注目の資格PMPとは?難易度や勉強方法、取得する5つのメリットを解説

外資系転職アドバイス 資格情報・対策
2024.08.14
注目の資格PMPとは?難易度や勉強方法、取得する5つのメリットを解説

プロジェクトマネジメント能力があることを客観的に証明できるPMP(Project Management Professional)は、業種や職種を問わずに役立つ注目の資格です。


PMPは世界共通の資格であり、「PMI日本支部アニュアル レポート2023」によると2023年12月末時点で約145万人が取得しています。資格を保有することで、グローバルな人材として重宝される可能性が高まります。


この記事では、PMPを取得するメリットや受験資格、試験の流れ、難易度、勉強方法などをわかりやすく解説しているので、受験を検討している方はぜひ参考にしてください。

PMPとは

PMP(Project Management Professional)とはプロジェクトマネジメントの専門家であることを証明する国家資格です。米国のプロジェクトマネジメント協会であるPMIが、「PMBOKガイド」と呼ばれるプロジェクトマネジメントのガイドブックに基づいて認定しています。

PMPでは、受験者のプロジェクトマネジメントの経験や知識だけでなく、マネジメントに対する姿勢といった実務的な内容も問われます。そのため、実際のプロジェクトを進めるうえでにあたって非常に有用です。

PMPを認定するPMIについて

PMI(Project Management Institute)とは、1969年に設立された米国のプロジェクトマネジメントの組織です。PMPを始めとする資格の認定や、標準策定、イベントの開催などの活動で、プロジェクトマネジメントの発展と普及を行っています。

PMIは、世界80ヵ国以上の300を超えるボランティア主導の支部で構成されており、世界中に広がりを見せています。

1998年にはPMI東京支部が発足し、2009年に一般社団法人PMI日本支部と改称されました。2024年現在、PMI日本支部の会員数は全支部で3番目に多い6,000人以上が所属しています。

プロジェクトマネージャ試験との違い

PMP以外にもプロジェクトマネジメントに関する資格があり、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が主催する国家資格のプロジェクトマネージャ試験が広く知られています有名です。

プロジェクトマネージャ試験は、主にシステム開発プロジェクトにおいてプロジェクトマネジメント業務を行う方を対象とが受けることを想定しています。そのため、PMPよりもITの専門的な知識が必要とされ、基本的にはIT関連の仕事をしている方に適した試験だといえます。

また、受験資格が設けられておらず、かかる費用は受験料の7,500円であるため、PMPよりも挑戦しやすい点ことが魅力的です。

ただし、プロジェクトマネージャ試験と比較するとよりもPMPのほうが世界的な知名度は高いため、国際的に活躍したい方はPMPの受験をおすすめします。

PMPの資格を取得する5つのメリット

PMPを取得する5つのメリットを紹介します。

  • スキルアップにつながる
  • 社内でのキャリアアップにつながる
  • 年収アップの可能性がある
  • 人脈が広がる
  • 転職時に有利になる

スキルアップにつながる

PMPではプロジェクトマネジメントの体系的な仕事の進め方を学ぶため、資格を取得することで自身のスキルアップにつながります。

スキルアップするがあがることで、多くの方が今までよりもプロジェクトマネジメントをより円滑に進められるようになります。また、PMPで得た知識をチームで共有することによって、チーム全体のスキルのを向上につながる点もさせられることもメリットです。

社内でのキャリアアップにつながる

PMPの取得は、社内でのキャリアアップにつながる可能性ことがあります。なぜなら、PMPを日本で取得しているのは2023年12月末時点で45,058人しかおらず、非常に貴重であるからです。

PMPの資格が確かなスキルを持っている証明になり、重要な仕事を任せてもらえる可能性が高まるといえます。

参考:【2023】日本語版:PMI日本支部 アニュアル レポート2023〔見開き頁版〕P.23|一般社団法人PMI日本支部

年収アップの可能性がある

先ほど紹介したように、PMPの取得者は少ないため、貴重な人材として評価され、年収アップの可能性があります。

PMIが公表している「Earning Power Project Management Salary Survey Eleventh Edition」によると、日本のPMP取得者の平均年収は約1,039万円(1ドル=157円換算)です。平均年収であるため、勤めている会社やポジションによって差はありますが、比較的高年収であることがわかります。

