役職、求められるスキル、転職市場の特徴などについて解説してきました。
エグゼクティブは経営目標の達成に向けて組織全体を導く重要な役割を担っているため、高度な経営能力を備えている必要があります。また、エグゼクティブ人材の転職は一般の転職とは異なる特徴を持つことから、転職を検討する際には、管理職の求人に強みを持つエージェントを活用することが重要です。
エンワールド・ジャパンは、会社代表や企業経営を担う取締役層などの企業の役員クラスの求人に特化したエグゼクティブサーチ部門を持つ転職エージェントです。優れた国際感覚と業界知識を兼ね備えたコンサルタントと、外資系・日系グローバル企業の経営層や人事決裁権者との独自のネットワークにより、企業とのマッチング精度の高いエグゼクティブ層の転職をサポートします。
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