金融経済新聞「金融人の転職事情」第3回 個性を活かせるプラットフォームを

2020年06月01日

第3回「金融人の転職事情」個性を生かせるプラットフォームを

全国で緊急事態宣言が解除され、新型コロナウイルスの状況も少しずつ落ち着きを見せてきていますが、このまま収束に向かう事を願うばかりです。

この様な不安定な状況の中、社員は新型コロナウイルスの感染対策に対する企業の対応や、リモートワーク中のマネジメントのフォローなど、様々な側面から企業を見るようになってきています。

現状の在宅勤務や平常時の勤務形態にかかわらず、経営やマネジメント層、人事などの管理部門は、部下に伸び伸びと仕事をしてもらえる環境整備や、上限関係なくフラットな関係で意見交換できる関係を構築することが理想だと考えています。

求職者に転職を考え始めたきっかけを伺うと20%が「職場の人間関係が良くない」と回答していました。(※2019年9月当社調査結果)

 

人材定着のために、管理職の方々が気を付けることは先ず、部下との信頼関係の構築だと思います。信頼関係の構築は短期間でできるものではなく、日々の積み重ねです。

気を配るべきポイントとしては、まず相手の話をとことん聞く姿勢を示すことです。

マネジメントで大切なのは、自分が部下をどうしたいかより、部下がマネジメント層にどうして欲しいかを、日々の会話や個人面談でしっかりとヒアリングすることだと考えています。

ただ、自発的に話す部下ばかりではないので、様々な質問を事前に用意しておくことが一つのポイントです。

仕事やプライベート、その人の趣味や嗜好性に合わせて話をしてあげることで信頼感が増し、部下からの意見や発言も増えてきます。

個人個人の特性は大きく異なるので、テンプレートに合わせて成長を促すのではなく、一人一人にカスタマイズした成長曲線と目指すべきゴールを作り上げることが必要です。

そうすることで、お互いにWin-winの関係を構築することが出来、結果として、人材の定着と活躍に繋がります。

グローバル人材の採用において求められていることは、オープンマインドで候補者と面接することです。

今まで通りの企業の価値観を共有できる人を探すのではなく、企業に新しい価値観を提供できる人を恐れずに採用し、企業を前進させていくことがこれからの企業の成功に必要な要素ではないかと考えています。

外資系企業、日系企業に関わらず、企業は人で出来ています。

ダイバーシティーが注目され、より様々な人材の活躍が重要視される中で、今までの価値観だけを重んじている企業は優秀な人材の流出や採用難への直面が避けられないでしょう。

多様なグローバル人材を採用するためには、マネジメント層の一人一人が求職者の多様性を認め、その個性を活かせるプラットフォームを企業側が提供していくことが、これからの課題だと思います。

◆プロフィール

金融チーム チームマネージャー玄間勇介

金融チーム チームマネージャー
玄間勇介 (げんま・ゆうすけ )

アメリカの大学を卒業後、イギリス系の人材紹介会社で転職コンサルタントとしてのキャリアを積む。2018年にエンワールド・ジャパンへ。業界歴10年以上。金融xIT業界を専門とし、外資系、およびグローバル企業のミドル~ハイクラスの採用支援、転職支援を得意とする。 

2020年6月1日号「金融経済新聞」掲載 ※無断転載・引用を固く禁じます。

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