人脈が広がる

PMPを取得するには公式の研修を受ける必要があります。取得後も勉強会やセミナーに参加することがあり、社外のプロジェクトマネージャーと顔を合わせる機会が生じるため、人脈がを広がりげられます。

研修やセミナーなどで出会った方と親交を深めることで、仕事に役立つ情報のを獲得やしたり、新たな仕事の機会につながるにつながったりする可能性がもあります。また、同じプロジェクトマネージャーであってもさまざまな業界の方がいるため、視野を広げる別業界のことを知れるチャンスです。

転職時に有利になる

プロジェクトマネジメントャーの需要は高まっており、なかでもPMPの取得者は貴重な人材とされていますです。PMPがスキルの証明をしてくれとなるため、取得していない場合と比べて転職時に有利に働く可能性が高くなります。

転職を考え検討している方は、転職エージェントの利用を検討してみるとよいでしょう。をおすすめします。エンワールド・ジャパンは、外資系企業や日系グローバル企業に強い転職エージェントです。外資系企業や日系グローバル企業に興味のある方は、まずは新規会員登録からご登録ください。

PMPの受験資格

PMPを受験するには、プロジェクトマネジメントの実務経験と研修の受講が必要です。具体的にどのような条件が設けられているのかを解説します。

プロジェクトマネジメントの実務経験

PMPを受験するためには、プロジェクトマネジメントの実務経験が必要です。求められる実務経験は最終学歴によって、以下のように期間が定められています。

最終学歴 プロジェクトマネジメント経験
大学院卒業あるいは相当する資格 24ヵ月
4年生大学卒業あるいは相当する資格 36ヵ月
高校卒業あるいは相当する資格 60ヵ月

このように、受験するにはプロジェクトマネジメントの実務経験が長期間必要となります。

実務経験の内容自体は問われず、明確な始まりと成果があるものと定められています。ただし、試験の申し込みから8年以内の実務経験しか認められない点には注意しましょう。

参考:Project Management Professional(PMP)® 試験内容の概要 – 2021年1月 P.11|PMI

35時間の公式なプロジェクトマネジメント研修の受講

PMPを受けるためには、35時間の公式なプロジェクトマネジメントの研修を受講しなければなりません。

プロジェクトマネジメントの公式な研修とは、自習やPMI支部のミーティングを含まない以下のようなプログラムを指します。

  • R.E.P.(PMI認定教育プロバイダー)による研修
  • PMI認定教育研修主催のプログラム
  • 大学が行う教育プログラム
  • 企業が行う研修プログラム
  • e-learningなどのR.E.P.以外の研修会社、もしくはコンサルタントが行うプログラム

これらのプログラムを、申請日までに修了していることが受験の条件となります。そして、研修名や研修を受けた場所、研修日、時間数などを、研修内容の資料をもとにして、受験申請書に記入する必要があります。研修に関する資料は監査に備えて、念のため保管しておきましょう。

参考:Project Management Professional(PMP)® 試験内容の概要 – 2021年1月 P.11|PMI

PMP取得の流れ・試験内容・試験日程

PMPを取得するまでの主な流れや試験内容、試験日程について紹介します。

取得の流れ

PMPを取得する流れは以下のとおりです。

  1. PMIサイトでアカウントを作成します。
  2. PMIサイトで職務履歴などの申請書を作成します。
  3. PMIサイトでPM研修を35時間受講します。
  4. PMIが申請書の内容完成度をレビューします。
  5. 受験料支払いメールに対応します。
  6. 申し込み内容書でIDや有効期限を確認します。
  7. 試験を予約し、受験します。
  8. 合格後、3年の間に60PDU(勉強時間を表す単位)を取得し、PMIサイトにログインして登録します。

PMPの取得は7番目までのステップで完了しますが、資格を維持するためには3年間で60PDUを取得し、更新が必要です。

1PDU=1時間に相当するため、3年間で60時間はプロジェクトマネジメントに関する学習をしなければなりません。更新期限の直前で慌てないためにも、計画的にPDUを取得しましょう。

参考:資格の更新について|一般社団法人PMI日本支部

試験内容

PMPの試験は「人」「プロセス」「ビジネス環境」の3つの領域で構成されており、それぞれ以下の割合で出題されます。

領域 テスト項目の割合
I.人 42%
II.プロセス 50%
III. ビジネス環境 8%

試験は180問出題されますが、そのうち5問は予備問題です。予備問題は点数に影響しないため、残りの175問で合否が判定されます。

試験時間は230分で、試験中に10分間の休憩が2回あります。1回目の休憩は問題1〜60が終わったときに、2回目の休憩は問題120まで終わったタイミングです。

参考:Project Management Professional(PMP)® 試験内容の概要 – 2021年1月 P.2、15|PMI

試験日程

PMPの試験は1年間の受験期間が与えられ、受験者はこの期間内に合格しなければなりません。この1年の受験期間中に3回まで試験を受けられます。

3回とも不合格だった場合は、最後の受験日から1年間経過しなければ次の資格認定に申請できません。

試験は、試験会場で受けるかオンラインで受けるかを選べます。試験会場で受ける場合は、ピアソンVUEの公式サイトでテストセンターごとに検索すると、受けられる日が表示されます。空き枠さえあれば平日や土日に関係なく、ほとんど毎日受験可能です。

オンライン試験は月に2回実施されます。ご自身のパソコンを使って試験を行うので、オンライン試験のサイトから模擬試験を実施し、ネットワークに問題ないかをチェックしましょう。

参考:PMI®資格ハンドブックー2023年9月改定 P.23|プロジェクトマネジメント協会

PMPの難易度は高め!合格率は非公表

以前までPMPの合格率は公表されていましたが、現在は正式な合格率は公表されていません。

合格ラインも公表されていませんが、合格者のスコアレポートの多くは60%台の正解率となっています。そのため、正答率が約60%以上必要と考えられています。

出題される180問のうち5問は予備問題であるため、残りの175問中105問を上回る正解が必要です。

受験料が安くないため、合格する自信のある方しか受験していないと考えられるなか、ほとんどの合格者が60%台で合格していることから、難易度は高いといえます。

関連記事:PMPの難易度は?試験の内容や受験資格、対策法まで紹介

PMPを取得するための費用

ここでは、PMPを取得するための費用について解説します。

研修受講費用

試験を受けるために必要な研修受講費用は、受講方法によって幅があります。チューターがついているものや初級コースではなく、上級コースを受講すると費用は割高になる傾向にあります。

例えばe-learningだと10,000〜45,000円程度、講座受講であれば100,000〜300,000円程度かかると考えておきましょう。

受験費用

PMPの受験料はPMI会員か非会員かで異なり、金額はそれぞれ以下のとおりです。

受験回数 PMI会員の受験料 非会員の受験料
1回目 405ドル(約63,600円) 575ドル(約90,300円)
2回目 275ドル(約43,200円) 375ドル(約58,900円)
3回目 275ドル(約43,200円) 375ドル(約58,900円)

※( )内は日本円換算の金額(2024年6月現在:1ドル=157円)

ご覧のように1回目の受験料はPMI会員のほうが非会員よりも170ドル安くなっています。また、2回目以降の試験もPMI会員のほうが100ドル少ない受験料で受けられます。

PMI会員のほうが受験費用は割安になるので、気になる方はPMI会員への登録をおすすめします。ただし、PMI会員になるには会費が必要で、初年度であれば合計139ドルかかることに留意が必要です。

  • 入会費:10ドル
  • 本部年会費:129ドル

別途50ドルを支払ってPMI日本支部に登録することもできますが、本支部の登録だけでも受験料の割引は受けられます。

日本支部に登録しない場合であれば、1〜3回目のいずれの試験で合格した場合でもPMI会員のほうが支払い額が少なくなります。

受験回数 PMI会員費+受験料(総額) 非会員の受験料(総額)
1回 139ドル+405ドル=544ドル
(約85,400円)
575ドル
(約90,300円)
2回

544ドル+275ドル=819ドル(約128,600円)

575ドル+375ドル=950ドル
(約149,200円)
3回

869ドル+275ドル=1,094ドル(約171,800円)

950ドル+375ドル=1,325ドル
(約208,000円)

※( )内は日本円換算の金額(2024年6月現在:1ドル=157円)

参考:PMI日本支部会員制度入会のご案内  P.10|PMI日本支部

取得した後にかかる費用

先ほど紹介したようにPMI会員になっている場合は、本部の年会費は129ドル、日本支部は50ドルが1年ごとにかかります。

また、PMP試験は合格後も3年ごとに資格を更新する必要があり、更新費用はPMI会員ならば60ドル、非会員であれば150ドルです。

このようにPMI会員になっておくことで、PMPの更新費用を安く抑えられます。

また、PMI日本支部の会員になれば受験料や公式参考書の料金が割安になります。例えば公式参考書「PKBOKガイド」の価格は以下のとおりです。

  • PMI日本支部会員:8,030円
  • 法人スポンサー:8,990円
  • 一般:11,990円

それ以外に、PMBOKガイドのPDFファイルをダウンロードできたり、日本支部主催のセミナー受講費の割引を受けたりといった特典もあります。

参考:PMI日本支部会員制度入会のご案内  P.8|PMI日本支部

PMPの勉強方法

ここでは、PMPの勉強方法について2つの方法を解説します。

PMBOKガイドを活用する

PMIが発行している公式の参考書「PMBOKガイド」を活用するのが、合格への近道だといえます。PMP試験は、PMBOKガイドをベースに作成されており、問題の約3割がテキストから出題されるといわれています。

しかし、ひととおり目を通した程度で理解できる内容ではありません。PMBOKガイドを完全にインプット・アウトプットできるレベルにするには、3周程度の読み込みが必要です。

 また、実務で行っていたこと、経験から得た知識などと照らし合わせながら読んでいくことがポイントです。

関連記事:PMPの難易度は?試験の内容や受験資格、対策法まで紹介

問題集を繰り返し解く

PMPは公式で過去問が公表されていないため、問題集を活用する必要があります。

1度目は概要を把握し、2度目からはインプット・アウトプットできる段階に持っていきましょう。

おすすめの問題集と模擬試験が受けられるサイトをまとめておりますので、どれを選べばよいのかわからない方は参考にしてください。

問題集・サイト 特徴
PMP®試験合格虎の巻 新試験対応
  • PKBOKガイドをもとに必要な情報がまとまっている
  • 分野ごとに演習問題と解説がある
  • 模擬試験を受けられる
PM教科書 PMP完全攻略テキスト PMBOKガイド第7版対応 改訂版
  • 著者がPMBOKガイド日本語版監訳を務めている
  • 試験の手続きや学習プランがわかる
  • 模擬試験を受けられる
PMI Study Hall
  • 模擬試験が受けられるPMIの有料サイト
  • Google翻訳することで実際の試験のような日本語に触れられる
  • ミニ模擬試験で短時間の学習にも対応している

まとめ

PMPは、プロジェクトマネジメントを体系的に身につけていることを証明する資格です。資格を取得することで、スキルの向上やキャリアアップなどのメリットがあり、PMPを保有することで転職市場でも有利に働きます。

エンワールド・ジャパンでは、外資系企業や日系グローバル企業を中心に、さまざまな業界の仕事を取り扱っています。PMP資格を活かせる仕事もありますので、転職を検討されている方はまずは新規会員登録からご登録ください。

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